バブ22
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ベンチに戻ると古市と寧々と花澤由加が駆けよってきた
「もうアンタはあんな無茶して!!こんなに腕も真っ赤にしてオカシイんじゃないの!?こういうことは古市に任せとけばいいのよ!」
「俺!?」
『ぅ゙…
古市よりは役に立ったもん』
寧々に怒られてショボくれる霧雲
ベンチに座らされて腕をアイシングする
「明日には真っ青になりそうね…」
充分冷したあと、シップを貼ってずれないように包帯をした
一段落するころには第2セットを石矢魔が取った
「──取り合えずこれでいいわね。
さて、あんな無茶したアンタにお仕置きでもさせるかね」
『!?』
「アブナイ響きっ…!」
古市が顔を赤らめるのが横目で見えた
「千秋、由加、六道を捕まえて!」
「「あいあいさー(!)」」
両脇をガシッと堅められる
『な、なにすんだよ!』
「アンタには戦ってる皆の為に、ちょっと身体張ってもらおうと思ってね」
ニヤニヤと笑う女性陣に霧雲は恐怖からか涙目だ
「さあ、行こうか」
寧々の言葉に体育館の外に引っ張り出される
『どこに行くの!?
ヤダヤダっ!たつみオーエンしなくちゃ!』
「その応援の為っスよ!観念するっス!」
『ヤな予感しかないんだけど!ヤダァァァア!!』
コートの中にいた男鹿が騒ぐ霧雲に気付く
急いで近寄ろうとしたが姫川に止められた
「止めないほうが、後でイイことあるぜ」
「あ゙?」
どういうことかと聞こうとしたが、試合が再開されて聞けなかった
男鹿は後ろ髪引かれながら試合を続行した
───────
試合は第3セット目の半ばのタイムアウト中だった
それぞれ休憩して汗を拭いたりドリンクを飲んだりしている
「ほら、早くしなさいよ」
「似合ってるんだから大丈夫っスよ!」
「バッチグー」
霧雲と一緒に何処かに行っていた女性陣が帰ってきた
だが扉の傍から動かず、外にずっと話し掛けている
由加が何かを引っ張って体育館の中に入れる
「「「「おぉ!!」」」」
何人かの男が感嘆を漏らす
そこには寧々達と同じ腹だしのタンクトップに短いスカートを着た霧雲がいた
手にはボンボンを持っており、そのボンボンで顔を隠し恥ずかしがる霧雲に男達の理性を燻らせた
由加に引っ張られ、千秋に背を押されながらベンチに近付くと一目散に古市が駆けよってきた
「霧雲ちゃん可愛いよ!その恥じらってる姿もゾクゾクするっブハ!」
古市は男鹿に殴られた
男鹿は倒れた古市に目もくれず霧雲を見つめる
『っ…っ…』
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして、男鹿を見ないようにキョロキョロする
「霧雲…」
『は、はい!』
身体を固まらせて男鹿を見る
「結婚式は純白のドレスな」
『ぅ、ぁ、ハイッ!』
プロポーズとも取れるやり取りに周りが騒ぐ
「スゴいっス!生プロポーズっスよ!」
「男鹿やるな」
「ヒューヒュー!」
「憧れるなぁ」
囃し立てたり羨ましがったりしている中、2階では日向が怒りに燃えていた
「アイツ殺す。マジ殺す
霧雲ちゃんをあんなやつに渡してたまるか」
日向の周りが引くが、日向は気付かず霧雲に抱き着いている男鹿を睨む
その目には殺気がありありと見えた
────────
───
霧雲に皆頑張ってね。と可愛く言われ、やる気に満ちた男鹿達はデュースにデュースを重ね、第3セットを取って聖石矢魔に勝った
「やった!やりましたよ寧々さん!!」
「うん!」
<<これで石矢魔の退学・転校は白紙になりました!!>>
「うん!」
「坊っちゃま…」
『辰己カッコいいッッ!!』
「おっしゃーっ!!」
体育館が一体となって石矢魔の勝利に感激した
それは生徒だけではなく教師もだった
「…やれやれ、まだしばらく苦労は続きそうですな…」
生徒指導の先生が右隣を見ると、石矢魔担任の佐渡原が号泣していて引いた
そういえばと左隣を見る
「くっそ…!
