87話
夢小説設定
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寮に入る為の準備をしながら1日過ごし、えんえん少女に会いに行く日はすぐにやってきた。
お昼ご飯を食べて寸刻で相澤先生は家に来た。
お母さんが事前に買ってきてくれた物を持ち、私の部屋のベランダにいるうんがい鏡を通ってケマモト村のバス邸にワープする。
えんえん少女のいるえんえんトンネルに入るまでに徒歩で10分くらい掛かる。
『えんえん少女の所に行く前に、ちょっと寄ってもいいですか?』
「もう寄る気だろ…。
好きにしろ。」
私の持っている紙袋を見て半目になっている。先生の了承を得られたので行くことにしよう。
橋を渡り、道沿いに歩いてYの字の交差点を右に行く。少し歩くと辺り一面緑になった田んぼ畑になった。鋪装されていない道を歩き、森に隣接した小屋の前に来る。
『此処からは空を飛んで行かなくちゃなんだけど…フゥ2いける?』
フゥ2は乗り気しない顔で相澤先生に近付き、脇の下に腕を通して持ち上げる。踏ん張ってふらふらしながらもなんとか持ち上がり、危なげな様子で森の上空を飛んだ。フゥ2が見えていない相澤先生は心配そうだ。
私もウィスパーに連れて行ってもらい、森の中にあるツリーハウスまで行く。此処は妖怪ガッツKが住んでいる家だ。
降ろしてもらい、扉をノックするとすぐに中から妖怪ガッツKが出てきた。
「よう!久しぶり…でもねぇな。」
『こんにちは。この間はありがとうね。これ、ちょっとしたお礼なんだけど皆で食べて。』
お礼とお中元の意味を持ってきていた大きな紙袋を一つ渡す。
すると、何処から途もなく次々と妖怪が顔を出してきた。
「霊和だー!」
「ナニソレ?オカシ?オカシだ!!」
「あら、甘い物かしら?」
「一つ寄越せ!」
「そう焦らずとも皆に分け与えますよ。」
「パイセン方!わあ!ここは古典妖怪の宝庫です!」
早々に紙袋から箱を取り出し、詰め合わせの和菓子に群がる妖怪達。古典妖怪ばかりでウィスパーは眼福と目をキラキラさせていた。
「お前ら……
俺が貰ったんだからな!半分は残しておけよ!」
「そこは"騒がしくするな"とか"はしたないマネするな"って言うとこでしょ。
半分も自分の物とか強欲すぎ。みっともない事言わないでよ。」
「ぐぅっ。孫が冷たい…。」
辛辣なフゥ2に傷心していた。
会話もそこそこにして、本来の目的である場所にいかなくてはいけない。
『それじゃ、私達行くね。』
「またあいつの所か…。間違えて死ぬなよ。
まだ霊和が妖怪になるには早ぇぜ。」
『うん。気を付けて行ってきます。』
ツリーハウスを後にして、次こそはえんえんトンネルだ。
家もなく山へ続くだけの道を歩き、こっそりと造られたトンネル前に来る。そこは初めて来た時と違い、閉鎖する物が何もなく中の闇をそのまま映していた。
『中に入ったら後ろを振り返らないでください。』
「…何かあるのか。」
『いいえ、何もないんです。だから振り替えっても問題はないですけど…怖くなるし不安になるので振り返らない方が精神的にいいと思います。』
苦い顔をした相澤先生は固唾を飲み、私の後についてトンネルに入る。
皆にはわからないが、私の耳にはえんえん…と子供の泣き声が聞こえる。
念のためと、相澤先生と手を握って進む。フゥ2達は怖いので私と相澤先生に引っ付いている。
暫く歩くと、前から犬を引き連れた少年と青年の間くらいの男性が歩いてきた。
『こんにちは。』
「きみはおもちゃを大切にする子だ。ではひとつを捨てるとしたら"昔から大切にしているおもちゃ"、"新発売のすばらしいおもちゃ"のどちらを捨てるんだい?」
『昔から大切にしてるおもちゃだよ。』
「これをあげよう。」
駄菓子屋で売っているような小さなガムを貰う。
闇へと去っていく男性を見ながら相澤先生は眉を潜める。
「こんな所を散歩か?」
『もともとは散歩だったんじゃないかな…。あ、です。
此処で会う人は皆このトンネルの中で死んでるんです。』
「は!?じゃああれは幽霊か…?」
『はい。』
無意識に手を離そうとしている相澤先生の手を力強く握る。
『此処の幽霊は手を離しても見えますよ。トンネル内の霊力が強いので霊感が無くても見えるんだと思います。
初めて来た時からフゥ2達も幽霊が見えていました。』
「なら離しても問題ないだろ。」
『幽霊は無害だけど、人に飢えた妖怪が襲ってくるので見えないと危ないです。』
