69話
夢小説設定
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平日の始めの月曜日、私達はいつも通りにかっちゃん家からランニングしながら学校へ向かう。
『──…昨日ショッピングモールにいたの!?』
朝のニュースで、昨日雄英高校近くのショッピングモールで"敵"が出たとやっていた。
幸い被害は0だと言っていたが、それはいっくんが"敵"と対向して被害を出させなかったかららしい。しかもその"敵"はUSJで現れた"敵"で、手のマネキンを顔に付けていた死柄木弔という男だった。
「骨折してでも殺しとけよ。」
「人質もいたから厳しかったんだよ。でもそうすればよかった…。」
目の前にいたのに逃がすなんて…。と悔しがるいっくん。
「私は出久くんの無事がなによりですよ。」
『うん。怪我しなくてよかった。』
学校に着いて朝のショートホームルームになると、相澤先生から昨日のショッピングモールの事が伝えられた。
「──…とまあそんなことがあって、"敵"の動きを警戒し例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行先は当日まで明かさない運びとなった。」
「「えーー!?」」
相澤先生は、行先やらその他諸々の情報を詳しく書いてある紙を破く。
毎年使っている場所だから先輩達も知ってるし生徒の親にも話してあるだろうから、どこから情報が漏れるかわからないからっていうことなんだろう。
こうして、あまりにも濃密だった前期は幕を閉じた。
───────
──
───……
夏休みに入り、私は宿題を早々に終わらせてしまい、今はジバニャンとのんびり遊んでいた。
ジバニャンは元猫なだけあって仕草も猫らしく可愛い。
オモチャの猫じゃらしを揺らすと飛び掛かってきて捕まえようとする。
「あーた達、そろそろ寝なさいよ。」
『もうちょっとー。』
「ニャ~。」
「俺もこの神殿のボス倒したら寝るよー。」
夏休みだから寝る時間が遅れるのは仕方ない。そう言い訳しながらジバニャンと遊ぶ。
布団を使わないウィスパーは呆れながら身体を透過させて身体が半分床に埋まった状態で寝てしまった。
暫くしてそろそろ寝ようとなると、部屋の扉がノックされた。
こんな時間に誰だろうと思いながら返事をして開けさせると、お父さんが入ってきた。
「寝る前にすまないね。」
『ううん。でもウィスパー踏むの止めてほしいな。』
入ってきたと思ったら真っ直ぐウィスパーの上まで来てそこで立ち止まるんだもん。態とにしか思えない。
慌てて避けてくれたがウィスパーは変なイビキを掻いたまま起きなかった。
お父さんは内ポケットから封筒を取り出して私に見せてきた。
ジバニャンとフゥ2も気になって覗き込む。
紙を取り出すと二枚の紙があり、一枚には誰かの手紙が、もう一枚には明朝体で"Iエキスポ披露宴招待状"と書いてあった。
「一万人以上の科学者が住む学術人口移動都市の島、I・アイランドで作られた科学品の展示会"I・エキスポ"が開催されるんだ。その一般公開前のプレオープンのパーティーに私も招待されてね。私の恩人というべき人が家族皆さんで来てくださいってチケットをくれたんだよ。」
『恩人って昔教えてもらった人??』
「そうだよ。」
小さい頃、お父さんは自慢話のように自分の生い立ちなどの昔話を語ってくれたことがある。
お父さんが子供の頃はまだ霊視を個性として世間が認めてくれなく、無個性として過ごすしかなかったのだ。
無個性のまま過ごす学生生活は苦痛だった。個性がないゆえに何度もハブられた。狂人、キチガイなど直接罵声も浴びせられた。
それでも夢だった警察の道を諦めることなく進んだが、霊視の個性は認められずどんなに幽霊が訴えたところで証拠にならないと一刀両断された。
どうすればいいのかと考えていると、ニュースで個性の研究をしている者がいると見出しが出ていた。
お父さんはその人物の所まで飛んで行って一年後に霊視を立証させ、裁判でも重要な証拠となるようにしたのだ。
『その人がI・アイランドの科学者なんだ。』
「オカルトや非科学的なんて言われていたのに、今じゃ科学的に証明されているなんて凄い快挙だよ。恩人に感謝しないとだ。」
「今でも幽霊を否定するヤツはいっぱいいるけどニャンね。」
昔の慣習はそうそう直らない。それは鬱病の人は心が弱いと言われるように。
だから科学的に証明されても幽霊を否定する人は今も沢山いる。
「家族でってことだから、霊和も旅行の準備してね!学校のヒーローコスチュームも申請すればI・アイランドで着られるよ。」
I・アイランドは個性の使用も自由で、"敵"の発生も移動都市なことやセキュリティが頑丈なだけあって今まで一度もない。
他所から渡航する人は観光だけではなく個性の使用が目的の人も多いのだとか。
お父さんが出ていった後も、私達は暫く興奮が止まずI・アイランドについて語り合った。