76話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
林間合宿当日。
朝早くに雄英高校からクラスごとにバスに乗った。
相澤先生の説明を受け、休憩所まで私達は気ままにバス旅を楽しんでいた。
私は一番後ろの席に右から空席、私、ジバニャン、ウィスパー、フゥ2と並んで座っている。
『ジバニャンチョコボー食べる?』
「貰うニャン。」
ジバニャンにチョコボーを渡していると、斜め前に座っている峰田くんが座席の上から此方に顔を出す。
「妖見1人で寂しいだろ!オイラとトランプしようぜ!」
トランプを掲げて薦めてくる。前の方に座っている…ではなく立っている飯田くんに座るように注意された。
「下心はあるだろうけど…まぁいいんじゃない。」
着いたら起こして。とフゥ2は寝てしまった。
了承すると、俺も!と前の席の瀬呂くんと尾白くん、峰田くんの隣の砂藤くんも加わりババ抜きをした。
揺られること1時間、バスは山の中の開けた所で停車した。
前から順に降りていき、私もフゥ2を起こして最後にバスから出る。
その時、バスの入り口で立っていた相澤先生が引き止めた。
「妖見、最低30な。」
『??
何がですか?』
相澤先生は返事をすることなく皆の方へ行ってしまった。
「可笑しな方ですねぇ。
30ってなんのことでしょう?」
「さあ。でもなんか嫌な予感がする…。」
フゥ2が辺りを見回す。だがあるのはひたすら山でトイレも何もない。
「ここってパーキングじゃないよね…?」
何も無いところで停車した理由がわからなく、皆も不審気に見渡している。いつの間にか一緒に出発したはずのB組もいなかった。
「何の目的もなくでは意味が薄いからな。」
相澤先生のポツリと呟いた言葉が理解出来ずに首を傾げていると、一台の黒の乗用車が停まった。
中から人が出てきて相澤先生に挨拶するとその人達は不思議なポーズをする。
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」」
フリフリのスカートの衣装に機械で出来た猫のような耳と尻尾を付けた2人の女性と、ライフジャケットにヘルメットを被った女性が決めポーズを取る。側等には小さい男の子が立っていた。
「今回お世話になるプロヒーローの"プッシーキャッツ"の皆さんだ。」
いっくんはプッシーキャッツを見た途端に、プッシーキャッツの詳しい情報を喋り出した。
山岳救助等を得意とするヒーロー歴12年のベテランチームらしいが、年齢がバレそうになっていっくんを叱りつけていた。
「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山のふもとね。」
「「遠っ!!」」
ショートボブの赤い衣装のマンダレイが示す方向に宿泊施設があると言うが、それらしきものは全く見えない。
なんでこんなに中途半端な所での紹介なのか。
皆は何か嫌なものを感じ取ったのか、バスに戻ろうという声が続々と上がる。
「今はAM9:30。
早ければぁ…12時前後かしらん。」
「バスに戻れ!!早く!!」
「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね。」
すると突然地面の土が盛り上がり、まるで地面そのものが生き物のように動き始め、生徒全員が崖の下へと落とされた。
「私有地につき個性の使用は自由だよ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!
"魔獣の森"を抜けて!!」
私達の背後は日の光が地面まで届かない程木の密集している森がある。
「"魔獣の森"…!?」
「なんだそのドラクエめいた名称は…。」
「雄英こういうの多すぎだろ…。」
「文句言ってもしゃあねぇよ、行くっきゃねぇ。」
頭と制服に付いた土を払い、もう土が付いてないかウィスパーに確かめて貰っていると後方から悲鳴が聞こえた。
振り向くと木の陰から峰田くんの10倍か、それ以上の大きさの何かが姿を現した。
岩や土で作られた獣で、口田くんの動物を従える個性では反応しなかった。
轟くんや数人で土で出来た魔獣を粉々にしたが、次から次へと魔獣が現れる。
私も皆に劣ってられないと、メダルを妖怪ウォッチCに入れる。
『私の友達、力を貸してオロチ!妖怪メダル セット・オン!』
オロチとほぼ同じような衣装で、袖無しの上衣に詰裾の袴、着流しを腰に引っ掛け、手甲に脚絆に足袋と草鞋、そして首には生きている双頭の龍のマフラーをしていた。
オロチは主に体術派。だから殴る蹴る技なのだが通常時よりも力が強くなっている。しかも浮けるので足技や空中戦もしやすい。
透ちゃんが囮をし、三奈ちゃんが酸で足を溶かし、私が逆回転蹴りで魔獣を粉砕し、そして後ろから来る魔獣には龍が攻撃した。
さらには伸縮自在の龍は拘束にも適し、締め付けて粉々にすることも出来た。