75話
夢小説設定
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メリッサさんとフゥ2達が行ったのを見送り雷オトンと合体すると、敵の壁が消えて頭上から何本もの柱が迫ってくる。
雷雲を放って雷を落とすと金属は電気を通す。しかしキョリが長いからなのか"敵"の下までは通らなく放電してしまう。
「霊和ちゃん左でうぃすっぐ!!?」
『ウィスパーっ!』
怒涛の攻めに、"敵"に一撃を喰らわせられない。それどころか危険を知らせてくれたウィスパーが金属に押し潰されてしまった。
ウィスパーに意識を向けて隙ができてしまい、足をかすり態勢を崩され鳩尾を強打した。
息が出来なく身体を丸めて硬直させる私に"敵"は頭を狙って蹴り、後ろにいたデヴィットさんを担ぎ上げた。
『ま…、て。』
視点が定まらないしお父さんを犠牲にしたデヴィットさんを許せるわけではないが、それでも"敵"に連れてかれる訳にはいかない。
思い通りにならない手を伸ばし"敵"の足を掴む。
「面倒臭ぇなぁ。」
次には腕に激痛が走る。
腕を撃たれたのだ。
『うぁ゙ああ゙ぁっ』
余りの痛みに手を離してしまう。
そのまま"敵"はデヴィットさんを担いで手下と去ってしまった。
悔しさや痛みに耐えていると、脱出してきたウィスパーは真っ青な顔をして飛んできた。
「そんな!そんな!私が不甲斐ないばかりにー!
霊和ちゃん、出久くん意識はありますか!?」
『う、ん…。
ウィスパー、妖怪ウォッチ出して。』
「良かった!かしこまりました!」
メダルを外し地面に落ちたバッグから聖オカンのメダルを取り出す。
『わ、たしの友達…出てきて聖オカン…!妖怪メダルっ、セットオン。』
体育祭の時に迷子になっていたりゅーくんと一緒に見に来ていた聖オカンだ。
「どうしたのアンタ!
まあまあ大変な事になってるわね…。」
私に妖術を掛けようとしていた聖オカンを止めていっくんを先に回復するように指示する。
聖オカンは迷ったが渋々ながらもいっくんの方に飛んで行き、私は鈍い動きで起き上がって、首からスカートまでを覆っている薄い布を応急用の包帯にした。
血の流れる腕に縛ると、ある程度回復したいっくんが私に近寄ってくる。
「霊和ちゃんごめん…。護れなかった…。
僕が弱かったからだ…!
本当にごめん…。」
いっくんは自分が撃たれたのかというくらい顔を歪めて謝る。
『もう、何言ってるの。いっくんが謝る事じゃないよ。
私が弱かったから。だから怪我してデヴィットさんも連れてかれた…。』
痛みなんて我慢すればよかった。どんなことをしても"敵"を引き止められれば…いやデヴィットさんをいっくんに任せて逃げて貰えば…。
後悔の念が頭を駆け巡る。
「僕がデヴィットさんを助けに行く。霊和ちゃんはここで休んでいて。」
『1人じゃ危ないよ!
私もすぐに回復して、』
立ち上がるが血が足りないからなのか立ちくらみが襲う。いっくんに肩を支えられ倒れることはなかった。
そして私を支えたまま、背後にいる聖オカンを見る。
「僕を助けてくれたのはアナタですね?
霊和ちゃんを頼みます。」
それとウィスパーも頼むよ。と言って、私を座らせ"敵"を追って走って行ってしまった。
私も追おうとしたがウィスパーに止められる。
「動いたらいけませんよ!」
「そうよ。こんなに血を流して…。
今回復してあげますね。」
聖オカンは妖術を使って傷を治してくれる。
「全く無茶しますね!フゥ2が帰ってきたら説教コースまっしぐらですよ!?」
『それは嫌だな~…。
フゥ2に内緒じゃダメ?』
「か、可愛い顔しておねだりしてもダメなものはダメでうぃすよ!!」
ウィスパーがプンスカ怒るのを聖オカンは聖母のような顔で見ながら回復を続ける。
その後合体に使った妖力の回復もしてくれて帰って行った。
そしてすぐにメリッサさん達が帰ってきた。
「霊和ちゃん!」
『メリッサさん…。
ごめんなさい。デヴィットさんは"敵"に連れていかれた…。』
「デクくんが追ってくれてるのを防犯カメラで見たわ。
オールマイトおじさまに電話したからもう大丈夫よ!」
オールマイトが向かってくれたなら安心だ。
「霊和ちゃんはここで安静にしていて!
私はお父さんの所に行くわ。」
走って行ってしまいそうなメリッサさんの腕を掴んで制止させる。
『メリッサさんだけ行かせるわけにはいかないよ。』
「でもその腕じゃ、」
真っ赤になった布を見て顔を歪める。
『これならもう治ってるよ。』
布を取って、ゴミを出すのは申し訳ないけど投げ捨てる。
『デヴィットさんを助けに行こう。』
「……そうね。私もお父さんを助けなくちゃ!」
気合いをいれて"敵"といっくんが行った場所へ進んだ。