80話
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後方に下がり、私は洸汰くんを降ろして木の陰に座らせる。
「何がどうなってんだよ!どうしてアイツは攻撃してくんだ?」
『洸汰くんは心配しなくて大丈夫。
そこにいてね。出てきちゃダメだよ!』
洸汰くんの頭を撫でてから元の場所に戻る。
『取り憑きを消すには元を倒さなくちゃだよね。
ジバニャン、ヤミまろに百烈肉球!』
「ニャーン!」
ジバニャンがヤミまろと戦うなか、私はいっくんのフルスイングする拳を流しながら避け続ける。
「避けるなよ。お前の幼なじみの腕がなくなるぞ。」
『自分のことを人質にするなんて狡い!』
ヤミまろの取り憑きは意外と小汚い手法みたいだ。
いっくんの腕に負担を掛けないよう、空手の流し受けの要領で衝撃を和らげる。
『キズナースはもう少し強めに回復!』
「そんなことしたら霊和ちゃんに不利になってしまうわ!」
『いっくんの腕が動かなくなる方が問題なの!』
いくらキズナースで回復しても、操られて"個性"を使っているので治らない。だが操られているということはいっくんの意思で動いているのではない。
故に隙が見つかりやすい。
流し受けで一瞬背を見せたいっくんの背中を押し、バランスを崩させて押さえ込む。
しかし力の差があり、小規模の衝撃と共に吹っ飛ばされる。
洸汰くんが顔を出すがすぐに引っ込めるよう言って、龍のマフラーでいっくんを拘束する。
急所である頭を甘噛みさせて動かせないようにするが、脅しは効かないようで暴れる。
「そんなもん引きちぎってしまえ!」
ヤミまろは空飛ぶ座布団に乗り避けながらジバニャンに水流の術を使う。水に濡れるのが嫌なジバニャンは逃げてしまう。
ヤミまろの言葉に無理矢理拘束を解こうとしてくるので、本当に引きちぎられないように一度離れる。
そして隙を付いてヤミまろの背後に回り蹴りを食らわす。
「なんじゃお主!背後からとは卑怯じゃぞ!!」
「あーたが言いますか!?」
いっくんが背後から来るので、逆に回って私がいっくんの背後を体重を乗せて押さえる。
『さぁ、もう決着はついた。
早くいっくんから離れて。』
「くそぉ…。なんじゃなんじゃ!
ワシは遊び相手が欲しかっただけなんじゃ!ずっと地下水道で挑戦者を待っておったのに!
何故ワシの所にだけ来んのだ!」
『……、』
「ああ、それはね……──」
妖怪ウォッチが無くなってもヤミまろは妖怪や妖怪が見える挑戦者を待った。だが全く挑戦者はいなく、更には妖怪が見える人間がいなくなってしまった。
もう百年以上ずっと誰かが来るのを待っていたのだ。
癇癪を起こしたヤミまろにフゥ2は、ヒーローになるために役に立つ取り憑きを持つ者を仲間にしていく上で此方が有利な妖怪のみを仲間にしていったからだと説明する。
ヤミまろの取り憑きは仲間にしても敵にしても私が不利になってしまうからだ。
『それならこれからは役に立つかも。
妖怪ウォッチCなら取り憑きだけじゃなくて他の能力も使えて新しい技も生まれるかもしれないからね!』
「友達になってくれるのか…?」
『勿論!』
ヒーローになるための協力としてじゃなく友達としてならいつでも歓迎だったというのは内緒にしておこう。
ヤミまろからメダルを貰って、ヤミまろはウキウキ気分で帰って行った。そして取り憑きから解放されたいっくんが不思議そうに頭を捻っていた。
『さあ相澤先生の所へ急ごっか!』
洸汰くんを抱き直し、私はいっくんを引っ張って宿場まで急いだ。
R02.01.14