「…という訳で坊ちゃん、私が勝ちましたのでお約束通り、これから晩餐まで本日の復習と明日の予習をなさって下さいね」

「チッ」

霧雲と一緒に座っているのが

ファントムハイブ家当主
シエル・ファントムハイブだ


「凄いですセバスチャンさん！！
今日で連続50勝です！！」

目を輝かしているのはヘアピンを沢山した庭師(ｶﾞｰﾄﾞﾅｰ)のフィニアン(通称フィニ)

「さ…さすがワタ…セバスチャンさんネ…」

顔を真っ赤にしているのは眼鏡をかけた家女中(ﾊｳｽﾒｲﾄﾞ)のメイリン

「スゲーな　ウチの執事は」

歯を出して笑っているのが料理長(シェフ)バルド

『ほんとすごいです！わたしもいつかセバスチャンみたいになりたいです！！』

そして椅子に座り、フィニとおなじよう目を輝かしているのが何度も言うよう、居候の霧雲だ

「まっ、ご苦労だったな、セバスチャン
まぁ飲め
イッキにな」

「恐れ入ります」

セバスチャンはシエルから渡されたものをイッキに飲む

「――――ところで」

セバスチャンは飲み終わったコップをテーブルに置く

「貴方達はどうしてここにいるんです？」

雇い人達が固まり、周りの空気が何度か下がったような気がした

セバスチャンは雇い人達をそれぞれの持ち場へいかせた

「仕事といえばセバスチャン
イタリアのクラウスから電話があった」

「クラウス様から？」

シエルは立ち上がる

「それについて少し話がある

　来い」

「かしこまりました」

セバスチャンはシエルへと杖を渡す

「霧雲は来るか？」

『んー…いいです。きょーはまだ書類処理がおわってませんから』

「そうか」















霧雲は部屋で仕事の書類処理をしていた

『………』

部屋には紙に書いている音しか聞こえない





『フゥ……あと、すこしですね…』

書類も仕上げ終盤にかかっていた
その時


ドッカー―ンッ


『∑！？』

いきなり爆発音がした

『きょーはなんですか！？』

霧雲は部屋を跳び出した