85話
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敵のアジトに潜入したのが20時くらい。今はもう空が明るくなりだしていた。
瓦礫などに挟まって動けない人がいるかもしれないと、捜索が得意なプロヒーロー・ウワバミが個性を使って探し、他のヒーローが瓦礫の撤去をする。生きていた人は妖怪の皆が救出してくれていたからいいが、死者も多々いるようで捜索は難航している。
そんな中、私はというとエッジショットやベストジーニスト、グラントリノ、塚内さんといったかっちゃん救出メンバーからお説教を貰っていた。
「作戦は必ず守らなくてはいけない。わかってるな?」
「お前はまだヒーローの資格を持っていないんだ。戦いの前線に行くなどもってのほかだ。」
「小僧といいお前さんといい雄英はどういう教育をしてるんだ。オールマイトにも一度ガツンと言わんといかんな。」
『はい……。』
身長の高い大人に囲まれ叱責される。メディアのカメラがたまに此方を向いてくるので離れたい…。
フゥ2やジバニャン達が後ろで慰めてくれているのが唯一の救いだ。
メディアのアナウンサーが驚いたような大きな声をあげたので気になり見てみると、意識を取り戻したオール・フォー・ワンが警察に連れられて移動牢・メイデンに入れられた。
「はぁ…ま、今回は君のお陰でもあるようだし、怒るのはこの辺で終わりにしよう……と言いたいところだが、君はこの後警察署で事情聴取だ。いいね?」
『またお説教!?』
「違う。君はまだ隠してることがあるな?聴取で吐いてもらう。」
そう言う塚内さんは自分の腰に手を掛けたら、私の腕を取り手首に何か付けた。
『手錠!?ま、待ってくださいっ。私"敵"には何もしてな…っ、』
「さあパトカーに乗った!言い訳は署で聞くよー。」
オールマイトに回復を…なんて言ったけど、背中を押す手は止めてくれなかった。
そのままパトカーに乗って連れてかれる私をウィスパー達は呆然と見てた。
フゥ2は妖怪達を解散させ、ウィスパーとジバニャンを連れてパトカーを追い掛けた。
─────
机とパイプ椅子が真ん中に鎮座する簡易的な小さな部屋に入れられ、端にはパソコンを使っている人がいた。
私の前には塚内が対談する形で座っている。
「──…やはり君が事件の犯人だったわけか。」
『はい…。』
拳をギュッと握って次の言葉を待つ。それというのも、此処に連れて来られてされた質問が原因だった。
「──…今回の脳無の動きを見て、3~4年前から度々目撃される"敵"不可思議事件は君が関係していると断定した。」
『……、』
「例えば2年前の4月、軽トラで走りながらピストルの個性で乱射する"敵"の事件では、弾が絶対に誰もいない方向に飛んでいく不可思議な事が起こった。今日も脳無が飛ばした玉がギリギリ誰も当たらない方へと方向転換していた。
去年の2月には窃取の個性で繁華街にいた人の所有物を盗む"敵"があたふたし出し容易く確保された。今回も右往左往している"敵"がいた。
今年4月の始めには火の個性で住宅街の家屋を次々に燃やす"敵"は、目を閉じ満を持していないと行動を停止していた。脳無は喋ることが出来ないが同じ行動を取っていた。」
一つ目はバンジー急須、二つ目はしどろもどろ、三つ目は万尾獅子を呼び出した時だとすぐにわかった。
(万尾獅子は取り憑き側をやってたんだ。今回は攻撃側に徹して欲しかった…。)
『…合ってます。私が全部指示しました。』
そんな犯人の自供みたいな言い方言わなくても!と、ウィスパーが止めてくる。
「ヒーローになりたいが故の行動か。」
『ヒーロー…もあるけど、ただ困ってる人を助けたかったんです。その中には手をこまねいているヒーローも入っていて、少しでも助けになればいいと思って…。勿論"敵"だろうと怪我はさせていません!』
脳無には怪我させてしまったけど…。
「怪我をさせていなくとも、ヒーロー免許を持っていない者が個性を他人に向ける行為は違法だ。……とは言っても個性(のようなもの)を使ったのはアノ生き物…。この子にはなんの能力もない。教唆になるのかも微妙なラインだな。」
塚内さんはぶつぶつと考え込み、一つ質問をしてきた。
「アノ生き物は人間じゃないんだな?」
『妖怪です。人が死んじゃった後に生まれ変わったり、何年も大切にされた物に命が宿ってるんです。』
「そうか……よし。
妖怪は人間の法律に当てはまらなく、今回のことも君や妖怪が何かをしたお陰で脳無の拘束が俊敏に出来、オールマイトが勝てたのだろう?
