57話
夢小説設定
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署長さんは咳払いをして、さっきの質問だがどちらがいい。そう言われ、私達は顔を見合せて頭を下げた。
「…よろしく、お願いします。」
「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声はなくなってしまうが…。せめて共に平和を守る人間として、ありがとう!」
署長さんも謝罪と感謝の念を籠めて深く頭を下げた。
これでいい。自分達が処罰されないようにするという自分勝手な考えになってしまうが、歴代のヒーロー達が作った決まりを壊してはいけないのだ。
署長さんがフユニャンと話す事があるというので、私達は署長さん達の後をついて病室を出ようとした時だった。
。
扉が激しく開けられ小柄な人が入ってきた。後ろにはその人物を押さえようとしている警官が見える。
「出久くんここに霊和はいる!?病室に行ったのにいないんだよ!」
『あれ?どうしてここにいるのお父さん。お仕事は?』
身長170センチも行かないスーツを着たのは私のお父さんだった。
私の病室に行ったのだが空っぽのベッドを見たお父さんは、知り合いのいっくんに尋ねにきたのだろう。
「妖見さんのお父様…!?」
「…そっくりだな。」
「次から次へと…。嬢ちゃんの周りは忙しねぇなぁ…。」
私を見付けたお父さんは勢いよく私に抱き着いてくる。
「ヒーロー殺しと接触したなんて聞いて父さん心配したよ~!」
『い、痛いよ…っ!背中がっ。』
怪我しているんだから身体を圧迫するのはやめて!
痛みに顔を歪める私に、いっくんとウィスパーがお父さんを引き離してくれた。
それでも何処を怪我したかあちこち調べようとするお父さんから離れる。
「娘を持つ父親とはこういうものなのか…。」
「そうじゃねぇとは思うが…俺ん家は普通じゃねぇからわからねぇ…。」
呆然と立ち尽くす轟くんと飯田くんにお父さんを紹介する。
「取り乱してしまってすまないね。
霊和が起きたという知らせを聞いて病室まで呼び出しに行ったんだ。
だけどいないからまた何処かに行ったんじゃないかって慌ててしまったんだよ。」
起きて医者と話したらすぐに此方に来ちゃったからね。
「霊和ちゃんのお父さんは警視庁の人なんだよ。」
「警視庁!?」
「しがない課なんだけどね。」
頭を掻きながら謙譲するが警視庁ってだけでも凄いことだ。
個性があることで出来た警視庁にある沢山の特捜課(特別捜査課)の中の一つの"心霊捜査課"の課長さんで日々勤しんでいる。
『お父さんお仕事は?』
「霊和達が捕まえてくれたお陰で時間が空いたんだよ。」
『??』
「もしかしてヒーロー殺しの件の調査をしていたんですか?」
「よくわかったね。」
飯田くんの質問にお父さんは頷く。
「クラスメイトの君達なら霊和の個性を知っているでしょ?私はその個性の下位互換というやつだ。」
お父さんの個性は私と同じ"霊視"。だが見えるのは幽霊のみで会話も出来ない。怨みの強い幽霊の言葉を一方的に聞かされるだけで、お父さんの声が相手に届いているかは定かではない。
(ちなみに、他にも霊視の個性を持つ人はいるが妖怪が見えるのは私だけだ。)
その個性を生かし、亡くなった人の声を聞いて加害者を捜すのが心霊捜査課なのだ。
驚いている轟くん達を横目に署長さんがお父さんに話し掛ける。
「妖見さん、もう話は終わりましたワンよ。」
「えぇ!?そ、それじゃあどちらに…。」
「私達が望む方になりました。」
さっきまでの話をお父さんも知っていたのか安堵していた。
「そっか…。
プロヒーロー達には申し訳ないが霊和の将来が潰されないなら私は何も言いません。」
そう言いながら私の頭を撫でる。
お父さんは私を叱らないの?
『お父さん……。』
「霊和は昔からお転婆さんだからね。いつかやらかすだろうなって思ってたよ。」
苦笑して、でも、と続ける。
「お父さんとお母さんの前からいなくならなければ良いって、お母さんと決めたから。
ナイトが3人…5人もいるから大丈夫だって信じているしね。」
ウィスパー達はわかるがあと2人は?と不思議に思っていると、お父さんがいっくんに向けてウインクしてた。
どうしたんだろ?
