58話
夢小説設定
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次の日には退院して妖怪ヒーロー協会の方に戻った。
サキちゃん達に物凄く心配され、医療関係に強い妖怪を紹介されてあっという間に身体を治して貰った。
そして職場体験の一週間は終わり次の日も休みなどあるはずもなく登校するのだった。
「…。」
「…チッ。」
『……。』
「………。」
「えーと……。」
「プッ。
アッハッハ!何ですかその髪型!」
いつも通りかっちゃん家の前で集合したのだが、私もいっくんもかっちゃんを見て言葉を無くしていた。
ウィスパーだけが指を指して笑っている。
「い、行こっか。」
『かっちゃんいつもと髪型違うね。イメチェン?』
「何で言っちゃうのかな!?」
かっちゃんの髪型が七三分け…よりも片方が少ない八二分けのストレートになっていた。剛毛だからワックスを付けなければこんな髪型にならないはず。
そう思いながら前髪を触ってみるとじゃっかんベタベタしていたので当たっていることが分かる。
「触んな!直んねーんだよ!」
かっちゃんの職場体験は規律を正すだけでヒーローらしい活動は何も出来なかったらしい。
余程鬱憤が溜まっているのか走っている時も学校に着いてからもイライラしていた。
「「アッハッハッハマジか!!マジか爆豪!!」」
瀬呂くんと切島くんに指を指されて笑われ、更には私の机の上でフゥ2とジバニャンまで爆笑していた。
「八二!ストレートな勝己とかレアすぎっ!!
写真撮っとこー!」
「ニャハハハハハハゲホッゲホッ!」
「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ。
おい笑うなブッ殺すぞ。」
「やってみろよ、8:2坊や!!アッハハハハハハ」
「…やっぱ凄いね切島くん達…。」
『中学の時だとフゥ2とジバニャン以外にいじられることなかったからね~。』
「…賑やかだな。」
私はヒーロー殺しの時のメンバーで集まっていた。
飯田くんの手に後遺症が残ると聞いて直ぐに治せば良かったと悔やむが、飯田くん自身は治す気はないみたいで後遺症を治す為の手術も今はしないつもりだ。
「ん?この前は時計を2つ付けていたが今は1つになっているな。もう1つはどうしたんだい?」
飯田くんが私の左腕を見る。
飯田くんの言う通り、今は妖怪ウォッチCしかつけていない。
『これからは新しい妖怪ウォッチで頑張っていこうかなって思ったの。
だから前のはウィスパーの中にしまったんだ。』
「妖怪の中に??」
文字通り"ウィスパーの中"なのだが、ウィスパーの体内に妖怪ウォッチがあるなんて言われて不思議にならない方がおかしい。
元の場所に戻したと言い直した。
「──…ま、一番変化というか大変だったのは…お前ら四人だな!」
「そうそう、ヒーロー殺し!!」
上鳴くんと瀬呂くんが此方に声を掛けてきた。
「命あって何よりだぜマジでさ。」
「エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「…そうだな。救けられた。」
事のあらましを他者に言う訳にいかないので私達は頷く。
「俺ニュースとか見たけどさ、ヒーロー殺し"敵"連合ともつながってたんだろ?
もし、あんな恐ろしい奴がUSJ来てたらと思うとゾッとするよ。」
「でもさあ、確かに怖えけどさ。
尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、かっこよくね?とか思っちゃわね?」
かっこいい…か。
ヒーロー殺しの動画は私も見た。
対戦した時と同じような事を言っていた。
いっくんが上鳴くんを咎めるが、飯田くんはヒーロー殺しを認めた上で、それでもやり方を間違えてはいけないと胸に刻んでいた。
「サァそろそろ始業だ。席に着きたまえ!!」
飯田くんの大きな声で皆は席に座った。
──────
職場体験終わってすぐの授業はオールマイトのヒーロー基礎学だった。
「ハイ私が来たってな感じでやっていくわけだけどもね、ハイ。ヒーロー基礎学ね!久し振りだ少年少女!元気か!?」
「ヌルっと入ったな。」
「久々なのにな。」
「パターンが尽きたのかしら。」
毎度かっこよく決めて授業を始めていたオールマイトだったが、他の先生みたいに普通に始めようとすると皆に言われたい放題だった。
「職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!!」
運動場γに移動する。ここは複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯になっていた。
7人3組に分かれて1組ずつ訓練を行い、オールマイトがどこかで救難信号を出したら街外から一斉スタートする。そして誰が一番にオールマイトを助けるのかの競争をするのだ。
最初はいっくん、飯田くん、梅雨ちゃん、三奈ちゃん、尾白くん、瀬呂くん、砂藤くんだ。
「じゃあ初めの組は位置について!
START!!」
「ちょ──っと今回俺にうってつけ過ぎ…る…?」
個性のセロファンでパイプからパイプへ移動する瀬呂くんの後ろからいっくんが個性を使って迫る。
ヒーロー殺しの時からわかっていたが、個性を完全に物にしていた。
だが、いいところまで行って足を滑らせ最下位になってしまった。