バブ15
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<<案ずるな
場所はわかっている。私が案内しよう。
その通信機を絶対手離すな>>
ヒルダの案内のもと、男鹿達はアランドロンの娘の所へ訪ねることになった
道なき道…というか、とても大きい巨木の幹や枝を歩いてアランドロンの娘の所へ向かっている
「こえー
落ちたら死ぬな、こりゃ」
『落ちないでね』
「おい、ラミア
どこまでいくんだよ」
「とにかく谷を抜けるのよ。
急がないとまた魔獣が来るわよ」
『これって谷なの?』
疑問を抱く程の木々のありようにうんざりする
男鹿もこんな所へ連れてきたアランドロンに愚痴を溢す
「そーいやあの後アランドロン見当たらなかったケド本当に死んだのかな?」
「あん?」
「いや、墓くらい作った方がと思って捜したんだけど、どこにもいねーんだ」
「次元転送悪魔はね、自分の死期を悟ると、誰も知らない場所に消えるのよ。いないって事はそーゆー事よ」
ラミアは淡い期待はやめなさい。と言って先に行ってしまう
「消えるって…」
「うーん…」
『ネコさんみたいだね』
「ブ」
霧雲の言葉にベル坊も頷いている
ラミアは呆れた顔で皆を見る
「いいから早く行くわよ」
「うーい」
―――――――
――
「――と言うが早いか着いてしまいました」
「うーんすばらしい展開の早さ」
『ショウセツってスバラシイね』
来る途中、アランドロンの娘がどんなのか三人プラスベル坊で想像なんかしているうちに無事、アランドロンの娘の家に着いた
家はヴラドの魔境が抜けて直ぐの小高い丘の上に建てられていた
レンガと藁で造られたこじんまりとした家だ
ラミアは小走りで家まで近付き、入口となる扉を開けた
「ごめん下さーい!!」
中を見たラミアは目を見開いた
後からきた霧雲達も驚いた
「これは…」
何か争ったのかのように荒れていた
机や椅子はひっくり返り、コップやフラスコ、試験管などガラスのものは割れ、窓ガラスは全て割れ、扉は今にも外れそうだ
皿やポットなどもあり、食べている最中に襲われたようだ
『荒れかたがまだアタラシイね』
「賊が入ったか…魔獣に襲われたか…」
「そんな…マジかよ
ここまで来といて…」
霧雲は空気が動いたのに気が付いた
「とにかくヒルダ姐さんに連絡を…」
『まって』
霧雲はラミアの手を止め、蔭になっている所を睨む
『そこに何かいる…』
バタンと小さな音がした
「やれやれ。ずさんなものだな
お前ら、なんの為の見張りだ?」
「?」
蔭から聴こえる声
どうやら魔獣ではないみたいだ
しかし言っている意味が全くわからない
古市も眉を潜めた
そんな古市と男鹿に影がかかった
「――フン
てめぇには関係ねぇ」
琥珀色の髪をして、少し隈が出来ている、目付きの悪い男と、ハゲて顎髭がはえた190くらいもある男の二人が入口にいた
「この人間はオレ達のもんだ。手を出すなよ」
敵に囲まれた男鹿達
両脇から敵が話しあっている
だがそんなこと関係ない
霧雲達は囲まれた事で焦った
しかし、陰にいた敵は魔具(マグ)というものを使い消えてしまった
「エッダ、お前は右だ
俺は左の男をやる」
琥珀色髪の男が、エッダという大柄な男にいう
というか、この琥珀色髪の男、古市を選んだのは何故だ……―
ザザッ
エッダが地面を蹴った
琥珀色髪の男が言った通り男鹿目掛けて
しかし、エッダの拳は男鹿まで届かなかった
ドゴォォォンッ
「ブヘッッ」
家の中のものを壊して壁までぶっ飛ぶ
「ん?」
琥珀色髪の男は訳がわからず唖然とする
『なんかしらないけど…
僕をテキカズ(敵数)に入れてくれないのはムカつく…』
「まぁまぁ、そんな興奮すんなよ。
俺も混ぜろ」
「なんで混ざる!」
苛ついている霧雲を男鹿は止めるが、その内容が内容なだけに古市がツッコむ
ラミアは呆れた目で男鹿を見る
「なっ…ちょ…
まてまて
お前本当に人間か!?」
やる気満々な男鹿と霧雲の拳を見て気付いた
「その紋章は…」
((王家の紋
王族の契約者だとぉ
ぉおおっっ))
もう気付いた時には遅かった
男鹿は容赦なく、男の顔面を殴った
「わー」
「すごいぞオガ」
ラミアと古市は拍手を贈った
だが、出た言葉は棒読みだ
『もう 僕が倒したかったのに!』
「ハハッ…」
古市は何も言えず、霧雲の頭を撫でた
男二人を縄で拘束し、ラミアはヒルダに連絡した
「盗賊団?」
<<うむ。その辺りを根城にする者がいたはずだ。
希少な悪魔や魔界に迷いこんだ人間を捕まえ、奴隷商人に売りさばく事を生業にする連中だ>>
男鹿はヒルダの話も聞いていないのか、男二人につよいだろっと、自慢している
<<おそらくアランドロンの娘もそいつらに捕まったのだろう>>
『てことはたすけないと!』
霧雲はヒルダの話に勢いあまりラミアに顔を近づける
「ち、ちかすぎよっ!!」
『?そう?』
「そうよ!」
<<どうしたラミア>>
「いや、なんでもないです!」
ラミアは霧雲の顔を押して遠ざける
なにすんだよぉと霧雲は言っているが無視した
「(にしても頬柔らかい…
しかも肌綺麗…
って何考えてんのよ私!)」
一人で葛藤しているラミア
「おい古市、今度は盗賊退治だとよ。
クソ面倒くせーな」
「何言ってんだ男鹿君。
か弱い女性が助けを求めているんだ!!
行くぞ!!」
「はあ?」
「『?』」
古市はいい表情(カオ)になった
更新11.10.24
