第1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いい香りだ
いれ方がいいと格別だね」
「本日はジャクソンの"アールグレイ"をご用意致しました」
「同じアールグレイでも違うモンねぇ~
グレルもちょっとは見習いなさいよ」
「は…はぁ…」
『(あの人誰……)』
霧雲は劉の腕の中からグレルという人を見る
そんかことを思っているとマダムがセバスチャンにセクハラ(?)をしていた
「ここからが本題だが…」
シエルは畏まる
「数日前、ホワイトチャペルで娼婦の殺人事件があった」
「何日か前から新聞が騒いでるヤツよね?
だけど…"あんた"が動くってことは何かあるんでしょう」
「そうだ
ただの殺人ではない
猟奇的…いや、最早異常といっていい
それが"彼女"の悩みのタネといいわけだ」
「どういうこと?」
「被害者の娼婦、メアリ・アン・ニコルズは何か特殊な刃物で原形も留めない程目茶苦茶に切り裂かれていたそうです」
ケーキを食べるシエルの代わりにセバスチャンが言う
「市警(シティヤード)や娼婦達は犯人をこう呼んでいる
切り裂きジャック
(ジャック・ザ・リッパー)
僕も早く状況を確認せねばと思い、急ぎロンドンへ来たというわけだ」
「ふ…」
霧雲を抱いている劉が笑う
「女王の番犬が何を嗅ぎ付けるのか我もとても興味深いな
君にあの現場を見る勇気があるのかい?」
「…どういう意味だ」
「現場に充満する闇と獣の匂いが同じ業の者を蝕む
足を踏み入れれば狂気に囚われてしまうかもしれないよ
その覚悟はあるのかい?
ファントムハイブ伯爵」
劉は霧雲を落とさないようにしっかり抱き、シエルの頬を触る
「僕は"彼女"の憂いを掃うため、ここに来た
くだらない質問をするな」
「――いいね
いい目だ」