バブ19
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興が冷めたアレックスと榊はバラバラにいなくなり、霧雲達は聖石矢魔の教室棟の校舎から石矢魔が借りている校舎への渡り廊下を歩いていた
「─まぁ、なんにしても、手を出さなくてよかったわ。
昨日の今日じゃ、もう言い訳出来ないからね」
『ぶー
ボクもケンカしたかった!』
「駄目って言ってるでしょ!
それにしてもあいつら、公然と攻撃してきたわね。普通なら、大会出場停止処分よ?学校側が認めてるって事なのかしら?」
『そういえば、センセーとか一人くらい駆けつけるよな~?』
霧雲は頭を後ろで手を組み考える
その際ベル坊を男鹿の背中に乗せる
先程の騒動で廊下へ顔を出していたのは和也のクラスの1年6組だけ
他のクラスも同じ階にあるというのに誰も出てきていなかったのだ
────────
石矢魔が使っている教室に戻ると、電気も着けないで数人の生徒がいた
教室の前の方が荒らされていてひっくり返っている机もあった
裂怒帝瑠の花澤由加と飛鳥涼子が入り口にいた邦枝のもとへ駆けつけ、焦りながら謝る
よくわからずにいると、机の上に脚を乗せた姫川が教えてくれた
「城山がやられてな、意外にも神埼の野郎がブチ切れて出てったよ。
勝手な野郎だぜ。全く。てめーが一番ボロカスに扱ってたくせに…。
ま、でもあいつのあんな顔は初めて見たな。
止まらねーぜ、ありゃあ…
戦争だとよ」
その後、花澤と飛鳥が事を語った
花澤と飛鳥で外で弁当を食べていた時に、聖の生徒三人が二人にちょっかいを掛けてきた
石矢魔は聖に手を出せないので二人は早々に立ち去ろうとしたところ、城山が間に入ってきて二人を逃がしたそうだ
だが、聖の生徒はおしゃべりをしていただけだと言い、逃がしてしまった事を責めると、城山は一人一発ずつ殴らせてやると言った
聖の生徒はその言葉に調子に乗り、大怪我をさせてしまい救急車を呼ぶ羽目にまでなった
『──そりゃあ、怒るよね』
「だけど、此方が手を出したら…っ
行くわよ!!」
邦枝は霧雲の腕を引っ張り教室を出る
『ちょっと!』
「テメー霧雲をどこに連れてく気だ!!」
「神埼を止めるのよ!」
『もう手遅れだよー
手離してよー』
「霧雲ー!!」
「何何?なんで走ってんの?」
邦枝と霧雲の後ろを走る男鹿
霧雲を取り返したいのだが、缶ジュースを持っている古市に捕まった
神埼が行ったと思われる聖の教室棟の廊下を走っていると、見たことのある背中があった
それは宛もなく歩いているような歩き
霧雲は邦枝の手を振り払い、その背中を追い掛ける
「どこ行くの!!」
『ちょっと!二人はイチの所に行ってて!!』
「霧雲!」
『大丈夫だから!辰巳も女王に着いてって』
ついてきた男鹿にも言う
廊下の角を曲がり、霧雲の背中が見えなくなると、邦枝と男鹿も動き出した
『待って!』
廊下を進んだ先にいたのはいつかココアをくれた関西弁をしゃべっていた男だった
「あんたは…」
『前ココアくれた人でしょ?
また会ったよ!名前は!?』
「そういやそんなこと言っとったっけなぁ」
以前名前を教えてもらおうとしたがはぐらかされ、今度あったら教えるとゆびきりをして約束した
『名前おしえてよ!』
「…んじゃぁ、またあそこ行こか」
───────
──
男によって行かれた場所とはココアを飲んだ部屋だった
だが、今部屋の中には男と霧雲以外にも人がいた
「──…へぇ。それで二人は出会ったのね」
『うん!
ボクカナメにたすけられちゃった』
「まあ、落ち込んだ子供がおったからな」
『子供じゃないもん!』
「フフフッ」
部屋に来て、ココアを出されて二人は自己紹介をした
男の名は出馬要
実はこの部屋は生徒会室で、出馬は聖石矢魔の生徒会長だった
二人で談笑していると、生徒会の一人、七海静が入ってきて二人の初めて会ったときのことを話した
『でもカナメと会えてよかった』
「…
嬉しいこと言ってくれるやないかい」
『うん!
学校でもココア飲めるしね!』
「……」
「フフッ
ココアに負けちゃったのかしら?」
ココアをおかわりしてのんびりしていると、聖の生徒が慌てたように入ってきた
「出馬さん大変です!聖とイシヤバの生徒が校舎の屋上で殴り合いしてます!」
「「!」」
『それたぶん辰巳だー』
霧雲達は急いで屋上へと生徒会室を飛び出した