第30憑目
夢小説設定
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「はぁ…
助かった…」
「市松もワンコを退治してきませう」
「こひなが怒ってるぅ!?」
狗神がボコボコになってもまだ成敗しているコックリに加勢しようとしているこひなを止め、こひなの頬に頬擦りをする
「貞操奪われるかと思ったぜ…」
「市松が護りませう
安心してください」
こひなが頭を撫でてくるので頬擦りを止めて抱き着く
「こんくらいで勘弁してやる
もう霧雲を襲うなよ!」
やっと終わり、コックリは買ってきた夕飯をちゃぶ台の上に並べる
「ケーキ買ってきてくれてありがとな
買い物途中でいろいろあって遅くなってな…──」
コックリ達は子どもとクリスマスを過ごしたい幽霊の手助けをして遅くなってしまったと説明された
それでついつい楽しくなって時を忘れていたんだと
「へぇー
まあ、俺の貞操は守れたから許してやろう」
「もっと早く帰ってくればよかったな…」
「まあまあ。もう過ぎた事は忘れてパーティーを楽しみませう」
「そうだな!」
クリスマスらしくローストチキンやらオードブルと手巻き寿司、ビザ、ケーキなんかを三人で食べた
途中で復活した狗神も交ざり、騒がしい夜となった
──────
──
少し落ち着いてきて、俺は帰る途中に買った袋を取り出す
「これ俺からのほんの細やかなクリスマスプレゼントだ」
ここにいない信楽以外に袋を渡す
「開けてもいいか?」
「おう!
あんま期待はすんなよ」
ラッピングにしてあるリボンを取り、中身に手を伸ばす
「手袋とマフラーだ!」
「服なのです」
「タオル…ですか?」
「膝掛けだ、バカ」
こひなには全身コーデ一着
コックリには家事をして手が荒れるからと保湿性が抜群な手袋と、和服だと首が少々寒いのでマフラー
狗神には犬小屋でも寒くないよう膝掛けや肩掛けにもなる物を買った
「ありがとな
早速使わせて貰うわ」
「市松も明日着ます」
「どうですか?似合いますか?」
狗神は肩に掛け、ボタンがついてるのでボタンをしめる
クルクルと回って聞いてくるので適当に返事しておいた
狗神がしている肩掛けを奪おうとしているこひな
俺とコックリはノホホンと見ていた
「こんな楽しいクリスマスは久しぶりだ…」
「それこひなも言ってたな…」
そっか
こひなも言ってたんだ…
こひなには寂しい思いさせてたんだな…
狗神と戯れているこひなを見て眉をひそめる
「今年は俺も狗神もいる
来年も再来年も、十年二十年先だって霧雲が俺達を欲するかぎり一緒にいてやるよ」
「欲するって…
まあ、恋人が出来ない限り、クリスマスはコックリと一緒に居てやるよ」
「減らず口が」
「へへっ」
こんな楽しいクリスマス
来年も再来年もその先もずーっと来てくれたらいいな
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