「ハァ　…どうりで…」

溜息をつき、ケーキとナイフを持つ

「パーティーにお呼ばれしても壁の華を決め込む訳ですね」

ナイフでケーキを切り始める

「僕は仕事が忙しい
そんなお遊戯にかまけている暇など…」

セバスチャンがシエルの座っていた椅子を前に向ける

「お言葉ですが坊ちゃん、"社交(ｿｰｼｬﾙ)"ダンスとはよく言ったものでして、夜会や晩餐会等では当然必要になってくる嗜みでございます」

切ったケーキを違う皿に乗せ、シエルに突き出す

「上流階級の紳士ともなればダンスは出来て当然の事もし取引先のご令嬢のダンスのお誘いを断りでもすれば社交界での坊ちゃんの株はがた落ちに…」

「―――――～わかった！やればいいんだろう
誰か家庭教師を呼べ！」

「今から家庭教師(ﾏﾀﾞﾑ)をお呼びする時間はありません
今日の処は焼き付け刃で結構ですから一曲だけ基礎と言われるワルツをマスター致しましょう」

「じゃあ僕は誰に教わるんだ？
この家の連中はどう見ても…」

シエルの頭の中には「ワルツっておいしいの？」といっている雇い人３人が

「あ」

シエルは霧雲の方を向く

『ふぇ？』

首を傾ける

「霧雲、踊れるか？」

『ワルツですよね？おどれますよ』

「なら霧雲が「いえ、僭越ながら私めがダンスのご指導を」

最高の笑顔でいうセバスチャン

「なっ
霧雲でいいだろう」

「私が嫌です(ﾆｯｺﾘ」

「なっ！！
大体お前がワルツなど踊れる「ウインナワルツならおまかせ下さい
シェーンブルン宮殿にはよくお邪魔しておりました」

『(セバスチャンなにやってんですか)』

「一曲お相手願いますか？ご主人様(ﾏｲﾛｰﾄﾞ)」

シエルに手を差し出すセバスチャン










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