幽霊は見えても妖怪が見えるとは限らないからだ。他の人間と一緒にトンネルに入った事がないので妖怪が見えるかわからないので手を繋いでいてほしい。
お昼ご飯を食べて寸刻で相澤先生は家に来た。
お母さんが事前に買ってきてくれた物を持ち、私の部屋のベランダにいるうんがい鏡を通ってケマモト村のバス邸にワープする。
えんえん少女のいるえんえんトンネルに入るまでに徒歩で10分くらい掛かる。
『えんえん少女の所に行く前に、ちょっと寄ってもいいですか?』
「もう寄る気だろ…。
好きにしろ。」
私の持っている紙袋を見て半目になっている。先生の了承を得られたので行くことにしよう。
橋を渡り、道沿いに歩いてYの字の交差点を右に行く。少し歩くと辺り一面緑になった田んぼ畑になった。鋪装されていない道を歩き、森に隣接した小屋の前に来る。
『此処からは空を飛んで行かなくちゃなんだけど…フゥ2いける?』
フゥ2は乗り気しない顔で相澤先生に近付き、脇の下に腕を通して持ち上げる。踏ん張ってふらふらしながらもなんとか持ち上がり、危なげな様子で森の上空を飛んだ。フゥ2が見えていない相澤先生は心配そうだ。
私もウィスパーに連れて行ってもらい、森の中にあるツリーハウスまで行く。此処は妖怪ガッツKが住んでいる家だ。
降ろしてもらい、扉をノックするとすぐに中から妖怪ガッツKが出てきた。
「よう!久しぶり…でもねぇな。」
『こんにちは。この間はありがとうね。これ、ちょっとしたお礼なんだけど皆で食べて。』
お礼とお中元の意味を持ってきていた大きな紙袋を一つ渡す。
すると、何処から途もなく次々と妖怪が顔を出してきた。
「霊和だー!」
「ナニソレ?オカシ?オカシだ!!」
「あら、甘い物かしら?」
「一つ寄越せ!」
「そう焦らずとも皆に分け与えますよ。」
「パイセン方!わあ!ここは古典妖怪の宝庫です!」
早々に紙袋から箱を取り出し、詰め合わせの和菓子に群がる妖怪達。古典妖怪ばかりでウィスパーは眼福と目をキラキラさせていた。
「お前ら……
俺が貰ったんだからな!半分は残しておけよ!」
「そこは"騒がしくするな"とか"はしたないマネするな"って言うとこでしょ。
半分も自分の物とか強欲すぎ。みっともない事言わないでよ。」
「ぐぅっ。孫が冷たい…。」
辛辣なフゥ2に傷心していた。
会話もそこそこにして、本来の目的である場所にいかなくてはいけない。
『それじゃ、私達行くね。』
「またあいつの所か…。間違えて死ぬなよ。
まだ霊和が妖怪になるには早ぇぜ。」
『うん。気を付けて行ってきます。』
ツリーハウスを後にして、次こそはえんえんトンネルだ。
家もなく山へ続くだけの道を歩き、こっそりと造られたトンネル前に来る。そこは初めて来た時と違い、閉鎖する物が何もなく中の闇をそのまま映していた。
『中に入ったら後ろを振り返らないでください。』
「…何かあるのか。」
『いいえ、何もないんです。だから振り替えっても問題はないですけど…怖くなるし不安になるので振り返らない方が精神的にいいと思います。』
苦い顔をした相澤先生は固唾を飲み、私の後についてトンネルに入る。
皆にはわからないが、私の耳にはえんえん…と子供の泣き声が聞こえる。
念のためと、相澤先生と手を握って進む。フゥ2達は怖いので私と相澤先生に引っ付いている。
暫く歩くと、前から犬を引き連れた少年と青年の間くらいの男性が歩いてきた。
『こんにちは。』
「きみはおもちゃを大切にする子だ。ではひとつを捨てるとしたら"昔から大切にしているおもちゃ"、"新発売のすばらしいおもちゃ"のどちらを捨てるんだい?」
『昔から大切にしてるおもちゃだよ。』
「これをあげよう。」
駄菓子屋で売っているような小さなガムを貰う。
闇へと去っていく男性を見ながら相澤先生は眉を潜める。
「こんな所を散歩か?」
『もともとは散歩だったんじゃないかな…。あ、です。
此処で会う人は皆このトンネルの中で死んでるんです。』
「は!?じゃああれは幽霊か…?」
『はい。』
無意識に手を離そうとしている相澤先生の手を力強く握る。
『此処の幽霊は手を離しても見えますよ。トンネル内の霊力が強いので霊感が無くても見えるんだと思います。
初めて来た時からフゥ2達も幽霊が見えていました。』
「なら離しても問題ないだろ。」
『幽霊は無害だけど、人に飢えた妖怪が襲ってくるので見えないと危ないです。』
幽霊は見えても妖怪が見えるとは限らないからだ。他の人間と一緒にトンネルに入った事がないので妖怪が見えるかわからないので手を繋いでいてほしい。