第三夜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
背後から声が響く。
思わず力が抜けて肩で息をする。
「カナト、くん...どうしたの?」
振り返って声をかける。
緊張と体の痛みで声が震えたけど
カナトくんはそんなこと
気にもならない様子で、
寧ろ既に興奮状態みたいだった。
「どうしたもこうしたもないですよ。
ライトがあなたの血の匂いを撒き散らして
お腹が減っちゃったんです。
この前はシュウからも
アヤトからもあなたの血の匂いがして...」
カナトくんは私を攻めるように近寄り
私の前でしゃがみこむ。
「ねえ?いいでしょう?
レイジ以外の3人にも吸わせたなら
僕にも吸わせてください。」
「や、やだ!」
左腕に触れる前に近づくその手を払い除ける
「っ!......何の、真似ですか?
あの3人には吸わせるくせに、
僕には吸わせてくれないの...?
ああ、そうか、
僕がこうして血を求めるところを見て
みんなで笑って僕をいじめる気なんだ!!!
ねえ!!そうでしょう!?
そうなんでしょう!?」
ーーだめだ、この状況で...
貧血の頭に響くカナトくんの声が
私の脳を停止する。
「カナト、くん、違う...よ」
「言い訳なんて聞きたくありませんよ!!
君はただ...僕に吸われてればいいんです。
怒ってまたお腹がすきました...
無くなるまで吸ってあげますよ。」
ニヤリと笑ったカナトくんは
私の左腕を掴んで傷に触れた。
「ッ!!!......」
「ふふ、刺されたんですか?
それともさっきみたいに、
自分で刺したんですか?」
言いながら傷を触れたり少し押したり、
私が痛みで顔を歪ませるのをみて遊ぶ。
「痛い!」
「五月蝿いですよ、
僕は五月蝿い奴が大嫌いなんです。
ねえ、これ、刺されたんですか?
そうでしょう?
だってこの角度は自分で刺しても
こんな傷にはならないですよ。」
「......っ!」
「...ふふ、
誰に刺されたんですか?ライト?
ライトの匂いがすごくする...。」
「......。」
「違うの?じゃあ、レイジか」
「!!...ち、が」
違うことなんてない。
その通りのはずなのに、
なのに、
「嘘をつかないでくださいよ!」
「った!!」
カナトくんの親指が
傷を抉って腕のなかに突き刺さる。
痛みも違和感も半端じゃない。
「い、痛い!やめて!」
右手でもう一度振り払おうとしたが
止められる
「レイジにやられたんですね。
ふふ、喧嘩でもしてたんですか。」
「......」
「それじゃ君は今日から僕のものになればいい。」
「!?なにいって」
「だってもう、君はレイジのものじゃないんでしょ?」
言葉が
何度も響いた。
「いやああああああああああああああ
あああああああああああああああああ
あああああああああああああああああ
ああああああああああああああああ」
頭が真っ白なまま
喉が震えていた。
多分屋敷中には響き渡らなかっただろうけど、
拷問部屋はうるさくてたまらなかったと思う。
ただ私には聞こえなかった。
頭が壊れた音がした。