88話
夢小説設定
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『わあ凄いよー!!高い建物沢山!タコ動いてる!地下深い!』
私達は相澤先生の許可を得て、妖魔界の中心地に来ていた。
ベランダのうんがい鏡から直で妖魔界の駅にワープし、街の豪華さに感動している。
広い道路に街路樹にはピンク色の桜が咲き誇り、"和"を基準とした現代的な建物が所畝ましと建っていた。
周りは勿論妖怪だらけで、原宿よりもカラフルな者達で賑わっている。
「この街を見るためには駅から観光しなきゃ!
あのタコは街のシンボルになってるんだ。タコ周辺は横丁になっていていろんな食べ物屋があるんだよ。」
『妖魔界名物の食べ物ってあるのかな?お昼ご飯は彼処に行こうね!』
まずはエンマ大王に会いに行くことにしようと真っ直ぐな一本道の歩道を歩いていると、車道をマッハで駆け抜けるモノがいた。あまりの速さと突風で何が通り過ぎたのかわからなかった。
『?』
「あら、人間の女の子?エンマ大王様が言っていた子ね!?
よかったら目薬買っていかない?」
アレは何だったのか不思議に思っていると、お色気のある単眼の女性妖怪、フゥミンが薬屋の前から商品を勧めてきた。折角だからと人間にも使える目薬を買い、隣にあるお店にいた海藻妖怪にお茶を勧められた。抹茶ラテを頼んで、道路から一段高いテラスで味わう。
『美味しい!
甘過ぎなくて苦味も少ないから良い抹茶使ってるんだね。作り方も上手じゃないとこんなに美味しくできないよ。』
「褒めすぎですよ~。」
「嬉しいからこの羊羮はオマケだよ!」
『本当に!?ありがとー!』
普段人間界に行かない妖魔界で働いている妖怪も皆フレンドリーで迫害を受けなくて安心した。
飲み終わりお店を後にして階段を降りると、目の前に知り合いがいて目が合った。
「もんげー!霊和ちゃんが妖魔界にいるズラ!?」
「兄ちゃん知らなかったズラ?エンマ大王様が霊和ちゃんが妖魔界に来る御触れを出していたズラよ。」
『コマさんコマじろうこんにちは。二人は買い物?』
「そうだったんだズラ…。
オラ達は母ちゃんのお使いズラ!これから帰るところだったんけど、霊和ちゃんは観光ズラ?」
『そうだよ。今ワカメくん達の抹茶ラテ飲んでたの。』
「オラも霊和ちゃんと遊びたいズラ!付いて行っちゃダメズラ?」
お使いだったんじゃないか聞くと、すぐに帰らなくてはいけないような物ではないので大丈夫らしい。
コマさん達がいても問題ないので同行を了承して、エンマ大王がいる場所へと進んだ。
進んでいると、しゃれこ婦人のドレス屋と花子さんの洋服屋の競争に巻き込まれ両方の服の着せ替えに付き合い、メラメライオンの勧誘にあい温泉施設を案内すると言われたが後で来ると断った。
道を渡る為に横断歩道の手前で待っていると、また高速で何かが横切っていた。
真っ直ぐな道を端から端まで歩いてきただけなのにそれだけで1時間半掛かった。地下鉄に直結しているばっかでかい豪華な門を潜り、一つの島だと思うような山に造られた中華風な建物が聳え立っていた。此処がエンマ大王に逢える閻魔宮殿らしい。
入ろうとすると、扉の前に立つ赤鬼と青鬼に阻まれる。
「アポはとっているか?」
「これでいい?」
フゥ2が懐から紙を出して赤鬼に見せる。私も横から覗くと、エンマ大王らしき直筆で閻魔宮殿許可証と書いてあった。どうやら数日前に貰った手紙と一緒にあったみたいだ。
赤鬼と青鬼は扉の前から退き、私達は宮殿内へと入った。
半円球状の建物の天井は物凄く高く、赤と金色で統一されておりきらびやかだった。長い廊下や50段くらいありそうな階段を登って、建物の中心地に鎮座されている鏡の前に着く。
「此処からエンマ大王の所に行けるよ。」
この鏡は各地に移動することのあるエンマ大王に会えるようにするために直接行けるようにした鏡らしい。エンマ大王専用のうんがい鏡みたいだ。
鏡に入り、一瞬目の前が真っ白になる。そして白が明けた先には中華を基準とした豪華な執務室にいた。部屋の奥に書類を睨み付けているエンマ大王と、その横に資料を眺めているぬらりひょんが立っていた。
私達が来たことをすぐに察知したエンマ大王が書類から目を離し、笑顔で迎えてくれる。
「よう霊和じゃねえか!よく来たな!」
『こんにちは、招待ありがとう。
それとフゥ2達と離ればなれにならないようにしてくれてありがと。』
「それは俺が感謝されることじゃない。お前らが頑張って妖怪ウォッチCを取り戻してくれたからだぜ。」
本来ならば全て消されているはずの妖怪ウォッチを認知していたにも関わらず消さないでいてくれたのだ。そのお陰で今の私がいるのだから感謝したくなるのは当然だ。
エンマ大王に頭をぐしゃぐしゃに撫でられ髪がボサボサになってしまう。咳払いしたぬらりひょんに行儀が悪いと止められていた。
「今日はうんがい鏡で妖魔界に来たんだろ?霊和が移動しやすいように、妖魔界のうんがい鏡通路を全て開けたから自由に使ってくれよな。」
『そんなことまで!?何から何までありがとー!』
うんがい鏡は、うんがい鏡と違う場所にいるうんがい鏡までワープ出来るようになっているが、一度会わないと開通されない仕組みとなっている。なので一度はその場所に自分の足で行かなくてはならない。エンマ大王はその手間を省いてくれたのだ。