105話
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今日も今日とて朝はランニングから始まる。
かっちゃんと一緒にストレッチをしていると切島くんの元気な声が響いた。
「よっす爆豪、妖見!」
「おお。」
『おはよう切島くん。
今日はインターン?』
頷く切島くん相手にかっちゃんが睨みつける。インターンに行けない自分と先に進む切島くんとの差に苛立ちを感じてるんだと思う。
切島くんが行ってすぐにいっくんも寮から飛び出してくる。
「霊和ちゃんかっちゃん、行ってきまーす!」
『いってらっしゃい!
無茶しないようにね。』
いっくんは、うん!と大きく頷いて手を振りながら学校に向かう。
『あれ?いっくんの後ろに何かいる。』
寮の周りは自然溢れる林となっており、その木々の間から現れた紫色の巨体がいっくんの後ろに取り憑いた。
その巨体を指差しながらタオルを持っているウィスパーに何の妖怪か聞く。
「えっえーと、待って下さいね。今思い出していますから……おーっとあった!
あれは"鬼食い"!名前の通り鬼を食べてしまう恐ろしい妖怪です!」
いつもの通り、思い出すのではなく背中で妖怪パッドをスライドして妖怪の特徴を調べて教えてくれた。
『鬼を食べるの!?
いっくんに取り憑いてて大丈夫かなぁ…?』
「鬼とは言わば悪いモノの俗称です。きっと出久くんを守ってくれるでしょう。」
『へぇ、すごい妖怪が取り憑いてくれたんだね。』
ウィスパーの言葉に守護神みたいな妖怪なのだと理解して、今日のインターンも何事もなさそうだと安堵した。
そしてお茶子ちゃんと梅雨ちゃんも同じように挨拶をして出て行ったのを見届けた。
──────────
──
──────
次の日からのインターン組の活気は凄まじかった。
しかしまたいっくんの様子が可笑しい。
話を聞こうとしたがインターン関係でカンコウレイを敷かれたらしい。いっくんは只々「大丈夫」としか答えなかった。
それから暫くインターン組は学校に留まり続けた。聞いたらインターンは暫くお休みなんだって。
────
──
──────
今日も朝早くからの自主トレの為に早起きして寮の玄関まで降りる。
今日はかっちゃんの方が早く降りてきていた。
『かっちゃんおはよう。今日国語の授業当てられるかなぁ?随筆苦手なの直りそうにないよ…。』
「はよ。…俺のトコロ来るくらいか?」
授業の話をしながらストレッチを始める。いっくんも来ないしまだ早い時間なのでゆったりと動く。
話が授業からクラスメイトの話へと変わってすぐにいっくんが寮から出てきた。
『おはよういっくん。
…、今日はインターンかな?』
制服を着たいっくんを見てそう判断する。
「うん。行ってきます。」
久しぶりのインターンだからか緊張した面持ちで横を過ぎていく。
声には出さないが『羨ましい』と思った。ヒーローになる為のインターンとしても、学校から出られるということでも羨ましかった。
マオさんを探したい欲もある。
妖魔界に行けるだけまだマシだとは分かっているが、元々家に引きこもっているような性格じゃない。今まで、用事が無い限りずっと町中を走り回っていたんだ。
早く外に出られたらな…と想像しながらいっくんの背中を見守ると、いつだかと同じように森の中から現れる巨体がいっくんに取り憑いた。
『またあの妖怪だ…。
いっくん好かれてるなぁ。』
「あ"?」
ストレッチしていた手を止めて此方を見てくるかっちゃんに、何でも無いと答えて私も手を動かす。
『再試験はいつ頃になりそう?』
「知らん。
いつも同じことばっかでつまんねぇ。」
ぶつぶつと補講の愚痴を零すかっちゃんに肩を落としたのはナイショだ。
「アノ試験も俺だけ落ちたのが納得いかねぇ!」
感情が高ぶって拳から爆発を起こした。
「また言ってますね…。」
何度と聞いた台詞にウィスパーも呆れる。
私もいつも通りに『轟くんもだよ。』
と返す。
『あ、轟くんて言えば私のインターン先決まったよ。』
「はあ"!?」
また拳を爆発させて驚きを隠せない顔を此方に向けてくる。
『職場体験の時は妖怪ヒーローのフユニャンの所に行ったけど、インターンは人間の所で学びたいなって。
だから轟くんに頼んでエンデヴァーの所に行くことに決まったよ!』
将来何処かのサイドキックをするにしても、一人で経営していくにしてもヒトのヒーローとの繋がりは大切だ。
今やナンバーワンになったエンデヴァーの下にインターンをしに行く価値は相当高いだろう。
職場体験でエンデヴァーの所に行った轟くんは、インターンにも同じ場所に行くか迷ってるみたいだった。
『だからかっちゃんには早く再試験に受かってもらわなければなりません!』
「いつまでも霊和ちゃんの足を引っ張らないでいただきたいです!」
『そこまでは言ってないよ、ウィスパー…。』
「…わぁってるよ。」
舌打ちをしたかっちゃんはタオルを首に掛け、道に沿って走り出して行ったので私も慌てて追いかけた。
かっちゃんと一緒にストレッチをしていると切島くんの元気な声が響いた。
「よっす爆豪、妖見!」
「おお。」
『おはよう切島くん。
今日はインターン?』
頷く切島くん相手にかっちゃんが睨みつける。インターンに行けない自分と先に進む切島くんとの差に苛立ちを感じてるんだと思う。
切島くんが行ってすぐにいっくんも寮から飛び出してくる。
「霊和ちゃんかっちゃん、行ってきまーす!」
『いってらっしゃい!
