81.5話
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~フゥ2side~
俺とジバニャンは霊和ちゃんの頼みで出久の護衛をすることになった。
霊和ちゃんと離れることに渋ったけど俺なんかよりも相澤先生と一緒の方が安全か。
個性を駆使する出久を必死に追い掛け、肝試しをする広場に戻ってくる。
"敵"と交戦中のマンダレイに相澤先生の伝言を伝え、そのまま"敵"の横を通って森の中を進む。
どうやら勝己を探すつもりみたいだ。霊和ちゃんも出久がどうするのか分かっていたから俺達を託したんだと思う。
途中、暴走した常闇くんと遭遇し、常闇くんを制止しようとしていた障子くんも合流する。
出久の考えで常闇くんを暴走させたまま勝己を探す。
追い掛けてくる常闇くんにヤられないようにしながら勝己と轟を見つけ、二人と戦闘していた"敵"に常闇くんをぶつけるという突拍子もないことをやってのけた出久を素直に褒めたい。
常闇くんも勝己の個性で弱体化して無事に元に戻り、勝己を護衛する陣を作る。勝己の前に障子くん、両隣に出久と轟、後ろに常闇くんだ。
俺は更に防衛をってんでジバニャンを勝己の頭に乗せた。ジバニャンが嫌がらせのように顔の前に足をぶら下げてるから見にくそうだけど、妖怪が見えない勝己には関係ないよね。
陣は踏み均された道を通らないように木々の間を抜けて、俺は出久の上の方で浮かんで合宿場に向かった。
だが、道中に知らない女子に馬乗りになっているお茶子ちゃんを見つけた。奥では梅雨ちゃんが木に縫い付けられている。
轟がお茶子ちゃんを助けに身を乗り出し、逃げた"敵"にケガを負わされたお茶子ちゃんに出久が駆け寄っていた。
「あーあー、陣形乱しちゃダメだよ。」
護衛の意味わかってる?と聞きたいが出久達には俺の声は聞こえない。
ジバニャンに周りを見張っててとお願いしようと後ろを見た。
……が、そこには障子くんしかいなかった。
「なんで?!
ちょ、勝己と常闇くんがいないよ!皆気付いてー!」
ジバニャンもどこ行ったんだよ!と心の中で毒づきながら、皆の周りを飛び回って知らせようとするが誰も気付かない。
その後お茶子ちゃんが勝己がいないと言うまで誰も気付かなかった。
勝己がいなくなったのは"敵"によるもので、現れたマジシャンみたいな"敵"がわざわざ教えてくれた。"敵"の手には水色の小さな球体があり、その中に勝己がいるのだと言う。
常闇くんは知らないと言うが"敵"の言うことに素直にはいそうですか。と信用することは出来ない。
俺は"敵"に取り憑く。出久達に勝己を取り戻してもらうしかない。
物を盗む妖怪がいれば水色の球体も手に入れられたんだけど…。
なんて思ってたら"敵"は逃げていく。
そりゃそうだよね!フツー目的が達成したら無駄な争いしないで逃げるよね!