ならば今回は目を瞑るしかないな。」
ニヤリと口角を上げた塚内さんに私達だけではなく、記録していた人まで驚く。
いいのかと問い詰めていたが塚内さんは表情を変えない。
私も唖然としてフゥ2達と目を合わせる。
ホッとしたような拍子抜けしたような気持ちになった。それでも何も咎められない事に安心した。
瓦礫などに挟まって動けない人がいるかもしれないと、捜索が得意なプロヒーロー・ウワバミが個性を使って探し、他のヒーローが瓦礫の撤去をする。生きていた人は妖怪の皆が救出してくれていたからいいが、死者も多々いるようで捜索は難航している。
そんな中、私はというとエッジショットやベストジーニスト、グラントリノ、塚内さんといったかっちゃん救出メンバーからお説教を貰っていた。
「作戦は必ず守らなくてはいけない。わかってるな?」
「お前はまだヒーローの資格を持っていないんだ。戦いの前線に行くなどもってのほかだ。」
「小僧といいお前さんといい雄英はどういう教育をしてるんだ。オールマイトにも一度ガツンと言わんといかんな。」
『はい……。』
身長の高い大人に囲まれ叱責される。メディアのカメラがたまに此方を向いてくるので離れたい…。
フゥ2やジバニャン達が後ろで慰めてくれているのが唯一の救いだ。
メディアのアナウンサーが驚いたような大きな声をあげたので気になり見てみると、意識を取り戻したオール・フォー・ワンが警察に連れられて移動牢・メイデンに入れられた。
「はぁ…ま、今回は君のお陰でもあるようだし、怒るのはこの辺で終わりにしよう……と言いたいところだが、君はこの後警察署で事情聴取だ。いいね?」
『またお説教!?』
「違う。君はまだ隠してることがあるな?聴取で吐いてもらう。」
そう言う塚内さんは自分の腰に手を掛けたら、私の腕を取り手首に何か付けた。
『手錠!?ま、待ってくださいっ。私"敵"には何もしてな…っ、』
「さあパトカーに乗った!言い訳は署で聞くよー。」
オールマイトに回復を…なんて言ったけど、背中を押す手は止めてくれなかった。
そのままパトカーに乗って連れてかれる私をウィスパー達は呆然と見てた。
フゥ2は妖怪達を解散させ、ウィスパーとジバニャンを連れてパトカーを追い掛けた。
─────
机とパイプ椅子が真ん中に鎮座する簡易的な小さな部屋に入れられ、端にはパソコンを使っている人がいた。
私の前には塚内が対談する形で座っている。
「──…やはり君が事件の犯人だったわけか。」
『はい…。』
拳をギュッと握って次の言葉を待つ。それというのも、此処に連れて来られてされた質問が原因だった。
「──…今回の脳無の動きを見て、3~4年前から度々目撃される"敵"不可思議事件は君が関係していると断定した。」
『……、』
「例えば2年前の4月、軽トラで走りながらピストルの個性で乱射する"敵"の事件では、弾が絶対に誰もいない方向に飛んでいく不可思議な事が起こった。今日も脳無が飛ばした玉がギリギリ誰も当たらない方へと方向転換していた。
去年の2月には窃取の個性で繁華街にいた人の所有物を盗む"敵"があたふたし出し容易く確保された。今回も右往左往している"敵"がいた。
今年4月の始めには火の個性で住宅街の家屋を次々に燃やす"敵"は、目を閉じ満を持していないと行動を停止していた。脳無は喋ることが出来ないが同じ行動を取っていた。」
一つ目はバンジー急須、二つ目はしどろもどろ、三つ目は万尾獅子を呼び出した時だとすぐにわかった。
(万尾獅子は取り憑き側をやってたんだ。今回は攻撃側に徹して欲しかった…。)
『…合ってます。私が全部指示しました。』
そんな犯人の自供みたいな言い方言わなくても!と、ウィスパーが止めてくる。
「ヒーローになりたいが故の行動か。」
『ヒーロー…もあるけど、ただ困ってる人を助けたかったんです。その中には手をこまねいているヒーローも入っていて、少しでも助けになればいいと思って…。勿論"敵"だろうと怪我はさせていません!』
脳無には怪我させてしまったけど…。
「怪我をさせていなくとも、ヒーロー免許を持っていない者が個性を他人に向ける行為は違法だ。……とは言っても個性(のようなもの)を使ったのはアノ生き物…。この子にはなんの能力もない。教唆になるのかも微妙なラインだな。」
塚内さんはぶつぶつと考え込み、一つ質問をしてきた。
「アノ生き物は人間じゃないんだな?」
『妖怪です。人が死んじゃった後に生まれ変わったり、何年も大切にされた物に命が宿ってるんです。』
「そうか……よし。
妖怪は人間の法律に当てはまらなく、今回のことも君や妖怪が何かをしたお陰で脳無の拘束が俊敏に出来、オールマイトが勝てたのだろう?
ならば今回は目を瞑るしかないな。」
ニヤリと口角を上げた塚内さんに私達だけではなく、記録していた人まで驚く。
いいのかと問い詰めていたが塚内さんは表情を変えない。
私も唖然としてフゥ2達と目を合わせる。
ホッとしたような拍子抜けしたような気持ちになった。それでも何も咎められない事に安心した。