99話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
始業式の為に教室からグラウンドに向かっていると物間くんが待ち伏せしていた。
「聞いたよA組ィィ!
二名!!そちら仮免落ちが二名も出たんだってええ!?
こちとら全員合格!
水があいたねA組。」
『皆受かったんだね。おめでとう!』
「はうっ!?妖見霊和!!」
私の顔を見た途端ズサササと後退する。
この場にいた全員が、物間の謎の行動を疑問に感じた。
誰かが質問する前にクラスメイトを置いてグラウンドへ行ってしまった。
「…なんだアレ。
アイツに何かしたのか?」
瀬呂君の質問にしてないと首を振る。
……いや、してるのかな?
友達になりたいのに嫌われてる現状をどうにかしたい。
また友達になるの失敗したなと溜め息を吐いた。
グラウンドに全クラスが揃い、校長先生の話を聞く。
「やあ!皆大好き小型ほ乳類の校長さ!
最近は私自慢の毛並みが……──」
『(根津がちゃんと校長先生やってる!)』
沢山お世話になっているが、校長というよりかはよくしてくれる近所のおじさん感覚だったので、しっかり働く姿は新鮮だった。
しかし根津はペラペラペラペラとどうでもいいことを止まることなく喋り出す。
校長先生は何処の学校でも変わらないんだと悟った。
「──…生活習慣(ライフスタイル)が乱れたのは皆もご存知の通り、この夏休みで起きた"事件"に起因しているのさ。」
急に真剣になった根津に皆も真剣に聞く。
オールマイトという柱が壊れ、数週間で社会が変わっている。
「特にヒーロー科諸君にとっては顕著に現れる。
2.3年生の多くが取り組んでいる"校外活動(ヒーローインターン)"もこれまで以上に危機意識を持って考える必要がある。」
知らない単語に1年生が疑問を浮かべる。
インターンってことはヒーロー事務所に就いて仮で活動することだと思う。
「暗い話はどうしたって空気が重くなるね。大人達は今その重い空気をどうにかしようと頑張ってるんだ。
君たちは是非ともその頑張りを受け継ぎ発展させられる人材になってほしい。
経営科も普通科、サポート科、ヒーロー科も皆社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ。」
根津の話は終わり、生活指導の猟犬ヒーロー・ハウンドドッグが昨日の喧嘩のことでキレていた。頭に血が上って何を言っていたのか一言も理解出来なかった。
3年生から順に教室に戻っていき、私たちも指示が出て教室へ戻る。
「じゃあまァ…今日からまた通常通り授業を続けてく。
かつてない程に色々あったがうまく切り換えて学生の本分を全うするように。」
今日は座学のみだけど、後期はより厳しい訓練になっていくと説明を受けた。
梅雨ちゃんが挙手して始業式での事を問う。
「さっき始業式で出た、ヒーローインターンってどういうものか聞かせてもらえないかしら。」
「それについては後日やるつもりだったが…そうだな。先に言っておく方が合理的か。」
相澤先生は頭をわさわさとしながら説明を始めた。
「平たく言うと"校外でのヒーロー活動"。以前行ったプロヒーローの下での職場体験…その本格版だ。」
「体育祭の頑張りは何だったんですか!!!?」
お茶子ちゃんがいきなりガタッと席を立って相澤先生に手を挙げる。あまりの声量にジバニャンが耳を押さえた。
「校外活動(ヒーローインターン)は体育祭で得た指名(スカウト)をコネクションとして使うんだ。
これは授業の一環ではなく生徒の任意で行う活動だ。
むしろ体育祭で指名が頂けなかった者は活動事態難しいんだよ。
元々は各事務所が募集する形だったが雄英生徒引き入れの為のイザコザが多発し このような形になったそうだ。」
体育祭で来た指名を生かして自分の名声を上げるのか。しかも自分の任意で活動出来るからいろんな種類の活動が出来るわけだ。
「仮免を取得したことでより本格的・長期的に活動へ加担できる。
ただ1年生での仮免取得はあまり例がないこと。
"敵"の活性化も相まっておまえらの参加は慎重に考えてるのが現状だ。
まァ体験談なども含め後日ちゃんとした説明を今後の方針と話す。こっちも都合があるんでな。」
先生達は課外活動反対なのかな?寮暮らしにさせるほどだから1年は禁止になるかも…。と深憂を抱いた。