97.5話
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~no side~
周りは全て海、絶壁で覆われた孤島、"敵"犯罪者特殊収監施設タルタロスという場所がある。
24時間監視され、個性も使えず、時に動くことさえ出来ないよう拘束される。孤島のため脱獄することも出来ず、限られた人間しか入れないので他人に助けを呼ぶことも出来ない。
この場所に件のオールマイトが伸した残虐非道な"敵"が収容されている。
オールマイトはどうしても話をしなければならない訳があり、己が投獄させた者と面会した。
「───…そろそろ後期が始まっている頃だろう?もう始まっているのかな。
教育に専念するもんだと思っていたが…ボクに何を求める?」
痩せ細ってしまったオールマイトの前には手首も動けないよう拘束服にベルトで縛り付けられたオール・フォー・ワンが分厚い硝子越しに向かい合っている。戦闘で負傷したため酸素ボンベが取り付けられていた。
「ケジメをつけるだけさ。」
自分から問いたにも関わらずオール・フォー・ワンは拘束されていることへの愚痴をこぼす。
「何を求めてる?グラントリノは?独断か?
その未練がましいコスチュームは何だ。キミまさかまだヒーローをやってるんじゃないだろうな?」
簡単には面会出来ないので久しぶりに話す反動でオール・フォー・ワンの口は止まらない。
オールマイトは死柄木が何処に潜んでいるのか問うが知らないと突っぱねる。
では死柄木をオール・フォー・ワンの後継者にした理由を聞く。
「キミが全て奪ったからだろ。
ボクの身体を見ろ。この管で漸く生命を維持している。
無限に思えたボクの理想は、キミの登場によって有限となったのだ。終わりがあることを知れば人は託す。
皆がやってる事をボクもしようとしてるだけだ。」
監視カメラから残り3分だと告げられる。
「待ってくれ!そりゃないだろ。話をしたいんだ。
もっと、そうだな…世間はキミの引退にかなり動揺したと思うんだが様子はどうだ?」
<<外の情報は遮断されています。軽率な発言はお控え願います。>>
「…だそうだ。」
「残念だなァ。
…きっとこうかな?
今頃メディアはキミのいなくなった不安、そして新たなリーダー・エンデヴァーへの懸念が重なりヒーロー社会全体の団結を訴えている。
一方で不安定になりつつある空気を察知してヒーローを支持しない、所謂日陰者が暴動を起こし始める。自分達も社会を動かせるんじゃないかと…。
組織だって動き始める。
弔達は…そうだね、そろそろ着いた頃かな?
フフフ…ボクも見たかったなァ。」
「…何がだ。」
さっきは何処にいるか知らないと言っていた筈なのに勝手に話し出した。しかし場所は絶対に話さない。
「ボクのとっておきだよ。
"お友達"に偶然聞いて何年も何十年も探して漸く手にいれた、裏の世界の"悪意"とでもいうのかな。まだ覚醒されてないが弔がやってくれると信じているよ。
覚醒した際には教えてくれないか?」
話が抽象過ぎて何を言いたいのか解らない。
「オールマイトは信頼されていないのかな?否、彼女…キミの教え子の妖見霊和でも知らないだろうな。
アレは極少数の限られた者しか知らないトップシークレットだ。そう易々と他人に言えるものではない。悲しいことにアレは"妖魔界の汚点"だからね。」
「妖怪を捕らえているのか?
特殊な時計がなければ見れないはずだ。それこそ彼女のような個性がなければ…。」
「言っただろう、アレは妖魔界の汚点だとね。
おっと、これ以上はボクの口からは言えないな。アレを悲しませてしまう。アレが悲しむのはボクも嫌だ。」
「どの口が言う。心にもないことを。」
オール・フォー・ワンは笑うだけで否定しなかった。
────
オール・フォー・ワンの読みは見事に的中していた。
死柄木弔はパートナーとでもいうべき男・黒霧と山の麓に来ていた。木や草が生い茂り、目を凝らして見ればギリギリ分かる程の獣道を歩く。
「チッ…個性使えないとかありえねェ…草邪魔だ。」
「個性妨害が張ってあるのでしょう。
あの方が死柄木に頼みこむ程のモノです。相当厳重に隔離されているのですね。」
「…っ」
死柄木が文句を言いながらもこの場所に来ているのは、アノ日、最後にオール・フォー・ワンと会話した時に頼まれたのだ。
「───…先生待ってくれ!」
爆豪勝己を捕らえたがオールマイトが襲撃し、アジトは滅茶苦茶。自身も仲間も押さえ付けられた。
オール・フォー・ワンによってワープして難を逃れたが、すぐにオールマイトが追い掛けてきてオール・フォー・ワンと戦いになった。
劣勢を強いられたオール・フォー・ワンは死柄木達を逃す。
その時にオール・フォー・ワンから切り紙を託された。
「ここに行ってくれ。覚醒させればきっとキミ達の助けになるだろう。」
「は?どういうことだよ先生!?」
「弔…生きるんだよ。」
「先生…先生ェェェエ!!」
オール・フォー・ワンに強制的にワープさせられ何処か適当な場所に移動させられた。