第3章 迎えに来た麗人
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急いで着替えを済ませて応接間へと向かうと、そこには既にフローハイム家の面々が揃っていた。
当主のルイスが太った身体を椅子にもたせかけ、くるりとカールを描いた自慢の髭を慎重に撫でている。
その傍らでは妻のキャサリンが神経質そうに扇をひらめかせ、
ルゼラが女中から受け取ったカップを優雅な仕草で口元へと運んでいくところだった。
「遅れてしまい、申し訳………、」
「黙って。お座りなさい」
キャサリンにぴしゃりと被せられ、エステラは唇を引き結んで椅子にかけた。
「それでお父様、お姉様まで呼び出して一体なんのお話なの?」
邪魔なものを見るような視線に晒され、彼女は唇をかんだ。
「今度、この青の箱庭で夜会を開くのは知っているだろう?」
ルカスは椅子からぐっと身を乗り出し、ルゼラに微笑みかける。
「えぇ、勿論! 社交界デビューをしてから、
この古城で夜会を開くのは初めてよね。すごく楽しみにしているの」
十六歳のルゼラは、今年正式にデビュタント(社交界デビュー)を果している。
屋敷のなかで礼儀作法や外国語、
裁縫やピアノを学ぶ日々から一転し、華やかな社交界へと出ていくのだ。
けれどエステラは彼女の異母姉でありながら、デビュタントをしていなかった。
社交界へと出ていったとしても一族の恥になるだけだと言い渡され、
人目から隠すように育てられたのだ。
「今回の夜会には、数々の名だたる名家の方々がおいでくださる。
そんな中、私はある貴族の方に招待状を送ったのだ。
お受けくださるか不安だったが、なんと是非伺うという返事を頂いてね………、」
勿体ぶったようなルイスの声に、我慢できなくなったルゼラが口を挟む。
「お父様? その貴族の方って?」
ルイスは誇らしげにその名を口にする。
「ヴァレオ・ローゼリア伯爵だ」
「うそっ!」
カシャン、とルゼラのカップが音を立てる。
けれどその不作法さを咎める者はいない。
常ならば真っ先に注意するほど礼儀作法に厳しいキャサリンですら、笑みを浮かべている。
当主のルイスが太った身体を椅子にもたせかけ、くるりとカールを描いた自慢の髭を慎重に撫でている。
その傍らでは妻のキャサリンが神経質そうに扇をひらめかせ、
ルゼラが女中から受け取ったカップを優雅な仕草で口元へと運んでいくところだった。
「遅れてしまい、申し訳………、」
「黙って。お座りなさい」
キャサリンにぴしゃりと被せられ、エステラは唇を引き結んで椅子にかけた。
「それでお父様、お姉様まで呼び出して一体なんのお話なの?」
邪魔なものを見るような視線に晒され、彼女は唇をかんだ。
「今度、この青の箱庭で夜会を開くのは知っているだろう?」
ルカスは椅子からぐっと身を乗り出し、ルゼラに微笑みかける。
「えぇ、勿論! 社交界デビューをしてから、
この古城で夜会を開くのは初めてよね。すごく楽しみにしているの」
十六歳のルゼラは、今年正式にデビュタント(社交界デビュー)を果している。
屋敷のなかで礼儀作法や外国語、
裁縫やピアノを学ぶ日々から一転し、華やかな社交界へと出ていくのだ。
けれどエステラは彼女の異母姉でありながら、デビュタントをしていなかった。
社交界へと出ていったとしても一族の恥になるだけだと言い渡され、
人目から隠すように育てられたのだ。
「今回の夜会には、数々の名だたる名家の方々がおいでくださる。
そんな中、私はある貴族の方に招待状を送ったのだ。
お受けくださるか不安だったが、なんと是非伺うという返事を頂いてね………、」
勿体ぶったようなルイスの声に、我慢できなくなったルゼラが口を挟む。
「お父様? その貴族の方って?」
ルイスは誇らしげにその名を口にする。
「ヴァレオ・ローゼリア伯爵だ」
「うそっ!」
カシャン、とルゼラのカップが音を立てる。
けれどその不作法さを咎める者はいない。
常ならば真っ先に注意するほど礼儀作法に厳しいキャサリンですら、笑みを浮かべている。
