79話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…さて!腹もふくれた皿も洗った!お次は…、」
「肝を試す時間だー!!」
肝試しのおかげで皆のモチベーションも上がっている。
補習組もハイテンションになっていたが相澤先生の一言で凍りつく。
「その前に大変心苦しいが、補習連中は…これから俺と補習授業だ。」
「ウソだろ。」
「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになったのでこっちを削る。」
「うああ堪忍してくれえ。」
「試させてくれえ!!」
補習組5人は、ジタバタと暴れているところを相澤先生の捕縛武器によって拘束され、ずるずると引きずられていった。
ルールは個性を使ってOKだが直接接触禁止で、ルートの真ん中に名前を書いた札があるからそれを持って帰ってくることらしい。
因みに、脅かす側先攻はB組だ。
「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!」
「止めてください汚い。」
失禁しちゃうほど怖いのかな…。
皆で順にクジを引いた結果、いっくんとペアになった。
『わー!いっくんとだ。
よろしくねー。』
「よろしくね。霊和ちゃんとペアになれて嬉しいよ。」
「おいこらデク!代わりやがれ!」
「やだよ!これだけは絶対譲れないからね!」
かっちゃんは轟くんとペアになったみたいだ。
かっちゃんは轟くんの事ライバル視というか目標の障害扱いしてるからなぁ…。
『かっちゃん、私が代わるよ?』
「「なっ!?」」
「それじゃ意味ねーだろうが!」
「ダ、ダメ!それは止めた方がいいんじゃないかな!?
それにほら、くじ引きの意味が無くなっちゃうからペア交代自体禁止だよ!」
『そっか。それもそうだね。』
怖がっているウィスパーと楽しそうだね~と雑談していた後ろでは、ホッとするいっくんに睨むかっちゃんがいたとかいないとか……。
開始12分後、それぞれのペアが出発し5組目であるお茶子ちゃんと梅雨ちゃんのペアが出発して間もなくのことだった。
森の奥側から黒煙が登り始め、次第に焦げ臭いにおいが鼻につくようになってきた。
「何このこげ臭いの…。」
「何か燃えているのか?まさか山火事!?」
火事になるような個性はかっちゃんと轟くん、コピーして使っていれば物間くんくらいのはず。だからって下手して木に燃え移るようなヘマをするような人ではない。
ガッと何かを殴る音が聞こえ、振り返るとそこには頭から血を流したピクシーボブと……
「な、何で…!万全を期したハズじゃあ…!!
何で…何で"敵"がいるんだよォ!!!」
サングラスに長髪の30代くらいのおじさんと、トカゲのような見た目の年齢不詳の男らしき人物。
ピクシーボブを助けに行こうとしたいっくんが駆けるがマンダレイと虎に止められる。
「ご機嫌よろしゅう雄英高校!我ら"敵"連合開闢(カイビャク)行動隊!!」
「"敵"連合…!?何でここに…!!」
最低限の人間しかここに合宿に来ていることを知らないはずなのにどうしてこんな所にいるのだろうか?
プッシーキャッツの人達が"敵"の相手をしていると、隣から慌てた声が聞こえた。
「何でこんな場所に"敵"が…!
いやそんなことより洸汰が…洸汰を連れ戻しに行かなくては!
でも、俺じゃ……っ。」
『(洸汰くん?)』
二人目のライフジャケットのヒーローが焦っていた。
周りを見ても洸汰くんがいない。
夜だから宿舎にいるかもしれないが、この状況じゃ一人でいるのは危ない。
"敵"に気付かれないようにそっと近寄り小声で話しかける。
『洸汰くんは何処にいるんですか?私が探しに行きます。』
「っ!?……そうか君が…。
年端もいかない子供に頼むのは申し訳ないが俺の代わりに頼めるか?」
『はい。』
「ありがとう。
こっちだ。付いてきてくれ!」
ライフジャケットのヒーローはそのまま走り出してしまった。
ヒーローだから"敵"と戦うと思って引き受けたのにまさかこの場から去ってしまうとは思わなかった。
"敵"が見てない内に動こうとすると、いっくんがこちらに気付いた。
「霊和ちゃん一人で何処に行くの!?」
『洸汰くんとこ。ヒーローが案内してくれるって。』
「!」
いっくんは私の手を掴んで、ライフジャケットのヒーローに洸汰くんが何処にいるのか問う。
「君まで俺が…!?いやそんな事言ってる場合じゃないな。
洸汰の秘密基地だ。あそこは下からも見えやすいから洸汰が"敵"に見つかってしまうかもしれない!」
「わかりました!」
いっくんはマンダレイに何か言って個性を発動して何処かへ飛んで行ってしまった。
私も慌てて追い掛けるが速さが段違いであっという間に見えなくなってしまった。