"敵"は俺が取り憑いてるにも関わらず逃げ足が速い。
出久の発案でここにいる皆の個性をフル活用してロケットのように飛んで追い付いて体当たりした。
そのまま地面へ落ちるのを確認し、俺も追い掛ける。
着いたそこには他にも3人の"敵"、……脳無に、USJで見たワープの"敵"までいた。
出久達は少し離れた所にいて、女の"敵"がワープで消えて行くのを見届けている。
勝己を小さな球体にいれたマジシャンみたいな"敵"が、仮面を取り舌に乗せられた球体を見せつける。
ワープに入っていくのを出久達が追うが到底追い付きっこない。
俺は戦闘(他の全てもだけど…)が得意じゃないけど、必殺技であるヘソから星形のビームを射った。
口から球体を吐き出すことに成功し、轟が球体に手を伸ばす。
後一歩…のところで継ぎ接ぎの"敵"が掴んでしまった。
轟は勢いのまま地面に転がり、"敵"は中身が本物かどうか確認するために球体を一度解除させ、勝己と勝己の頭の上で意識を失っているジバニャンが出てきたと同時に、勝己の首を掴んで一緒にワープに入って行ってしまった。
出久の悲痛な叫びが響く中、俺達は敗北したのだと悟った。
────
それから10分後、パトカーに消防車、救急車のサイレンの音が鳴り響いてきた。
救急隊の人達が此処までたどり着き、担架に運ばれていく出久を呆然と見送るしかなかった。
勝己とジバニャンを拐わられ、後悔の念に蝕まれる。あの時ああすればとかこうすれば良かったとか考えるがもう遅い。
更に現実は残酷で、ここにいないはずのオロチが現れ俺に報告した。
霊和ちゃんが"敵"と交戦して意識を失った。オロチは元いた場所に強制的に戻され、すぐにいろんなルートを使ってここへ飛んで来て先に俺を見付けた。
それを聞いていてもたってもいられなくなった俺はオロチに案内を頼み急いで霊和ちゃんを探した。
そういえば"敵"がいなくなる前に「目標は達成した」と言っていた。
出久は勝己と霊和ちゃんが狙われていると言っていたんだ。"敵"の言った意味をもっと深く考えていれば良かった!
霊和ちゃんも勝己同様連れ去られたのかもしれないと絶望しかけた。
だが霊和ちゃんは思いの外すぐに見付かった。
身長40メートルはあるだいだらぼっちに抱かれていた。
「霊和ちゃん!」
だいだらぼっちの手のひらには霊和ちゃんの他にもB組の子が何人かいた。
皆一様に意識を失っている。
「おいフゥ2、これを見ろ。」
オロチの指差す場所には本来あるものがなかった。
「妖怪ウォッチCがない…っ。」
「私が合体しているときには確かにあった。
恐らく気絶させられて持ち去られたのだろう。」
そんな……。
恐れる事がついに起きてしまった。
「ぼく~、ぼくパニックなってぇ~!」
この後の事を考える前に、まずは慌てふためくだいだらぼっちを落ち着かせなくちゃだ。
「大丈夫、落ち着いて。皆死んでないよ。
それより俺達(妖怪)が持ってたら救急隊の人に気付いてもらえない。地面に下ろしてあげて。
それと救助の邪魔にならないように小さくなってくれるかな?」
だいだらぼっちは何度も首を大きく振って皆を慎重に地面に寝かせた。
1メートルくらいまで小さくなって、自分が起きたことを話してくれた。
「──…そっか。
でも君は悪くない。俺だっていきなりされたらパニクるもん。」
皆が怪我したのは自分が悪かったんだと責め立てるだいだらぼっちを宥め、やっとこさ来た救急隊の行動を見守る。
「─…オロチ、俺の頼みを聞いてくれないかな?」
「勿論だ。
私もこのまま終わらせるわけにはいかない。
出来ることならなんでもしよう。」
「ありがとう。
ならオロチはこの森の何処かにいる相澤先生と一緒に行動して。
先生と一緒にいれば何か情報が掴めるはずだ。
何か分かったら妖怪パッドで教えて。」
「フゥ2はどうするのだ?」
「俺は霊和ちゃんの傍にいながら妖怪をなるだけ集める。
それで妖怪ウォッチCを絶対に取り戻す。」
絶対にだ。
もし失敗すればこれはただの失敗で終わらず、俺達と霊和ちゃんが一緒にいられなくなるかもしれない。それだけはなんとしても阻止しなくちゃいけない。
俺はまだまだ霊和ちゃんと一緒にいたい。離れたくない。霊和ちゃんの成長を見守りたい。一緒にヒーローになりたい…!
「…フッ。
一緒に共闘したあの頃のお前を久方ぶりに見れたな。
フゥ2…いやケータ。
私とお前は今も友達だ。
友達のお前はなんでも私に命令しろ。私はそれに答えてやる。」
頼もしい友達の言葉に胸が熱くなる。
「命令って…せめて指示って言ってよね。
…任せたよオロチ。」
「ああ。」
俺達はそれぞれ目的の人物に向かった。
更新02.02.12