第三夜
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カナトくんは私から飛び退いて
両耳を塞いでいる。
「....る、さいっ!
五月蝿い!!何様のつもり!?」
「いや!いや!いやあああ!!!」
「黙れ!この...」
私がさっき持っていたナイフを
カナトくんが拾い振り上げる。
「っ!!」
咄嗟に体の痛みも忘れて避け、立ち上げる。
「五月蝿い!!五月蝿い!!五月蝿い!」
ヒステリックに陥りかけた私に
手をかけようとするカナトくんは
私以上にヒステリックで、
カナトくんの叫び声と
ナイフが床に弾かれた金属音で我に返る。
「ッはあ、はあ」
互いに息を荒らしながら見つめあう。
「僕が殺してあげますよ。
ふふ、安心してください。
血は全部飲んであげますから...」
にこやかに笑いながらナイフはしっかり持っている。
貧血なんかに構ってられない。
壁を伝って全力で逃げる。
「...燃やしちゃうと血が飲めなくなるしなあ。
やっぱりナイフで切り刻んであげる。
その傷以外にも、
もっとたくさん、いっぱい刺しても
たっぷり吸ってあげます、ふふ。
だから....」
ーーやだ怖い
もう誰にも血を吸われたくない。
レイジさん!!
入口の扉にたどり着いた。
扉を開けて、そのまま倒れる。
だめだ、力がもう
「...ふふふ、そうです。
逃げても無駄ですよ?
君が逃げ切れるわけないんだから。」
「......や...」
また意識が飛びかける...
真っ白になって、今度こそ死を覚悟する。
ーーああ、
さっき死ねてたら
レイジさんに殺されていたら...
走馬灯ってこれを言うのかな。
レイジさんが目の前に表れて。
ーーああ紅茶、
最後に淹れさせて欲しかったな。
カルボナーラ、
最後まで美味しく作れなかったや。
レイジさんにまだお礼も言えてないのに
仲直りも、したかった...
せめて最後に
会いたかったな......。