54話
夢小説設定
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「妖術だと力の加減がわからなくて此処を壊しかねないでしょ?
まずは最低の力を覚えます。」
妖怪ウォッチCを使ってと指示されたので、コマさんのメダルを入れる。
相変わらずヒーローっぽくない格好になってフゥ2に向き直る。
「まずは適当な力量でぬいぐるみを生成してみて。」
なんでぬいぐるみなんだろうとは思いつつ、ウィスパーの形をしたぬいぐるみを思い浮かべる。
ぬいぐるみだから布と綿で、目と口はフェルトでいいや。
背にあった風呂敷に重みを感じられたので開いてみると、完璧に再現されたウィスパーのぬいぐるみが鎮座していた。
『上手くいった!』
「なんでウィスパー……。」
「私のぬいぐるみですか!なんとプリティーな仕上がりでしょう!!
ふわっふわのボディーは私そっくりじゃありませんかー!」
ウィスパーはウィスパーのぬいぐるみを気に入ったようで嬉しそうにはしゃぐ。
「まぁウィスパーでもなんでもいいや。
じゃ、次は今より小さな力で同じぬいぐるみを作って。」
『う、うん。』
力を抜いて、抜いて…抜いて……?
分からないので全身の力を抜いてみる。
妖気の感覚が上手く掴めないままぬいぐるみを思い浮かべる。
そして、風呂敷を開けたのだが、
「……。」
「ぼっろぼろニャン。」
「私のふわふわボディーがぁぁ!!
私の目はこんな位置にありませんよー!」
『うぅ…難しい…。』
ウィスパーのぬいぐるみは無惨にもぼろぼろになっていた。
白いはずの体は傷んで穴が開いているし、中の綿は潰れてしまったのか痩せほそっている。目の位置や口の形も歪んでいる。
「力弛めすぎ。一回目と二回目の間の力で作って。」
『はい…。』
この後も、ぬいぐるみの良し悪しで妖気をコントロールする修行は続いた。
──────
ウィスパーのぬいぐるみが山になるくらい作った時には、私の周りにキズナメコ、キズナース、フゥミン、KANTETSU、バク、ガマンモスがいた。
それというのも妖気が無くなってしまうと寝てしまうので、キズナメコやキズナース、バクで回復しつつバク、フゥミン、KANTETSU、ガマンモスで寝ないように取り憑いてもらったのだ。
ウィスパーのぬいぐるみを綺麗な順に1列に並べていくと、自分の力加減が驚く程良く分かった。
最初に作ったぬいぐるみは一番端に置かれ、2番目のぬいぐるみは1番目の極端に置かれている。
そして市販されるようなぬいぐるみと、少し傷んでいるぬいぐるみの境が私のベストな力加減だということを理解した。
この適当な力加減を身体で覚えるのには更に時間が掛かった。
市販されているような全て同じ品質にしなければならないのは難しい。
だが、最初の方は点でバラバラだったぬいぐるみが、段々作っていくうちに揃えられていった。
『──あ゙ぁ、もうダメェ~…一度休憩しよ…。』
取り憑いてもらっているのに目が霞み、少しでも気を抜くと意識が飛ぶ。
そんな私を奮い立たせるようにフゥ2がキズナメコに回復を頼む。
「まだ寝ちゃ困るよ!
感覚が残っているうちにぬいぐるみ以外も作ってみたり、妖術も試さなくちゃだし。」
『!
妖術使えるっ!』
少し眠気がなくなった気がする。
剽軽だなぁとフゥ2に呆られたが、妖術を使いたいので早くやろうと急かす。
「じゃあ回復無しで霊和ちゃんの好きな物をクオリティーが同じように50個生成ね。」
最初に生成した数が水、パン、チョコボー6本の計8個だったのでその5倍の数を生成しなくてはいけないミッションだ。
たった1日の修行で5倍はキツいだろう。
だが、1日中休みなくぬいぐるみの生成をしていた私には、今では楽に生成出来る数になっていたらしい。
キズナース達の回復が無くても、私の前には50個のパンが積み上げられていた。
H31.03.26