67話
夢小説設定
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霧で視界が悪い中歩き、私は方向音痴なお父さんを心配する。
『お父さんちゃんと橋の下にいるかなぁ…。森の中に入ってなければいいけど。』
「多分幽霊と一緒だニャン。ずっと話してたニャンよ。」
ジバニャンが言うには幽霊の女の子が道案内をしているらしい。お父さんは幽霊は見えるが会話は出来ないのでただ付いて行ってるだけみたいだ。
川の横を進んでいる中、フゥ2がお金ナイダーに質問する。
「ねぇお金ナイダー、オレ達が此処に調査しに来る前に三組調査しに来てるんだけど見掛けてないかな?恐らくスーツだったと思うんだけど。」
「知らないんだー。
オレは妖怪事務局っていう変な所に行かされて妖魔界を観光してから昨日此処に戻ってきたんだー。」
「殺されたのに呑気に観光してたんですか…。」
「落ちたお金探さないで遊んでたら、お金もどっかに飛んでっちゃうでしょ…。」
二週間は経って漸くお金を探すのは可笑しいよ。
『…あれ?でもお金がないのは可笑しいよ。
事件から数日経って遺体が発見されたにしても此処一帯は警察が捜査したはず。それも自殺じゃなくて事件だとまで割れているんだから川の下流まである程度捜査するんじゃないかな。
でもお父さんはお金が落ちてるとも流されていたとも言ってない。もし落ちてたとしたら自殺はあり得なく事件って断言出来るよね。
だけど防犯カメラの映像から事件の可能性が高いとしか言ってないよ。』
それもヤクザから借金する程の額なのだから数枚ではなくかなりの量があると思う。
「霊和ちゃんのお父さんが、此処に調査しに来た人は性格が変わったり可笑しくなったり行方不明になったりしたんだよね?
もし被害者のギャツビー…お金ナイダーに近付いたところでお金が無くなっちゃうだけだよ。」
『この辺はあの女の子とお金ナイダー以外の幽霊や妖怪は見てないなぁ…。』
だとすると、どうしてお父さんの部下さん達は可笑しくなってしまった……?
悶々と考えてみるがあの女の子がやったとか、隠れている妖怪がやったくらいしか思い付かない。
川端にある大きな石を跨いでいると、林の方からガサガサと草を掻き分ける音が聞こえた。
「な、なんですか!?」
「猪かシカかな?
……まさかクマ…?」
ウィスパーとジバニャンが後退る。
こんな山の中だから何が遭遇するか知れたものではない。もしクマだとしたら危険だ。
私もゆっくりと後退り、何が出てくるのかと固唾をのんだ。
R01.08.12