夕
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夕暮れが嫌い。
夕日は綺麗、だけど嫌い。
「じゃあ、また、明日」
付き合ってもう半年。
今日がその記念日。
私と私の彼氏、
稲川くんとの関係というと
名ばかりの恋人で、
キスはもちろん手を繋ぐことさえない。
奥手な稲川くんも、
半年の記念日…つまり今日くらいは
下校onlyのデートから脱出させてくれる
そんな期待をしたのも束の間、
虚しくも各自お家直行下校デートは
ものの15分で終わってしまった。
――嘘。もう帰っちゃうの?
せめて今日くらい、今日くらい…
半年もたって、うまく会話も出来ないまま
下校デートを続けてきたけど
周りの友達は次々ラブラブになってゆくし、
恋人である自信が失くなるくらい
何もない私達は結局、
今日さえ何も起こらないなら
これから先も
もう何も起こらないんじゃないかな?
苦しくて悲しくて
ため息と一緒に涙も溢れそうになる
「………」
表情を見られないように俯いて、
だけどいつもの返事は返さない。
これだけが私のできる
抵抗であり、
何かのきっかけ作りだった。
「………」
互いに沈黙が続く
怖い。
怖い怖い怖い。
下校中の沈黙は常だけど
こんな、向き合って話しをしようとする中の沈黙は初めてだ。
ろくに話しもしてこなかったから
どう話し出せばいいかもわからない
「…」
「…」
「……」
「………」
「…ごめん」
謝ったのは私だった。
ほんの数秒だったかもしれない果てしない数秒を耐え切れずに謝った。
夕日は綺麗、だけど嫌い。
「じゃあ、また、明日」
付き合ってもう半年。
今日がその記念日。
私と私の彼氏、
稲川くんとの関係というと
名ばかりの恋人で、
キスはもちろん手を繋ぐことさえない。
奥手な稲川くんも、
半年の記念日…つまり今日くらいは
下校onlyのデートから脱出させてくれる
そんな期待をしたのも束の間、
虚しくも各自お家直行下校デートは
ものの15分で終わってしまった。
――嘘。もう帰っちゃうの?
せめて今日くらい、今日くらい…
半年もたって、うまく会話も出来ないまま
下校デートを続けてきたけど
周りの友達は次々ラブラブになってゆくし、
恋人である自信が失くなるくらい
何もない私達は結局、
今日さえ何も起こらないなら
これから先も
もう何も起こらないんじゃないかな?
苦しくて悲しくて
ため息と一緒に涙も溢れそうになる
「………」
表情を見られないように俯いて、
だけどいつもの返事は返さない。
これだけが私のできる
抵抗であり、
何かのきっかけ作りだった。
「………」
互いに沈黙が続く
怖い。
怖い怖い怖い。
下校中の沈黙は常だけど
こんな、向き合って話しをしようとする中の沈黙は初めてだ。
ろくに話しもしてこなかったから
どう話し出せばいいかもわからない
「…」
「…」
「……」
「………」
「…ごめん」
謝ったのは私だった。
ほんの数秒だったかもしれない果てしない数秒を耐え切れずに謝った。