皆で閉園時間一杯遊び、パーティーへの準備をするために一度解散した。

私達も宿泊する部屋に行き、中を見たがお母さんはいなく、携帯を見たら先にパーティーへ行くとメールが来ていた。

仕方なく一人で準備しようとパーティー用のドレスをキャリーケースから出す。

「わぁ！綺麗！
これを着るの？」

『うん。大人っぽすぎる気もするけどこれがいいかなって。』

今日の為にお母さんが買ってくれたドレスを広げる。
青い生地のベアトップワンピースになっていて、、ハイウエストに甘すぎないリボンの帯、首から透けている薄手の布がワンピース全体を覆っていてオーガンジースカートのような淑やかな印象になっていた。

フゥ２達に一度部屋を出て行ってもらってドレスに着替える。
背中のチャックに悪戦苦闘しつつ、付属の肘までの手袋を付ける。靴もストラップのあるパンプス(+８cm)を履き、外に出ていたフゥ２達を中に入れる。

「素敵です！！お似合いですよ！」

「可愛いニャン！可愛いニャン！」

「可愛いもあるけど綺麗だよ！
いつも思うけど女の子って凄い！服で全然違うイメージになるよね。」

皆の態度からして変ではないようで安心した。
感嘆していたフゥ２が気付いたように質問してくる。

「髪は弄らないの？」

『やっぱ縛った方がいいかなぁ…？でもどうすればいいかわからないよ…。』

髪は長い方が可愛いから伸ばしているがいつも頭の下の方で一つに縛ってるだけで、自分では他の縛り方をしたことがない。

「俺も女の子の髪型は良くわかんないな～…。…そうだ、"アノ"花子さん喚べばやってくれるよ。」

『そっか！
メダル出さないと～。』

着替えた時にキャリーケースの下の方に埋めていた妖怪図鑑を取り出し、数枚ある花子さんのメダルから特徴のあるメダルを取る。

『私の友達、出てきて花子さん！妖怪メダル セット・オン！』

光が出て現れたのは、おかっぱ頭に赤色のミニスカートと都市伝説で出てくるトイレの花子さんそのものだ。
しかしこの花子さんは普通の花子さんではなく、トイレの花子さんとしてプロフェッショナルというべきベテラントイレの花子さんである。過去には全国の女子トイレへ行き、各地でトイレの花子さん伝説を作り上げた。
今は後輩の花子さん達にトイレの花子さんをやらせ、自分は妖魔界のファッションリーダーとして活躍している。

花子さんは私の格好を見て褒めてくれた。

『この服装に似合う髪型を作って貰いたいの。できるかな？』

「私に任せなさい！立派にしてみせるわよ！」

二つ返事で髪を結ってくれた。
サイドをみつあみにして、下の方で大きな団子にして大きなバレッタで髪を固定した。
さらに耳にはマグネット式のピアスを付けて、手首にはパールのブレスレットを付けよう…としたところで眉を潜める。

「妖怪ウォッチ付けて行く気かしら？」

『うん。』

お風呂や寝る時は外すがそれ以外はいつも付けっぱなしだ。
いつ何があるかわからないし放置できるような物ではない。

「…ダメ！ダメよ可愛くないわ！
繊細なドレスにこんなゴツい時計似合わないでしょ！」

『えぇ～そうは言ってもなぁ…。』

フゥ２を見ると、めんどくさ…と顔に書いてある。

「仕方ないわね…。
パーティーではなるべく持ち物は無い方がいいのだけど、今回はバッグも用意してあげるわ！」

花子さんは立体的な小さめのバッグを出して妖怪ウォッチとメダルを入れるように指示する。メダル…は何でもいいやと図鑑からテキトーに取って入れる。
そしてなんとかバッチリ決まり、しかもチークと口紅程度だが化粧もしてもらって部屋を出た。





R01.10.04