バブ17
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ボク、霧雲は一人、校舎の中を歩き回っていた。
たつみもいるのに今は元気になれなかった。
先週まで行ってた魔界でのデキゴトのせいだ。
ボクはボクなのに、あの人はボクをボクとして扱ってくれない。
それだけならまだいいよ。
でも、たつみの事でヒテイされた。
今はまだ、詳しく言う事はできないけど、いつか教えてアゲル。
教室で勉強を教えるセンセーの声が響く教室をただゆっくり歩くだけ。
ボクの足音がセンセー達の声より響いてハシからハシまで聞こえてるかも。
ボクは何処に向かってるわけじゃない。
ただ、歩いているだけ。
宛もなく、歩いているだけ。
廊下の曲がり角を曲がったら、その先にある階段から男の人が降りてきた
「君は…」
『…セントの人…』
彼は掛けていた眼鏡を押し上げボクの前に立った。
「今は授業中やなかったかい?」
『…サボり』
「それに石矢魔の生徒はこの辺りは立ち入り禁止やで」
『しらないもん』
なんか眼鏡光ってる…凄いな…
ボクも眼鏡すれば大人っぽく見えるかな?
ボクは眼鏡をしたボクをソーゾーした
………似合うかも…!!
少し目を輝かせて妄想していたら、いきなり背中を押された
「取り合えず教室戻た方がええやろ」
そう言って彼はボクの教室向かって歩き出した
『ねー』
「何?」
『何でボクが石矢魔のセートだってわかるの?』
「そら、全身真っ白な服着た生徒は聖石矢魔にはおらんからな」
『…』
確かに。と思う
この制服はボクがヒトメボレして買った服だ。
でもサイズがSSなのにボクに合わなかった…
だからって女物なんてボクは着たくないもん!
「それに…」
『え?』
「いや、なんでもあらへんよ」
彼は小さく微笑んだ
ボクは腑に落ちないけど、べつにカンケーないことだろうと思い続きは聞かなかった
「それにしても、かわえぇな」
『?』
「君かわえぇて」
『…かわえー?』
「ああ、"可愛い"て事」
関西弁は難しい?と言ってるが、ボクにはカンケーない
そんなのより、可愛い…?
『可愛いって、ボクが…──?』
「えぇ」
まさかと思って聞いたが期待はずれだった。
まさかの肯定…
『ボクはかわいくない!』
可愛い可愛いって、ボクは言われたくない。
ボクは男なんだから。
なんか魔界から帰って来てからジョウチョフアンテイだ。
なんか泣きそう…
てかもう泣いてる
『…くっ……ぅ……』
「ちょっ、す、すまんっ…!
な、泣いたらあかんで!」
焦って謝ってくれるけど涙が止まんない
『ぼ、く…男だもんっ
言われたって…っ…嬉しくないっ!』
「男っ!!?」
驚いてる…
やっぱ男に見えないんだ…
さっきよりも重い空気を漂わせてると、彼はボクの手を引っ張って方向テンカンした
ボクはただ、ついて行った
ここはどこだろう…
そのままついて行った先は一つの部屋だった
『ここは…』
「ん~…僕の部屋とだけ言うとこぉか」
『ふぅん…』
この人、セントの生徒さんだよね?
なんで自分の部屋あるんだろ…
「ほら、これでも飲んで落ち着き」
簡易キッチンから何か入れたカップを、部屋のまん中にあるデスクの一つに置いた
ボクは入口からその場所に行き、カップの中を覗いた
『!
ここあ…?』
「ええ」
ボクは涙を拭いて、近くにあった椅子に座って飲み始めた
こんな暑い日に飲む、温かいココアはかなり熱く感じた
『おいしい!』
「よかったわ」
彼はボクの頬を撫でてきた
「もお、平気か?」
『うん!ありがと!』
「いや、なんかあったら僕にいつでも相談してきてええからな」
『あ、ありがと』
優しく微笑まれてドキッとした。
で、でも、違うもん!ボクが好きなのは辰巳だもん!
『あ、なまえ!名前は?』
「…秘密や。次会うたら教えたる」
『ほんと?次会ったら絶対だよ!?』
彼は頷き返してくれた
それから連れられて、石矢魔の教室に戻って来た
『ここまでありがとね』
色々な意味を含めて言った。
相手は気付いているかわかんないけどボクが言いたかっただけだ。
べつに伝わらなくてもいいし
「ええよ、ええよ。僕も暇潰しにはなぁたからね」
『じゃ、ここで』
僕は教室の扉を開けた
「悪魔には気ぃ付けぃ」
『え…』
ボクは振り向こうとしたら、それより速く、背中を押されて中に入れられた。
そして、扉は閉められた