バブ11
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「な、んで…」
日向は驚愕した
取れるはずのない鎖が取れていた
そして何故か首輪は少し焦げていた
「霧雲!!」
『たつみ!!』
霧雲は日向を避けるようにして男鹿に近寄り抱き着いた
「おまっ なんで、んなとこに」
『ヘヘッ ベル坊のおかげかな』
霧雲はベル坊の頭を撫でる
「ブ?」
『辰巳たちがね、いえん中に入ってきたのがこれから伝わってきたんだ』
左手の甲を男鹿達に見せるとそこにはぼんやりと光っている蠅王紋
『辰巳達が近付くにつれてどんどんこれがでかくなったんだ
それでベル坊みたいに電気が出るかな?っておもってやってみたらものすごいおっきい電気が流れたんだよ!それでこれ(鎖)をちぎったの』
「(有り得ない…!!
坊ちゃんが近くにいなくては出来ないはず。そもそもここは結界の中…
やはり霧雲は…)」
ヒルダは顔を歪めた
日向は意味がわからなく首を傾げる
「電気?何言ってるの?」
霧雲は日向に顔を向ける。そしてそっと男鹿の手を握る
男鹿は一瞬驚いて霧雲を見るが、霧雲の真剣な顔を見て自分の拳に力を入れた
『ボク、おとーさまに話さなきゃいけないことがあるの』
「え…」
『ボク…「いや、俺に言わせろ」たつみ?』
「な?」
霧雲は男鹿の顔をジッと見る
いつもダラッとした顔の男鹿だが今は何処か凛々しい
『…………うん
まかせた!』
「ああ。任された」
「霧雲の親父だから言うけど俺達付き合ってる」
「ぇ…………」
日向は男鹿が言った言葉の意味がわからなかった
今まで溺愛してきた子供にいきなり彼氏が出来たなんて何処の親でも最初は混乱する
日向の場合も同じだった
「つ、付き合ってるって…もしかして…」
「恋人だ」
『たつみはボクの彼氏なの』
霧雲は男鹿の手を握りながら腕に抱き着く
「そ、んな…」
日向は余りのショックで放心状態だった
「だ、だって、さっき君は親子なんて関係ないって…真っ正面から向かえって…」
「んなん他人から観たらに決まってんだろ」
ケロッとする男鹿
日向は顔を歪める
「私は略奪愛は嫌いなんだ。なら私は元から叶わないって事?」
「(監禁はするのに略奪愛はしないんだ。)……そうですね」
古市は日向が狂わないか内心ヒヤヒヤの状態で見守っている
『今までイエデしてたから言えなかったけど…
まぁ、どっちにしても男同士なんてみとめてくれないと思ってたけど、おとーさまは男のボクと付き合いたいって言うくらいならいいでしょ?』
「だ、だからって!!」
「そうだ。俺達だってべつにいいだろ
な、認めてくれんだろ?てか認めろ」
「(そういう理由で言ったんかい!!こいつら馬鹿だろ!!!いや、馬鹿か)」
古市は日向のくだらない事を止めさせる為に言ったと思っていたので、自己の為に言っていた二人に溜息を吐(つ)いた
「ヤだよ。私は認めない
私だって霧雲と付き合いたい」
日向は口を尖らせる
「私なら君より霧雲を助けられるし、なにより私の方が幸せにできるもん」
「はぁ?てめっ、さっきと違う事言ってんじゃねーか!!」
「だって!!君なんかが霧雲といたってつりあわないデショ!美女と野獣じゃないか!!」
「うっせーよ!」
『美女じゃない!!』
二人は同時につっこむ
「(おいおい、なんか話だんだん変わってきてんじゃん。てか霧雲ちゃん返ってきたんだからこのまま逃げちゃえばよくね?…………………て、そうだよ!!なんで逃げねーんだよ!!)」
傍観していた古市は男鹿と霧雲の腕を掴む
『ん?なに?』
古市は霧雲と男鹿の耳に顔を近付ける
「今は親父さんに認めてもらってる場合じゃない。今すぐ逃げるんだ」
「はぁ?何言ってんだよ。認めてもらわなきゃダメだろ」
「霧雲は俺達の下に戻ってきたんだ。だからとにかく今は霧雲の親父さんから逃げるんだ」
「………チッ」
「ヒルダさん」
「うむ」
「アランドロン」
「はい」
「男鹿」
「おぉ」
『「??」』
古市は三人の名前を呼ぶ
呼ばれていない六道親子は何がなんなのかわかっていない
そんな霧雲を男鹿は横抱きで持ち上げた
『た、たつみ!?』
「しっかり掴まってろよ」
男鹿はそれだけ言うと後ろを向き走りだした
古市達も男鹿に倣(なら)い走り出す
「ちょっ、君達!?」
後ろの方で日向の声がする
「今日は取り敢えず帰るぜまする!また後日てめーに認めてもらうためくるぜ!がすよ!」
男鹿は日本語になっていない敬語を喋りながら庭を走っていった
「あいつ…
絶対に認めてやんないよ」
逃げていった男鹿達の背中を見ながら日向は頬を膨らませた
更新10.09.23
