バブ11
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とある建物の一室
そこには珍しい桃色の髪をした人がキングサイズのベッドで寝ていた
寝ていてもわかるくらい顔が調っており、スッとした鼻筋、ぷっくりした唇、長い睫毛、キリッとした細い眉毛。モデルではないのかと疑うくらいだ
今は瞼が閉じているが、瞼が開いたらどんな目をしているのか、どんな声で話しかけてくれるか誰もが気になってしまうほどだ
『…………んん…』
ベッドで寝ていた美人が身じろいだ
まだ閉じようとしている瞼を必死で上げようとしている姿がなんとも可愛い
段々と頭が覚めてき、起き上がって体を思いきり伸ばす
──ガチャ
『……?』
不思議な音がし、何の音かと辺りを見回す
『──……っ!!!』
目の先にはとても頑丈そうな 鎖
鎖の片方の端はベッドの脚に括られ、もう片方はピンクの革のベルトに付けられていた
しかもピンクの革のベルト基、首輪は自分の首に付けられていた
首輪には取れないようにと可愛らしい南京錠が付けられている
『なにこれ!!?
てか、あれ?ここどこ!!!?』
周りを見るととにかく広い。
この部屋にはソファー、テーブル、テレビ、クローゼット、本棚、そして今まで寝ていたキングサイズのベッド。そして扉が二つ
本棚には本が入っているから此処は普段から使われているだろうことがわかる
『そーいえば薬かがされたんだ…』
ここに来られる前の事を思い出した
『誰が…?』
考えてみるが不良が捕まえてこんないい所へ連れてくるはずがない。あったとしてももっと薄暗い倉庫かなんかだろう
そういえば…
『姫川かな?』
以前にも姫川の手の者によって捕まったことがあった。
そして今回も姫川だと思ったその時だった
二つある中(うち)の扉が開いた
『!!
な…ん、で……』
入ってきたのは20代くらいに見える美男
少し目がつりぎみで、水色の瞳、髪は長髪で、金髪だが毛先だけが白髪だった。その髪を緩く縛っている。
背は180くらいあり、軽く筋肉がついているのがワイシャツの上からでも解る
男は顔を歪ませ目を細めた
「##NAME1##ちゃー──ん!!!!」
『くるなぁぁあぁああ!!!』
バゴッ
いきなり手を広げ抱き着いてきた男
気持ち悪くて取り敢えず顔面パンチした
『何でこんなところにいるの! おとーさま!!』
「何でじゃないでしょ!大事な大事な娘が家出て行っちゃって、私気が狂っちゃいそうだったんだよ!?」
そう、二人の話からわかるよう、この二人は正真正銘の親子だ。勿論血も繋がっている
父の名は六道 日向(ヒナタ)
この世界に知らない者はいないとまで云われているほどの大企業六道カンパニーの若(?)社長だ
日向は18という、若い年齢にして妻・霧雨(むう)と結婚し霧雲を出産した。
霧雨は霧雲を出産して三年後に死んでしまい、日向一人で霧雲を育ててきた
しかし今の時代、子供を過保護し過ぎて親バカというものができ、それに外す事なく日向も親バカになってしまった
抱き着くは当たり前。隙あらば接吻をしようとする。
前は接吻だけではすまず深いのまでされてしまった
いや、もう親バカや過保護では済まないのかもしれない。家族愛ではないのかもしれない
『お父様セクハラするからヤなの!
僕はもうイエデしたの!!ここの子じゃなくなったの!!』
もしかしたら僕のことは息子と思っていないのかも
「何を言ってるの!
間違いなく霧雲は私の子だよ?
ここの子じゃないなんて言わないでよ」
もしかしたらお父様が僕に向ける感情は
『お父様が何と言ってもこっから出てくから』
お母様に向けて
いるものと同じ
なのかも
「何で?何処がいけないの?悪い処があるならなおすから」
僕のことを【霧雲】と見ていないのかもしれない
『キモい、うるさい、親バカ、過保護、ヘンタイ、オカマ、ヘタレ、嫉妬深い、ヘンタイ』
【霧雲】じゃなくて、【霧雨】と重ねて見ているんじゃないかと思う
「もういいですっ!
そんなに私のことが嫌だったの!!?そんなに変態!!?」
僕はお母様と顔も髪色も似ているし
『うん』
僕(霧雲)として見てくれていないような気がする
「そんなぁ!!!
わかった。もう可愛いとか叫ばないから!だから許してっ。いや、でも可愛いから可愛いって叫ばないほうが無理かも……」
そう、今までずっと
『ダメじゃん!!
てかそれだけじゃないし!!キスもダメ!!』
「えー」
溜息を吐く日向
「私は霧雲のことが大好きだから抱き着いたりキスだってしたくなるんだよ?」
『ふつーは抱き着いたりキスしたりなんてオヤコでしないもん!!』
「………」
日向は俯いた
『?お、とーさま?』
霧雲は突然黙ってしまった日向を不審に思い、日向の顔を覗こうと顔を近付けるが、首についた首輪と鎖によって遮られた
「フフッ 確かにこの歳にまでなってやってるほうが可笑しいかもね。
でも!」
いきなり大きな声を出す日向。霧雲はびっくりして肩を揺らした
「それならそれで別にいいや。」
『え?』
霧雲は意味が分からず首を傾げた
日向はゆっくりと近付いて来ながら顔を上げた
『!』
日向の目はギラギラと、獲物を捕まえるような獣の目をしていた
日向は霧雲が寝ていたベッドに手をかけ、乗ってきた
霧雲はひかえめな顔をしながら日向が近付くのにあわせて下がる
だが所詮ベッドだ
すぐに角に追いやられてしまった
『こな、で…おと、さま』
今までこんな顔を見た事がない
霧雲は恐怖のあまり声が掠れた
「私はね、霧雲のことが大好きだ。
いや、愛してる」
『ぇ…?』
霧雲はいきなり言われた言葉に驚いた
普段から"大好き"とはよくいうが、"愛してる"なんて余り言われない。
ましてやこんな真顔で言われた事は一度もなかった
「──…でも、手に入らないのなら、逃げてしまうのなら、」
日向は鎖を引いて霧雲の顔を近付けた
「こうして他の者にいかないよう、捕まえていればいい」
霧雲は目を開いた
こんな父、見た事ない。
恐い。
身体が震えている
止めることが出来ず、日向から目が離せず、霧雲は動けずにいた
そんな時、日向のポケットから着信音が聞こえた
『(この曲って……!!)』
よく聞く曲に霧雲は助けて!と心の中で叫んだ
「……こんな時に誰かな」
日向はポケットから霧雲の携帯を取り出し、携帯を開いて画面を見た
「おがたつみ?誰?」
日向は霧雲を鋭い目で見る
『か、かえして!!!』
霧雲は男鹿との関係がばれてはいけないと思い、必死に取り返そうと手を伸ばすが届かない
それどころか日向は電話に出てしまった
