76話
夢小説設定
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それから約8時間……。
「やーーーっと来たにゃん。」
ようやく宿泊施設に着きブロンズヘアで青い衣装のピクシーボブが迎えてくれた。
皆かなり疲労しているようで私も眠気が襲い欠伸が出る。
「ずっと気になってたんですが、その子はどなたかのお子さんですか?」
いっくんが少年を指差す。
角の生えた帽子を被った目付きの鋭い少年だが子供らしくなくずっと黙ったまま。
マンダレイが手を振り訂正する。
「ああ違う。この子は私の従甥だよ。
洸汰!ホラ挨拶しな!一週間一緒に過ごすんだから…。」
いっくんは洸汰くんに自己紹介をし、よろしくね。と手を差し出し握手しようとしたが、洸汰くんは握手はせずいっくんの股間を殴った。
「あらまー。」
「ひぃいぃい!なんていう悪童なの!!」
妖怪になり性器はないが、元人間の男だったフゥ2は顔を青くしていた。
「何してるの洸汰!?
洸汰がごめんなさいね。」
「緑谷くん大丈夫か!おのれ従甥!!何故緑谷くんの陰嚢を!!」
ライフジャケットの人と飯田くんがいっくんを心配しつつ洸汰くんを叱るが、当の本人は聞いていなく睨みつける。
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねぇよ。」
「つるむ!!?いくつだ君!!」
大人っぽい子だなーと見ていたが、洸太くんはスタスタとその場を去ってしまい、ライフジャケットの人も慌てて付いていった。
「マセガキ。」
かっちゃんが洸汰くんを嘲笑うが、轟くんがお前に似てないか。と言う。
「あ?似てねぇよ。つーかテメェ喋ってんじゃねぇぞ舐めプ野郎。」
「悪い。」
『謝らなくていいよ…。』
喋るなって言われて謝る轟くんにはかっちゃんの悪意が通じていなかった。
『でもかっちゃんは洸汰くんとは違うかなぁ…。
かっちゃんはオールマイトかっこいいって言ってたし目を輝かせてたよ。』
「「マジでか。」」
「テメェも黙れや。」
切島くんと上鳴くんが驚いて、上鳴くんに至っては笑っていた。
「茶番はいい。バスから荷物降ろせ。
部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。
本格的なスタートは明日からだ。」
相澤先生の指示通りに行動し、マンダレイとピクシーボブの手作りの夕食を食べた。
ーーーーーー
夕食を終えれば次は入浴の時間で、この合宿所には温泉があるらしい。
ピクシーボブの土で泥だらけになっていたので早く洗い流したかった私は誰よりも速く服を脱いで浴室へと向かった。
『うわぁー!露天風呂だ!
広いよ!景色が綺麗!』
早く皆もおいでよー。と更衣室にいる皆に向かって大声を出すと、誰もいないと思っていた湯船の奥から堪えるような笑い声が聞こえた。
そこには女性が1人いて入浴を楽しんでいた。
『(あの人ってライフジャケットの…。)
えヘヘ…ごめんなさい。静かにします。』
「貴女ってもしかして…「霊和速いよー!一番風呂は私が入りたかったのに!」
何か言おうとしていた女性の声を遮り三奈ちゃんが入ってきた。その後に皆続々と入ってきて私は女性にもう一度頭を下げて皆に混ざった。
湯船に浸かって疲れを癒していると、なんとなしに目に入ったモノに興味を持った。
『透ちゃんの身体がくっきり見える…。』
「うん?まぁお湯だからね。」
『透ちゃんて見えないのにお湯に浸かってると身体の中まで見えるね。』
腸や心臓などの内臓が見えるわけではないが、ぽっかりと不自然に空いたお湯が透ちゃんがそこにいると実感させられる。
「なんか見られてないのに見られてるみたいで恥ずかしい!」
じっくりと見すぎたのがいけなかったみたいで、バシャバシャとお湯を跳ねさせてくる。
「そういえば、霊和のいつものお供はここにいんの…?」
『ウィスパー達のこと?
皆男湯に行ってると思うけど、ジバニャンはちゃんと入ってくれてるかなぁ?』
猫の特性からか水が苦手なジバニャン。今日は汚れてしまったからちゃんとお風呂に入ってほしいがフゥ2がちゃんとお世話してあげてるかなぁ…?
「壁とは超える為にある!!"Plus Ultra"!!!」
「校訓を穢すんじゃないよ!」
『?』
男湯が気になりその方向を見つめていると、そこから峰田くんの声が聞こえた。
だが女湯と男湯の間には壁があるからそちらで何が起きてるかわからない。
「ヒーロー以前にヒトのあれこれから学び直せ。」
「くそガキィイイィイ!!?」
服を着ている洸汰くんが壁の上に立っていたのは見えたが、すぐに頭が引っ込み…否、壁の向こう側へと落ちていくのが見えた。
『洸汰くん!?』
「洸汰!?」
「大丈夫!どこもケガしてないよ!」
いっくんの返事で安心したが、ライフジャケットを着ていた女性がお風呂から出ていくのが見えた。
R01.12.01