バブ23
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霧雲は学校の最寄り駅を降り、一つ背伸びをする
『ンンー
まんいん電車はつらいー』
通勤ラッシュと被って登校した所為で満員電車になってしまったようだ
学校に向かって歩いていると、友達と一緒の人や、音楽を聴きながらの人、急ぎ足で歩いている聖石矢魔の生徒が霧雲を抜かしていく
文化祭が無事に終わり平凡な学校生活に戻ってきたなぁとほのぼのする霧雲
ふと、前の方に見慣れた姿があった
霧雲は全速力でその背中にダイブした
『おっはよー!』
「うおっ!!?」
前方に大きく傾いたが何とか倒れる事はなかった
「はよ」
「アダッ」
『えへへ~ 朝から辰巳に会えたぁ!』
霧雲が男鹿の首にぶら下がるので男鹿はおんぶする
ベル坊は男鹿の頭にしがみついている
「アダバ!」
『?』
「ダッダッダッー♪ダッダッダッー♪ダバビデーブッブー♪
アダ!!」
『うんうん!トトロだね!いいよ』
近所迷惑も考えず二人は歌い出す
「ダバッ」
「だから歌わねぇつってんだろ!!」
『えぇ~
辰巳も歌おうよ~』
頭を男鹿の首にスリスリと擦り付けてお願いする霧雲
「ゔっ…
い、いや歌わねぇ」
霧雲の可愛い仕草に一瞬躊躇ったが羞恥の方が上回った
────────
男鹿から降りて学校につくと、聖石矢魔の女子生徒が近寄ってきた
「ベールちゃん」
「霧雲ちゃんおはよー」
「あ?」
「ニョ?」
『ふぇ?』
挨拶だけして校舎へと入っていく女子生徒を呆然と見送っていると、違う女子生徒の集団が近寄ってくる
「あー
子連れ番長だー」
「かわいいー」
「ホントにちっちゃいー」
「ベールちゃん」
「今日もハダカだー」
「ポッキー食べる?」
「アダ」
『僕も欲しいっ』
霧雲が二つ結びの眼鏡女子からポッキーを貰って嬉しそうに食べると周りから黄色い声があがる
校舎脇に行くと窓からまた違う女子生徒が話し掛けてくる
「さわってもいいですかー?」
「ずるーい
私も私も」
『ベル坊いい?』
「ダ」
『どーぞー』
ベルを女子生徒に寄越す
「わーかわいい」
「ぷにぷにしてるー」
「霧雲ちゃんの頭撫でてみたいなー」
『ん?僕?
いいよー』
頭を女子生徒に寄せる
「きゃーさらさらしてる!」
「いいな!私もっ」
周りで見ていた人がどんどん集まってくる
男鹿は外野で呆けていたら、女子に紛れて男が霧雲の頭を撫でようとしていたので無理矢理集団から引っ張り出して逃げた
男鹿は戸惑いながら昇降口に向かう
「(何だこれは…っ
気のせーか、どいつもこいつも妙になれなれしいよーな…)」
怯えられた事しかない男鹿は今の状況が判断出来ないでいた
一方霧雲は不良ではありながら容姿が整っているため、そこまでではなかったから順応している
石矢魔生が使っている昇降口に行くとカメラを持った聖石矢魔の女子生徒が二人いた
「べ…ベルちゃんファンクラブです!」
「霧雲ちゃんファンクラブです!写真録らせて下さい」
『「ファンクラブ!?」』
驚きのあまり、ベル坊が持っていたポッキーが男鹿の鼻の穴に突き刺さっている
唖然としていると三木久也が近寄ってきて女子生徒を退散させた
『お、おはよ…』
今まで男鹿を真似て知らないふりをしていたためギクシャクしてしまう
「おはよう!
えっと、僕の事覚えてるかな…?」
『………覚えてる』
ボソッと小さな声だったが届いていたみたいで、三木は目を見開いた後笑った
───────
教室に行くと古市が自慢していたが男鹿も霧雲もどうでもよかった
昼休みになると男鹿と霧雲は屋上に来ていた
男鹿の前には聖石矢魔の生徒会長の出馬要と東条秀虎がいた
霧雲は入り口近くでベル坊を抱っこして見学している
どうやら男鹿が出馬にケンカを売りに来たら東条と被ったみたいだ
ケンカをおっ始めようとした時だった
「よう、お前ら
HRの時間だぞ」
「「「…っ!?」」」
屋上の手すりからひげ面の男が現れた
ケンカしようとしていた三人を一発で伸してしまったのを唖然としながら霧雲は見ていた
『…っお前!』
大好きな男鹿達がヤられて黙っている霧雲ではなかった
ベル坊を片手で抱きながら男に拳をぶつける
「うおっ
なかなか良い拳してんじゃねーか」
『(きいてないっ!?)』
素早く後退し、回し蹴りをしようとしたがリーチのある腕で襟足を掴まれた
そのまま持ち上げられて足は宙を浮いた
『は、はなせよ!』
「おー ちっこいなぁ
何年だ?飛び級か?」
『こーこーいちねんせい!!!日本じゃそんな制度ないもん!
てかはなせ!!』
男を蹴ろうとジタバタするが全く男には効いていない
「大人しくすりゃー離してやんよ
これはどうすりゃHRに出席するようにしようかなって考えた結果だ」
『はぁ!?おーぼーすぎる!
…ん?ホームルーム?』
男は大人しくなった霧雲を降ろし、東条と男鹿を担ぐ
「ほら、行くぞ~」
『あ!待てってば!』
屋上を後にする男に急いで着いて行った
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