無茶しないようにね。』
いっくんは、うん!と大きく頷いて手を振りながら学校に向かう。
『あれ?いっくんの後ろに何かいる。』
寮の周りは自然溢れる林となっており、その木々の間から現れた紫色の巨体がいっくんの後ろに取り憑いた。
その巨体を指差しながらタオルを持っているウィスパーに何の妖怪か聞く。
「えっえーと、待って下さいね。今思い出していますから……おーっとあった!
あれは"鬼食い"!名前の通り鬼を食べてしまう恐ろしい妖怪です!」
いつもの通り、思い出すのではなく背中で妖怪パッドをスライドして妖怪の特徴を調べて教えてくれた。
『鬼を食べるの!?
いっくんに取り憑いてて大丈夫かなぁ…?』
「鬼とは言わば悪いモノの俗称です。きっと出久くんを守ってくれるでしょう。」
『へぇ、すごい妖怪が取り憑いてくれたんだね。』
ウィスパーの言葉に守護神みたいな妖怪なのだと理解して、今日のインターンも何事もなさそうだと安堵した。
そしてお茶子ちゃんと梅雨ちゃんも同じように挨拶をして出て行ったのを見届けた。
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次の日からのインターン組の活気は凄まじかった。
しかしまたいっくんの様子が可笑しい。
話を聞こうとしたがインターン関係でカンコウレイを敷かれたらしい。いっくんは只々「大丈夫」としか答えなかった。
それから暫くインターン組は学校に留まり続けた。聞いたらインターンは暫くお休みなんだって。
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今日も朝早くからの自主トレの為に早起きして寮の玄関まで降りる。
今日はかっちゃんの方が早く降りてきていた。
『かっちゃんおはよう。今日国語の授業当てられるかなぁ?随筆苦手なの直りそうにないよ…。』
「はよ。…俺のトコロ来るくらいか?」
授業の話をしながらストレッチを始める。いっくんも来ないしまだ早い時間なのでゆったりと動く。
話が授業からクラスメイトの話へと変わってすぐにいっくんが寮から出てきた。
『おはよういっくん。
…、今日はインターンかな?』
制服を着たいっくんを見てそう判断する。
「うん。行ってきます。」
久しぶりのインターンだからか緊張した面持ちで横を過ぎていく。
声には出さないが『羨ましい』と思った。ヒーローになる為のインターンとしても、学校から出られるということでも羨ましかった。
マオさんを探したい欲もある。
妖魔界に行けるだけまだマシだとは分かっているが、元々家に引きこもっているような性格じゃない。今まで、用事が無い限りずっと町中を走り回っていたんだ。
早く外に出られたらな…と想像しながらいっくんの背中を見守ると、いつだかと同じように森の中から現れる巨体がいっくんに取り憑いた。
『またあの妖怪だ…。
いっくん好かれてるなぁ。』
「あ"?」
ストレッチしていた手を止めて此方を見てくるかっちゃんに、何でも無いと答えて私も手を動かす。
『再試験はいつ頃になりそう?』
「知らん。
いつも同じことばっかでつまんねぇ。」
ぶつぶつと補講の愚痴を零すかっちゃんに肩を落としたのはナイショだ。
「アノ試験も俺だけ落ちたのが納得いかねぇ!」
感情が高ぶって拳から爆発を起こした。
「また言ってますね…。」
何度と聞いた台詞にウィスパーも呆れる。
私もいつも通りに『轟くんもだよ。』
と返す。
『あ、轟くんて言えば私のインターン先決まったよ。』
「はあ"!?」
また拳を爆発させて驚きを隠せない顔を此方に向けてくる。
『職場体験の時は妖怪ヒーローのフユニャンの所に行ったけど、インターンは人間の所で学びたいなって。
だから轟くんに頼んでエンデヴァーの所に行くことに決まったよ!』
将来何処かのサイドキックをするにしても、一人で経営していくにしてもヒトのヒーローとの繋がりは大切だ。
今やナンバーワンになったエンデヴァーの下にインターンをしに行く価値は相当高いだろう。
職場体験でエンデヴァーの所に行った轟くんは、インターンにも同じ場所に行くか迷ってるみたいだった。
『だからかっちゃんには早く再試験に受かってもらわなければなりません!』
「いつまでも霊和ちゃんの足を引っ張らないでいただきたいです!」
『そこまでは言ってないよ、ウィスパー…。』
「…わぁってるよ。」
舌打ちをしたかっちゃんはタオルを首に掛け、道に沿って走り出して行ったので私も慌てて追いかけた。