バブ13
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「よし、行く覚悟があるなら今から準備をしろ
明日午前10時に、初めて坊っちゃまと出会った所に来い。
そこにアランドロンがいるはずだからな」
『えっと初めて会ったバショって…』
霧雲はベル坊と会った時のことを思い出す
たしか男鹿と一緒に絡んできた不良の洗濯を川でして、アランドロン(おっさん)が流れてきて、アランドロンが割れて、ベル坊(赤ん坊)が出てきた
『かわ?』
「ああ」
『わかった!じゃあ準備してくる!』
霧雲は駆け出して帰ろうとする
「こら」
男鹿は霧雲の襟を掴み止めさせる
『?』
「一人じゃ危ねぇだろ。送ってく」
『!
ありがと!』
二人は手を繋いで霧雲の家に向かった
―――――――――
――――
―――――
『ねこふんじゃった!ねこふんじゃった!♪』
「ニャニャ、ンニャ、ンニャ、ア、ダッダ♪」
『ねこふんじゃった!♪』
「ンニャ、ア、ブッブッ♪」
『「ンニャ、ンニャァ、ンニャァ、ン、ニャッニャ♪!!」』
「大合唱かよ…」
霧雲はベル坊を抱き、ノリノリでねこふんじゃったを歌う
男鹿は数歩後ろを歩く
「(しかし、こんなんで魂吸われてるってホントか?)」
見るところとても元気そうな霧雲
命が危ないとかあまり実感が涌(わ)かなかった
『うわっ』
―どてっ
マンホールの取っ手に躓(ツマズ)き転んでしまった
ベル坊を前で抱いていたが、間一髪、頭の上まで持ち上げた為ベル坊は無事だったが霧雲は顔面から着地した
『…』
「おい、大丈夫か?」
男鹿は急いで霧雲の両脇を掴み持ち上げた
霧雲は下を向いていて顔の表情がわからない
『………』
「霧雲、霧雲…?」
『――……ふぇっ…』
顔を歪ませたかと思うと声をあげて泣き始めた
『ぐすっ、ううぅ…、うわあぁぁん』
「え、おまっ」
男鹿は困り果てた
その時、霧雲の手の中にいたベル坊が手を伸ばして頬を撫で始めた
「アダァ」
次の瞬間、霧雲とベル坊が見えなくなるほどに光った
男鹿は眩しくて目を閉じたが、それでも薄い目蓋を通して光が洩(モ)れている
男鹿はどうしてこうなったのか気になり、腕でカバーしながら目をうっすらと開ける
「!!」
光が生きているかのようにベル坊と霧雲の周りを渦巻いている
その光が一瞬散乱して霧雲がしている首輪の中に消えてしまった
まるで吸収したかのようだった
男鹿は唖然としてその光景を見ているしかなかった
完全に光が消えた時、霧雲はドサッと音をして倒れた
男鹿は慌てて霧雲の肩を掴んだ
「霧雲!?」
顔を覗き込むと、霧雲はぐっすりと寝ている
男鹿は慌てて霧雲を抱き、ベル坊を背に乗せて自分の家へと戻った
家に戻り、自室のベッドに霧雲を寝させた
ベル坊は霧雲と一緒にいると態度で表してきたため、ベル坊を置いてヒルダの所に行った
ヒルダはキッチンで料理の練習をしていたらしく、エプロンまで着(ツ)けている
隣にはラミアもいた
「おや、もう帰っておったのか」
「今すぐこい!!」
男鹿はお玉を持ったままのヒルダを連れ、自室までいく
「これは…」
ヒルダの目には苦しそうな顔をした霧雲が入った
「どういうことだ?」
「どうしたも、こうしたもねぇ。
――一緒に帰ってたら霧雲が転んで泣いたんだ。
んでベル坊が霧雲の顔触ったら変な光が出てよぉ」
「変な光?」
「ああ。生きてるみたいに光が動いてんだ」
本来ならば光というものは、空気中では直線にしか動かないもの。
そんなはずのものが直線ではなく曲線で、二人の周りを回っていた。
そこに熱や冷気があるのならば話は変わってしまうが今日は夏だがそんなに暑くはない
「その後、光は首輪ん中に消えちまってよ。そしたら霧雲が気絶してたんだよ」
男鹿は顔を歪ませた
ヒルダも眉を潜める
「思ったよりも深刻そうだな…」
「!?」
「おそらくはこの首輪のせいだろう。
多分その光は霧雲の能(チカラ)だ」
「能?」
「ああ。普通の人間ではない、なにか恐れられるものでも持っておるんだろう。まだその能というものが覚醒していない今では何か判断出来ないがな」
「…」
男鹿は思った。
超能力!?魔法!?それともデ●ノートとか!?
霧雲ならなんでもありえそうだとも
「…」
ヒルダは、目が輝いている男鹿を見て呆れた
更新11.05.31
