53話
夢小説設定
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合体ウォッチは名前がダサいからという理由で"妖怪ウォッチC"と呼ぶことになった。
『他の妖怪とも試してみたいなぁ。』
「コマさんとかどう?」
「私はもう終わりですか!?」
もっと合体していたいというウィスパーは放置して、妖怪図鑑からコマさんのメダルを取り出す。
『私の友達、力を貸してコマさん!妖怪メダル、セット・オン!』
紫色の靄が出て変身したので鏡を見てみる。
頭から垂れぎみな犬の耳が生えて、髪型が三編みのツインテールになっている。服装は白い7分丈のワンピースにウエストで巻かれた水色の帯、肩には渦巻き模様の風呂敷を背負っている。
『あれ、余りヒーローっぽくないな。』
『「もんげー!オラ霊和ちゃんになっちゃってるズラー!」』
「霊和ちゃん、口を動かされないように制御しなよ…。」
周りから見てても1人の身体から2つの声が出てるのは違和感しかなく、慣れそうにないみたいだ。
「どうやらコマさんも使えそうにありませんね~。」
「ヒラヒラなスカートじゃパンチラするニャン。」
パンチラは下に履いてるから大丈夫だと思うが、七分丈もあったら動き回るには少々邪魔になる。
だからってコマさんの取り憑きも使えそうにないし、お蔵入りか…?と思っていながらふと風呂敷に手に触れると、直感的に頭に浮かんでくるものがあった。
もしかして、と風呂敷に目をやり、適当に物を思い浮かべる。
『飲み水が欲しいな。』
何となく呟いただけだった。
なのに急に風呂敷に重みを感じた。
結んである風呂敷をほどくと中にはペットボトルの水が入っていた。
「ええぇぇえ!!
どういうこと!?」
「マジックですか!?」
「ありえニャいニャン!」
「どうやらコマさんとの必殺技は物の生成みたいね…。」
サキちゃんが考えるには、合体することで必殺技が変わるのかもしれないとのこと。
ジバニャンとは変わらなかったのに、コマさんとだと変わるのは不思議だ。
「どんな物でも出せるのか調べさせて貰ってもいいかしら?」
断る理由もないので頷く。
風呂敷を首に巻き直し、出してみたいものを出してね。と言われて私の好きなパンを念じる。
風呂敷に少しの重みを感じて開くと、食パンがそのまま中に入っていた。
「食べ物も出せるみたいだね!」
「直に入ってますね…。
風呂敷が汚いとかはないでしょうが、袋も思い浮かんでみては?」
「思うとこそこニャン?」
植物は出せるみたいなので、次は猫を念じたが出せなかった。
「動物はダメかぁ。
やっぱ出せるものは制限あるんだね。」
出せるものは無機物かごく小さな生物だけみたいだ。
「では機械は出せますか!?私最新の妖怪テレビ欲しいでうぃす!」
「あ、ずるいニャン!
オレっちもチョコボー欲しいニャン!!」
人間のテレビならまだしも最新の妖怪テレビがどんな物かわからないよ…。
ウィスパーに続き、ジバニャンやフゥ2まで欲しい物を言ってくる。
「良いのか?少し心配だ。」
「少しヤバいかしら…。」
フユニャンとサキちゃんが私達を心配した面持ちで見ていた事を後から知ることになる。
結果は妖怪テレビは出せなかったが、チョコボーは一度に5本出せた。フゥ2のゲームソフトは出せなかった。
どうやら物を出すには私が知っていることが重要みたいで、機械など精密になればなるほど内部まで知らなくては出てきてくれなかった。
ウィスパーとフゥ2には申し訳ないのでチョコボーのお裾分けをした。
『──今後もコマさんを使うなら百ちゃんに相談かな~。』
「コマさんとの必殺技と似ている個性の八百万さんならアドバイスをくれそうですね!」
「もう一本チョコボー欲しいニャン。」
「全くあーたは…。」
ジバニャンに言われてもう一本チョコボーを出す。
そして動いたわけでもないのだが、疲れてしまったので座り込む。
「霊和ちゃんどうかしましたか?」
『うー…なんか眠くてね。
昨日もしっかり寝たのになぁ。』
言ってる間にも目がショボショボしてしまう。
「もう!
一応職場体験ですよ!」
『うん…。』
──あ、ダメだ。
目の前にいたウィスパーを掴んだところで私の意識は飛んだ。
H31.03.18