H31.04.23
「…よろしく、お願いします。」
「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声はなくなってしまうが…。せめて共に平和を守る人間として、ありがとう!」
署長さんも謝罪と感謝の念を籠めて深く頭を下げた。
これでいい。自分達が処罰されないようにするという自分勝手な考えになってしまうが、歴代のヒーロー達が作った決まりを壊してはいけないのだ。
署長さんがフユニャンと話す事があるというので、私達は署長さん達の後をついて病室を出ようとした時だった。
。
扉が激しく開けられ小柄な人が入ってきた。後ろにはその人物を押さえようとしている警官が見える。
「出久くんここに霊和はいる!?病室に行ったのにいないんだよ!」
『あれ?どうしてここにいるのお父さん。お仕事は?』
身長170センチも行かないスーツを着たのは私のお父さんだった。
私の病室に行ったのだが空っぽのベッドを見たお父さんは、知り合いのいっくんに尋ねにきたのだろう。
「妖見さんのお父様…!?」
「…そっくりだな。」
「次から次へと…。嬢ちゃんの周りは忙しねぇなぁ…。」
私を見付けたお父さんは勢いよく私に抱き着いてくる。
「ヒーロー殺しと接触したなんて聞いて父さん心配したよ~!」
『い、痛いよ…っ!背中がっ。』
怪我しているんだから身体を圧迫するのはやめて!
痛みに顔を歪める私に、いっくんとウィスパーがお父さんを引き離してくれた。
それでも何処を怪我したかあちこち調べようとするお父さんから離れる。
「娘を持つ父親とはこういうものなのか…。」
「そうじゃねぇとは思うが…俺ん家は普通じゃねぇからわからねぇ…。」
呆然と立ち尽くす轟くんと飯田くんにお父さんを紹介する。
「取り乱してしまってすまないね。
霊和が起きたという知らせを聞いて病室まで呼び出しに行ったんだ。
だけどいないからまた何処かに行ったんじゃないかって慌ててしまったんだよ。」
起きて医者と話したらすぐに此方に来ちゃったからね。
「霊和ちゃんのお父さんは警視庁の人なんだよ。」
「警視庁!?」
「しがない課なんだけどね。」
頭を掻きながら謙譲するが警視庁ってだけでも凄いことだ。
個性があることで出来た警視庁にある沢山の特捜課(特別捜査課)の中の一つの"心霊捜査課"の課長さんで日々勤しんでいる。
『お父さんお仕事は?』
「霊和達が捕まえてくれたお陰で時間が空いたんだよ。」
『??』
「もしかしてヒーロー殺しの件の調査をしていたんですか?」
「よくわかったね。」
飯田くんの質問にお父さんは頷く。
「クラスメイトの君達なら霊和の個性を知っているでしょ?私はその個性の下位互換というやつだ。」
お父さんの個性は私と同じ"霊視"。だが見えるのは幽霊のみで会話も出来ない。怨みの強い幽霊の言葉を一方的に聞かされるだけで、お父さんの声が相手に届いているかは定かではない。
(ちなみに、他にも霊視の個性を持つ人はいるが妖怪が見えるのは私だけだ。)
その個性を生かし、亡くなった人の声を聞いて加害者を捜すのが心霊捜査課なのだ。
驚いている轟くん達を横目に署長さんがお父さんに話し掛ける。
「妖見さん、もう話は終わりましたワンよ。」
「えぇ!?そ、それじゃあどちらに…。」
「私達が望む方になりました。」
さっきまでの話をお父さんも知っていたのか安堵していた。
「そっか…。
プロヒーロー達には申し訳ないが霊和の将来が潰されないなら私は何も言いません。」
そう言いながら私の頭を撫でる。
お父さんは私を叱らないの?
『お父さん……。』
「霊和は昔からお転婆さんだからね。いつかやらかすだろうなって思ってたよ。」
苦笑して、でも、と続ける。
「お父さんとお母さんの前からいなくならなければ良いって、お母さんと決めたから。
ナイトが3人…5人もいるから大丈夫だって信じているしね。」
ウィスパー達はわかるがあと2人は?と不思議に思っていると、お父さんがいっくんに向けてウインクしてた。
どうしたんだろ?
H31.04.23