98話
夢小説設定
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立ち上がれない二人にホノボーノが回復を施し、私達は制服に着替えて結果発表が行われる場に来ていた。
「どうかなァ。」
「やれることはやったけど…どう見てたのかわかんないし。」
不安の声が聞こえる。私も受かっているか心配だ。
<<皆さん長いことおつかれ様でした。
これより発表を行いますが…その前に一言。>>
巨大なスクリーンの前に目良さんが立っている。
<<採点方式についてです。
我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式で、あなた方を見させてもらいました。
とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。
ご確認ください。>>
結果がスクリーンに映し出された。
最後から探した方が速いと右下から探す。
『!』
「あっ!霊和ちゃんの名前ありますよ!」
私の名前は一番最後にあったのですぐに見付かった。
「うああぁあ!!やったよー!!」
「凄いニャン!!」
『皆のおかげだよー!』
懐に飛び込んできたジバニャンと抱擁し、髪がぐしゃぐしゃになるくらい頭をフゥ2に撫でられ、ウィスパーはスクリーンの前に飛んでいき私の名前を指差す。写真まで撮って何処かに報せてる。
クラスメイトも受かっているか名前を探す。
青山くんも梅雨ちゃんの名前もある。
でも…轟くん、かっちゃんの名前はなかった。
敵の面前で喧嘩し、お互い足の引っ張り合いをしてしまったからだろうとその場にいた者は事解している。
当のもう一人が此方に近付いてくる。
「轟!!」
夜嵐くんは轟くんの名前を呼んだがそのまま口を止めてしまう。また喧嘩してしまうのかと思った。
また争うようなら直ぐに止められるようにと手を構える。
「ごめん!!
あんたが合格を逃したのは俺のせいだ!!俺の心の狭さの!!ごめん!!」
頭を地面に付けて謝った。
自分が悪かったのだと自ら気付き正せる賢い人なんだと感心する。
「元々俺がまいた種だし…よせよ。
おまえが直球でぶつけてきて気付いた事もあるから。」
仲直りして良かった良かった。
思わず拍手を贈った。
<<続きましてプリントをお配りします。
採点内容が詳しく記載されてますのでしっかり目を通しておいて下さい。>>
個々に紙を配られ、点数と箇条書きで減点の経緯が書いてあった。
点数は…87点。
・率先して救護所を作り人材の分別を理解していた。
・怪我の対処が万全だった。
・救護者への配慮が欠けていた。
・集中力の欠如。
・現場の状況に対して適切な対応が取れていた。
やっぱり怒られた所で減点されてた…。
それ以外では減点要素はなく安心だ。
<<合格した皆さんはこれから緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できる立場となります。
すなわち"敵"との戦闘、事件、事故からの救助など…ヒーローの指示がなくとも君たちの判断で動けるようになります。
しかしそれは君たちの行動一つ一つにより大きな社会的責任が生じるという事でもあります。
皆さん御存知の通りオールマイトという偉大なヒーローが力尽きました。>>
オールマイトの名前に此方にいくつもの視線が向けられる。
試験中に聞かされた、オールマイトの力を失った原因が私だという噂を信じている者だろうか。
<<彼の存在は犯罪の抑制になる程大きなモノでした。
心のブレーキが消え去り、増長する者はこれから必ず現れる。均衡が崩れ、世の中が大きく変化していく中、いずれ皆さん若者が社会の中心となっていきます。
次は皆さんがヒーローとして規範となり、抑制できるような存在とならねばなりません。
今回はあくまで仮のヒーロー活動認可資格免許。
半人前程度に考え、各々の学舎で更なる精進に励んでいただきたい!!>>
不合格者も3ヶ月の講習の後個別テストで受かれば仮免許を取れるみたいだ。
<<今私が述べたこれからに対応するにはより質の高いヒーローがなるべく多くほしい。
1次選考は所謂落とす試験でしたが、選んだ100名はなるべく育てていきたいのです。そういうわけで全員を最後まで見ました。
結果、決して見込みがないわけではなく、寧ろ至らぬ点を修正すれば合格者以上の実力者になるものばかりです。>>
かっちゃんも轟くんも再挑戦するために意気込んだ。
行きと同じバスに乗り、寮に戻った時には空が茜色に染まっていた。
相澤先生が必要事項を軽く説明し、すぐに解散となった。