バブ5
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「おせーな」
日も暮れ始めた頃、ずっと霧雲を抱きしめ話していたが、姫川がぽつりと呟いた
「プッ ククク」
姫川の言葉を聞いて古市は震えた
「バーカ。あいつが来るわけねーだろ。アホだアホ
もーケンカもしねぇつってたよ!!そういや
今頃家に帰ってテレビでも見てるんじゃねーの?」
嘲笑うように目に涙を浮かべて姫川を見る古市
姫川は霧雲を離し、古市に近付く
ガッ
「古市っ」
姫川が古市を殴った
「せいぜい祈るんだな
奴がこなきゃ、てめーら生きて帰れねーぞ」
「ゲホッ
来ますよ
あいつは絶対来る。大丈夫
そーゆー奴です」
「………」
『そーだよ!辰巳なら絶対くる!』
「姫川さん
人影です!!誰か入ってきました!!」
古市が格好良い言葉を言っていたが、姫川の手下によってその雰囲気は崩された
「なんだ、このおっさん」
「いよーに弱かったな」
皆の前に出されたのは腕を縄で縛られたアランドロン
「使えん奴…」
ヒルダはアランドロンを見て呆れ、古市は男鹿が来たと思ったがアランドロンが来ていたのにショックし、さらに捕まっていたことに冷汗もダラダラと垂れ流した
「ククッ 残念だったな
タイムリミットだ」
「……………………っっ
男鹿のアホーッ!!!ボケーッカスーッ
てめー絶対化けてでてやるからなーっ!!」
叫ぶ古市は汗やら涙やら鼻水やら色々なものが顔から垂れている
「みぐるしーのー」
『古市は自分がイチバンだから』
「誰がアホだ こら」
……………………
よくしっている声がし、皆は声がした方を見た
それはアランドロンからだった
「─ったく、てめーら…」
アランドロンの真ん中縦線に線が引かれる
「世話やかしてんじゃねーぞ」
アランドロンが真っ二つに割れ、中から男鹿が出てきた
「おっ…
おがっ…」
ゴキャ ッ
アランドロンの1番近くにいた男が男鹿に殴られた
「おまたせV」
男鹿はまず近くにいた古市とヒルダを見る
「………」
「ケンカ、しねーんじゃなかったのかよ」
「ケンカじゃねーよ
今からすんのは王の処刑だ」
男鹿は姫川を見る
そして姫川の後ろの方にいる霧雲を見た
「霧雲、何処か怪我してねーか?」
『ケガはしてないけど…体が動かない
なんか薬かがされた』
「……」
男鹿の眉間に皺が寄ったのがわかった
「みせるねぇ
いい登場だ。マジシャンにでもなるつもりか?」
姫川は霧雲と男鹿が話しているのを見るのが嫌で話に割り込んだ
「──あぁ
男鹿くんのびっくりイリュージョンの始まりだ」
男鹿の周りの空気が揺れた
「いくらだ?」
「あ?」
「お前、いくらでオレの下につく?」
『姫川!それは叔父さんとやらないって言ってたじゃん!』
「霧雲は黙ってろ」
『ンム……』
ふて腐れる霧雲
「悪い話じゃねーぜ?オレはお前の事をかってんだ。どうやったか知らねーが、さっきのマジックも大(たい)したもんだ
望む報酬を用意しよう」
窓の近くの椅子に座る姫川
「オレとお前、霧雲が組みゃ、石矢魔統一なんてわけねぇんだからな」
『(うぇっ 僕も!?)』
いきなり出てきた自分の名前に驚いた
「つーか、誰だ?てめー」
あまり人を気にしない男鹿からこの言葉が出るのは当たり前だが、他の者からしたら有り得ない
姫川の手下が男鹿に詰め寄ったが蹴り飛ばされて顔から天井に突き刺さった
「(ククッ…すげーな、おい
確かにこりゃ神崎なんてめじゃねーわ
ますます欲しいね)
いいだろう」
姫川は座っていた椅子から立ち上がり男鹿の下(もと)へ歩く
「相手してやるよコゾー
オレに勝ったら人質ははなしてやる。
ただし負けた時は、大人しく下についてもらうぜ。そして霧雲と別れてもらう」
『なっ』
「………………
いいのかよ?せっかくの人質をそんなに簡単にはなして
ふつー命がおしくば動くなとかやんじゃねーの」
「ククッ
そんなもんはサンシタのやる事だ。オレには必要ねぇよ
そいつら二人はてめーをここにこうして呼び出す為だけのコマだ
それ以上の価値なんてねーよ」
男鹿は姫川の鳩尾を殴った。だが、明らかに殴った音が可笑しかった
姫川は先程座っていた椅子まで飛ばされた
「立てよ
腹になんか仕込んでんだろ?」
男鹿の拳から血が垂れている
そしてその下の方にある繩王紋が光っていた
そして、霧雲の繩王紋も光っていた
「く…
くくっ
いいね
最高だよ お前!!」
姫川は立ち上がり、背中に隠してあったスタンバトンという120万ボルトもの電気が流れるものを男鹿に向かって振りかぶった
スイッチを押し、男鹿と姫川の間は光りで見えなくなった
『たつみ…っ!!』
霧雲は体を動かそうと必死に筋肉に力を入れる
光りが消え、男鹿が見えた
男鹿は平然としていた
「ベル坊の夜泣きの方が全然いてぇ」
『!』
「なっ 嘘だろ?
くっ…お前ら!!何ぼーっと見てんだ
人質だ!!人質を使え!!」
姫川は手下に言う
────が、
「…フ…
もう よい
貴様の器は知れた
消えろ」
ヒルダは自力で縄を切って、よってきた奴を倒した
「霧雲」
『ん?なに?
それより紐とって』
「これを飲め」
『それより先にひも』
霧雲の話は無視して一錠の粒を差し出した
『何それ?』
「いいから飲め」
ヒルダは無理矢理霧雲に粒を飲ませる
『んっ………
なんかわかんないけどアリガト
それよりひも……
んっ』
霧雲の体から電気が流れ出した
その電気はベル坊や男鹿と繋がっていた
魔王の咆哮(セブルブラスト)
姫川は失神していた
更新10.02.01