56話
夢小説設定
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うんがい鏡をくぐると、保須市の駅前に出た。
駅前は騒然として人が一方方向に走っている。
「何かあったんでしょうか。」
『皆逃げてる……。
"敵"がいるんだ。いっくんの方に行く前に片付けるよ!』
ウィスパーで空を飛んで人の波とは逆に進む。
曇天の空が唸りをあげているかのような色をしていた。
「あそこに暴れてる奴がいるニャン!」
「あれって脳無!?何でこんなところに…っ!」
USJに現れて相澤先生を痛みつけた"敵"だった。オールマイトが倒したと聞いていたが生きていたようだ。
『私の友達、出てきてデビビル!妖怪メダル、セット・オン!』
虹色の光が妖怪ウォッチから発せられ、悪魔のような格好をしたデビビルが出てきた。
脳無の姿にビビるデビビルに、取り憑くようなんとか説得してやってもらった。
私達はデビビルにその場を任せていっくんの下に向かう。
フゥ2の案内のもと、高いビルとビルの間を探すとそこにはいっくんを含め5つの人影があった。
轟くんと向かいあっている包帯だらけの人、倒れている飯田くんともう一人。
轟くんと向かいあっている人が"敵"だと察した。
その人は顔や腕に包帯を巻いて、刃こぼれした日本刀を持っている。
"敵"らしき人物は持っていたサバイバルナイフを投げる。
避けた轟くんの戦闘服を掴み顔を近付けたが、轟くんは左側から炎を放出してなんとか防いだ。
離れた隙に"敵"らしき人物と自分の間に大きな氷の壁を張る。
「己より素早い相手に対し自ら視界を遮る…愚策だ。」
「そりゃどうかな。」
轟くんの左腕にナイフが刺さった。
しかしそのまま標的を倒れていた人物に変えた。
『ムリカベ!あの人を守らないで!!』
ムリカベを召喚して、"敵"らしき人物と倒れている人物の間にムリカベを配置する。
「!!」
そこに何かあるとは他人にはわからない。
ムリカベに当たった"敵"らしき人物は跳ね返り体制を崩す。
「!!
避けて!!」
そこへいっくんが"敵"らしき人物の首巻きを掴み遠くへ投げる。
『大丈夫ですか!?』
「霊和ちゃん!」
「妖見…!」
私は倒れている人物に駆け寄りケガを見る。結構深手を負っており、動けないようだ。飯田くんも動けないみたいだがそれは"敵"の個性が他人の血液の摂取による拘束だといっくんが気付いた。
いっくんが一番最後に摂取されたにも関わらず一番最初に動けたこと、そして血液型による凝固の仕組みから血液型が関係していることがわかった。
「また邪魔がうじゃうじゃと…。しかも今度は女か。」
『貴方がヒーロー殺しだね。
結構なモノ抱えて……そうとう怨まれてるよ。』
この人の背中には無数の人と思われる黒い形のモノが憑いていた。
これ程の悪霊がたった1人に憑いているのは異様で初めて目にした。
「怨まれている?世迷い言を……。
俺はヒーローを気取っている愚者を粛清したまでだ。」
ヒーロー殺しの背にいる悪霊がその言葉に蠢く。
余りの不気味さに足が一歩下がる。
「妖見の助けはありがてぇ。二人を抱えて逃げろ。」
『轟くんは…?』
まさかヒーロー殺しと戦うつもりなのか。
「あいつから逃げられるほどあいつは弱くねぇ。誰かが足止めしなきゃだろ。」
「轟くんは血を流しすぎてる。僕が奴の気を引きつける!」
「1人じゃ無理だ。俺もやる。」
『いや、私が足止めする!』
負傷している二人より、私が戦った方がいい。
「誰も引かないってか……仕方ねぇ、3人で守るぞ。」
轟くんも引かないらしい。
3人でヒーロー殺しを倒す事にした。
「3対1か……甘くはないな。」
『ジバニャン早速実戦だよ!』
「いくニャンよー!!」
私はジバニャンのメダルを妖怪ウォッチCに差し込む。
変身した私にこの場にいた人間が驚くが、その隙を利用して飛び掛かる。
『!(ジャンプ力が上がってる!それに身体も軽く感じる!)』
ジバニャンが猫だからか幽霊だからかわからないが身体能力が上がっていた。
直進でヒーロー殺しに向かって行き、ストレートをお見舞いするが避けられる。
そこにいっくんの拳と轟くんの氷がヒーロー殺しを襲う。
ジバニャンの妖術である火花の術も使っていくが、私達の攻撃はことごとく完璧に塞がれてしまう。動きを変えたヒーロー殺しにいっくんの足が切られ、自由を奪われた。
「やめてくれ…もう、僕は…っ。」
「やめて欲しけりゃ立て!!!なりてぇもんちゃんと見ろ!!」
いっくんを通り越し、轟くんの前に迫る。
轟くんは氷と炎を出すが敵の速さは目に止まらなかった。
私は横から後回転蹴りでヒーロー殺しに攻撃を入れ、轟くんから離す。
蹴られたヒーロー殺しは倒れもせず着地して私を見る。
「お前がこの中で一番厄介なようだな。」
ニヤッと笑った。
ステインの力が増し先程よりもスピードが出る。
何度も来る攻撃に当たり、ビルの壁へと吹き飛ばされる。