81話
夢小説設定
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ヤミまろと遭遇後は難なく戻ってこれた。
前方から走ってきた相澤先生を見つけ声を掛ける。
「緑谷、妖見…。」
相澤先生の顔が歪んだがどうしてか聞いている暇はない。
「先生……良かった!
大変なんです。伝えなきゃいけないことがたくさんあるんです。」
「おい…、」
「とりあえず、僕、マンダレイに伝えなきゃいけないことがあって…洸汰くんと霊和ちゃんをお願いします!」
息つく島もないくらいに話すいっくんに相澤先生は止めようとするが、いっくんは聞いていないようで口が止まらない。
そのままマンダレイ達の所へ駆けようとするので相澤先生が声を荒らげると漸く口を閉ざした。
「その怪我…またやりやがったな。保須でのこと忘れたのか。」
資格のない者が他者に危害を加えてはならない。
それを怠った私達の責任者が責任を負わされた。
『すみません…。』
「いや、でも…、」
「だから、マンダレイに"こう"伝えろ。
"A組B組総員、プロヒーローイレイザー・ヘッドの名において戦闘を許可する。"…とな。」
相澤先生の言葉に私もいっくんも目を見開く。
『いいんですか……?』
「いいかじゃない。もうそうするしかないだろ。
緑谷は行け。事情は妖見から聞く。」
「はい!」
いっくんが行ってしまいそうだったのでまた引き止める。
『いっくんの怪我は少し治した。でも攻撃はまだ無理だからね!
それとジバニャンとフゥ2はいっくんに付いて行って!』
「ニャー?メンドイんですけど。」
「俺も??」
フゥ2がいればいざというときに取り憑いて皆のサポートをしてくれる。
ダルがっているジバニャンを説得させ、キズナースと交代していっくんに付いて行かせた。
キズナースを戻し、妖怪ウォッチもウィスパーに戻す。洸汰くんも相澤先生が抱き上げた。
そして合宿場に走りながら肝試しの最中から何があったのか相澤先生に伝える。
「妖見と爆豪が狙い……?
"敵"に取り憑いてたのか妖怪の事がバレたのか?それなら爆豪は……?」
『わかりません。私が"直接""敵"に会ったのはUSJが初めてでした。その時は見向きもされてません。』
「ならその時か体育祭か…。保須もありえるが……、」
『それでもかっちゃんが狙われる理由がわかりません。』
「体育祭1位でしたし、強い奴を今のうちに潰す…ってことじゃないでしょうか。」
ウィスパーが憶測を言うが多分違うだろう。
もしそうならばかっちゃんだけではなく生徒全員を殺す。
相澤先生の首にしがみついていた洸汰くんが呟く。
「なぁアイツ大丈夫かな……。僕アイツの事殴ったんだ。なのにあんなボロボロになって僕と姉ちゃんを逃がして倒してくれたんだ。
僕まだごめんもありがとうも言ってないんだよ…っ!」
反抗的な態度を取られていたにも関わらず助けたいっくんの行動が洸汰くんの心を動かしていた。
いっくんは人の心を動かすのが上手いな…。なにもしないなんて言ってた私が情けなく思う。
相澤先生はありがとうを強めに言ってくれと頼んでいた。
そのまま走っていると宿場が木々の隙間から見えてきた。あと少しだと足を早める。
しかし進んでも進んでも建物が大きく見える事はなかった。
『なんで近付けないの…?
相澤先生、何かおかしいで…、?』
横にいるはずの相澤先生がいなくなっていた。
『相澤先生!?洸汰くん!ウィスパー!』
辺りを見回すが誰もいなくなっていた。
しかも一度目を離した隙に先程まで見えていた建物まで消え、青い炎で焼かれた木々だけだった。
「こんなとこにいるとはなぁ。今日は非戦闘員だったんだが、まぁいい。」
いきなり声がして、バッと振り向くと知らない男が二人いた。一人は継ぎ接ぎの皮膚の青年と、ラバースーツの覆面男。
「変な格好してるけどお前ターゲットの女子だろ!!知らねー!」
「一人でいるとは好都合じゃねーか。」
騒がしいラバースーツの男が此方を指差してくる。
なんでこんな所にきてしまったのか、相澤先生達は無事なのか全くわからない。ただ私がピンチということはわかる。
「その時計を渡して貰おうか。」
「預けてくれりゃあ見逃してやるぜ!!奪って殺す!!」
どっちですか!とツッコんでくれるウィスパーがいない。
『…あいにく他人に貸せない物なの。』
こんな計画的な騒ぎを起こして、体育祭で便利な物だから奪おう。とかではない。確実に妖怪ウォッチがどういう代物かバレている。
私は間合いを測りながらどうすればいいか考える。
「おっと!逃げるなんて無理だぜ!!逃げるのは俺の十八番だ!」
「うるせぇよ。」
ラバースーツの声に鬱陶しいと文句を言う声が後ろから聞こえてきた。首を後ろに向けると継ぎ接ぎの青年が苛立った顔で立っていた。
前を見ても青年は立っている。
『(分身?はたまた幻影かドッペルゲンガー…?)』
何の"個性"かわからない上に2対1から3対1とどんどん不利になっていく。