霧雲ちゃんがアイツと一緒…最悪っ
あの優秀軍団も使えないし…」
生徒指導の先生は見る事を止めた
終わりにコートに整列して挨拶をする
「霧雲くんには驚かせられたわ」
『へへっ
カナメも凄かったよ!』
「あと、邦枝さんか…覚えとくで
君たちには完敗や」
「いい試合だったわ
またやりましょう」
またなんてやりたくない
それには皆で否定しておいた
「そっちの君も…男鹿くんゆうたか
久也が目の敵にすんのもよぉ分かるわ」
『っ』
霧雲は出馬の言葉に眉をひそめた
だがそんな霧雲に気付かず話は続く
その時だった
実況席の方で争う声が聞こえた
実況席の上に座りこんでマイクを持つ男がいた
<<はーい静粛に
いい試合だったねー聖石矢魔の皆さん
うん。とってもいい試合だった
スポーツを通じて一致団結。流れる汗。ほとばしる情熱。お互い死力を出して戦ったその先にはもう一切のわだかまりもなく、いつしか認め合い一つになる聖石矢魔と石矢魔…───ってか?>>
聖石矢魔の実行委員が男を止めようとするが、突如現れた禿げた軍団に止められた
<<クソ似合わねー事してんじゃねーぞ男鹿>>
「!!!」
『たしか…』
「あいつは…」
「………っ!!
霧矢!!!」
中学の時、男鹿によってやられた霧矢だった
顔にはあの時出来た傷が顔に残っている
生徒会長でもある出馬が霧矢の前に行き、帰ってもらうよう説得するが、霧矢が持っていたマイクで殴られる
「出馬さん!」
<<ここにいる生徒全員が人質だ
わかったら大人しくしてな>>
霧矢とつるんでいた禿げた軍団・帝毛高校の不良が2階にいた一般生徒の周りや霧矢やコートの中にいた者達を囲む
三木が霧矢に近付く
「何が目的だ!!」
霧矢は三木の顔を見て首を傾げる
「…………あーん?
てめぇどっかで会ったっけか?」
「何…!?」
「おいアフロ、オレに何か用か?」
男鹿が三木の一歩前に出る
<<用?生ぬるい事言ってんじゃねーぞ男鹿…
オレはてめーの人生をぶっ壊しにきたんだよ>>
男鹿は更に霧矢に近付く
背中に乗っていたベル坊を掴み、ベル坊に霧矢を見るように促す
<<いいか聞けこら
オレがどれだけこの日を待ち望んだか…
てめーに受けたこの傷の恨みと屈辱の数々を>>
霧矢と男鹿の間にいるベル坊が邪魔だったのか、霧矢は持っているマイクでベル坊を殴ろうとするが軽く避けられた
ついでにベル坊の踵落としを食らった
男鹿は新しい親候補としてベル坊に見せていたようだが、ベル坊と男鹿は霧矢の事を雑魚だと判断した
ぼーっと見ていた霧雲の横に、そっと古市が近寄ってきた
「霧矢は男鹿に復讐しにきたのか…何で今頃?」
『あれ、古市は知らないの?
あいつあの事があった後、奈良に引っ越したんだよ』
「奈良って三木が転校した所…!?」
ヒソヒソ話しているうちに、事は暴力にまで発展していた
霧矢は帝毛の一人が持っていた金属バッドで男鹿を殴る
それに黙ってないのが三木だった
以前道場で男鹿に喰らわせたものを霧矢に放った
だが霧矢が持っていたバッドにより無傷だった
「霧雲ちゃんは出なくていいの?」
古市の質問に霧雲は三木を見て呟く
『辰己が殴られたのはむかつくけど、ボクが出るとこじゃないよ』
三木ならきっと今度は倒せると見守る
だが、新たに現れた者によって不意討ちを喰らう
「なんだ?あいつら…」
『ハゲ軍団がまた増えた!』
「帝毛の"影組"…!!」
チャラいハゲの三鏡幸太郎、でかいヒゲ面の鬼塚雲昇、真面目そうな無表情の黒木光星、頭に男女の文字がある眼鏡オカマの出崎巧
この4人は帝毛高校のリーダー的存在だ
影組はマムシ・霧矢と手を組んで、今回の騒動を起こしたようだ
三木と男鹿で影組を倒しながら二人は、中学の時の事を謝って仲直りをした