バブ21
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「──結局、何も言うつもりはないんだね」
三木が言う3年前
仲のよかった4人が廃墟に行った日からの事
男鹿と三木が霧矢と戦い、その次の日から男鹿は霧矢に追いかけ回されるようになり、男鹿は三木との出来事を消した
そして霧矢が学校に攻め入った時、男鹿は三木を患部なきまでに痛み付けた
それは霧矢という存在と、三木の転校の二つが関係していた
だが三木はそのことを知らない…──
「まぁいいさ
それならそれで…」
三木が構える
「それが君の答えだ」
「おっ 来るか」
やっと手合わせを始める
そうベル坊も実感した
ベル坊は手をあげ
「ダ(始め)「いくぞっ!!」」
三木は床を蹴り上げ、男鹿に突進する
だが言葉を被さられたベル坊はあまりの怒りに泣きそうになる
「………」
「ベ、ベル坊君、いいー感じだったよー。マジで
だから泣かないで」
『よしよし』
ベル坊から電気が流れるのを感じて、頭を撫でて慰めた
三木は男鹿に蹴りを何回もし、それが男鹿に喰らわないと分かり男鹿の肩と腕を掴む
自分の身体を安定させ男鹿の太ももに乗り上に飛び上がる
身体を回転させ、その勢いで男鹿に蹴りを喰らわせる
「…っ」
「おぉっ」
『辰巳負けるなー!』
男鹿は何とか崩れることなく止まる
だが鼻から血が垂れる
「………
危なかったぜ…」
「いやっ
お前モロにくらったろ!!」
「全然っ!!
まったくこれっぽっちもきいてねぇよハゲ!!」
今度は男鹿が先制をかけた
だが男鹿の必殺(?)減り込みキックは簡単に避けれ、鳩尾を両手で入れられる
その衝撃は凄まじい威力だった
「男鹿っ」
『辰巳!』
「アダ!」
「あれから僕は誓ったんだ
誰よりも、君よりも霧雲さんよりも強くなる。その為ならどんな努力も惜しまないと
毎日何千何万回と同じ事を繰り返し、血が滲むまで練習して身につける
それが"技"だ!!」
三木は足のつま先に力を込める
「そんな思い付きの虎仮威しとは(出馬八神流──…)…
わけが違うんだよ!!!(双纒手(ソウテンシュ)!)」
三木がくり出した技は確実に男鹿にダメージを与えた
しかし男鹿は膝を付くことなく立ち上がり、三木に挑発する
「まったく、君達不良のタフさには呆れるよ
"かわせ"…とはもう言わないよ」
『!』
三木の纏うオーラが変わったのにこの場にいた誰もが気付いた
『たつっ…!』
──出馬八神流奥義───…
冥鶯殺
学校中に聞こえるような騒音が響き渡った
男鹿はボロボロの状態で壁に寄り掛かっていた
『辰巳!』
霧雲は直ぐ様男鹿に近より安否を確かめる
どうやら気絶はしてないが動くことができないらしい
『よかった…
血は出てない?』
「顔だけだ」
霧雲は男鹿の変事を無視して柔道着の衿を開く
『おなか真っ青だよ!』
「大したことねー…」
帰ったら湿布しないと!と霧雲は思った
「この技はまだ未完成だ…
今で7割…
威力ももちろんそうだけど、それ以上に…僕の拳がダメージを受けている」
三木の両手から血が噴き出す
霧雲は三木にも駆け寄りたかった
だが、男鹿から離れられなかった
男鹿を裏切ってしまうような気がしてしまったから
─────
道場を出て更衣室で着替え、学校を出た
河川敷を歩いているとある家の前でたこ焼き屋の出店があった
小学生がたこ焼きを買っている
「あれって…」
古市が二人に教えようとするまえに男鹿と霧雲はたこ焼き屋に近付いて行った
「らっしゃい」
『ヒデくん!』
たこ焼き屋は東条のバイトの一つみたいだ
「霧雲か!たこ焼き食うか?」
「てめぇ、いくつバイトしてんだよ」
「ほー…
こいつは珍しい客が来たもんだ
何にするよ?」
「──…ケンカしようぜ」
『またぁ!?』
先程三木に負けたばかりだというのにまだケンカするのかと心配になった
『あ、その前にたこ焼き3人前!』
「霧雲ならサービスだ!」
『ヒデくん男前!カッコイイ!』
「あ゙ぁ!?」
「ありがとなー」
ヒデは霧雲の頭を撫でる
それに苛立った男鹿は東条から霧雲を引き離した
「てめぇにはやんねーかんな!!」
嫉妬深い男鹿でした
たこ焼きを作ってもらい、古市と霧雲は食べながら二人の喧嘩を見ることにした
『そーいえばヒデくんがケンカしてるところ、見るのハジメテだ』
「そーだったの!?」
『うん』
「そーいや霧雲ちゃんと東条仲いいけどなんで?」
古市が二人が異様に仲のいいことに気が付いたのは聖に来てからだ
それまでは親しい間柄とか、まして知り合いだとも知らなかった
「(あ、いや違う
男鹿が校舎全壊した時に東条が霧雲ちゃんについて話してたか)」
本来ならあの時に霧雲と東条で花火をするはずだったらしい
だがベル坊のことだったり男鹿と喧嘩したり学校が全壊したり霧雲が父親に誘拐されていたりと、いつの間にかその話はなくなっていた
『んーとね、去年の夏祭りでヒデくんにあってうでずもーに勝ったの!
でね、ヒデくんと仲良くなった!』
「ああ…霧雲ちゃんの怪力に興味もっちゃったんだ…」
『それになんだか辰巳とヒデくんって似てると思わない?!』
古市は確かに…と頷いた
結果はベル坊の贔屓により男鹿の勝ちとなった
「あきらかにオレの勝ちだろーが!よく見ろ!男鹿の方が確実にボロボロじゃねーか!!」
「アダ(ノン!)」
「惜しかったな」
男鹿はボロボロな状態でドヤ顔する
『辰巳ー!かっこよかったよー!』
ジャンプして男鹿に抱きつく霧雲
足が地面から離れているので全体重が男鹿にのし掛かるが、男鹿は平然と霧雲を抱き上げ安定させる
『おつかれさま』
「おう」
チュッと霧雲の頬に口付けをし、落ちていたワイシャツを拾う
「ベル坊、霧雲。心配かけちまったな…
だが、見えたぜ……最強の必殺技」
『ひっさつわざ…?』
「まぁ、見てな
要は気合いだ
ベル坊、次こそはお望み通りあのチビガックガクにしてやるからよ
──バレーもケンカも全部勝つぞ」
夕日の所為だったのかもしれない
男鹿が今までに見たことないくらいカッコ良く見えた
霧雲はフフッと微笑んで男鹿にしがみついた
───そして、着々と文化祭へ時間は進んだ