400字短編
目がよく合う。
始まりはただそれだけだった。
高校2年の3学期。昼休みに友達と机を囲んでふざけ合いながら進路の話をしていた。
最近クラスで進路の話題がよく出る。
この進学校の生徒は大抵大学へ入るが、夢が無い私には自分より友達の進路の方が気にかかった。
そんな時、ふと何故か彼の顔が浮かんだ。
何だかぞくっとするような、もやもやするけど暖かいような、むず痒いような…。
「大丈夫?」
友達の一声で我に返る。
彼とは大隈くんのことだ。
2年連続同じクラスメイトのくせにまともに話したこともない。
だけど毎学期の席替えで前後左右斜めのどこかに彼はいた。
友達に心配されながら、なんとなく頭によぎった教室内にいるはずの大隈くんを目だけで探す。
いた。
そしてまた目があった。
教卓前に男子2人と大隈くん。
なんとなく会釈をし合い視線を戻すと友達に恋か、春かと騒がれる。
「さあね。」
すましてみたものの、顔には熱がこもるばかりだった。
始まりはただそれだけだった。
高校2年の3学期。昼休みに友達と机を囲んでふざけ合いながら進路の話をしていた。
最近クラスで進路の話題がよく出る。
この進学校の生徒は大抵大学へ入るが、夢が無い私には自分より友達の進路の方が気にかかった。
そんな時、ふと何故か彼の顔が浮かんだ。
何だかぞくっとするような、もやもやするけど暖かいような、むず痒いような…。
「大丈夫?」
友達の一声で我に返る。
彼とは大隈くんのことだ。
2年連続同じクラスメイトのくせにまともに話したこともない。
だけど毎学期の席替えで前後左右斜めのどこかに彼はいた。
友達に心配されながら、なんとなく頭によぎった教室内にいるはずの大隈くんを目だけで探す。
いた。
そしてまた目があった。
教卓前に男子2人と大隈くん。
なんとなく会釈をし合い視線を戻すと友達に恋か、春かと騒がれる。
「さあね。」
すましてみたものの、顔には熱がこもるばかりだった。