51話
夢小説設定
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職業体験当日。一年のヒーロー科全員で雄英高校の最寄り駅にいる。
「コスチューム持ったな。
本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ。」
「はーい!!」
「伸ばすな"はい"だ芦戸。
くれぐれも失礼のないように!じゃあ行け!」
ヒーロー服が入ったアタッシュケースとその他お泊まり道具が入ったキャリーケースを転がして、暫し会えなくなる皆と挨拶をする。
だが、皆が意気込んでいる中、飯田くんだけはそそくさと保須市に向うホームへ行こうとしている。
『飯田くんも無茶だけはしないでね。』
隠密に"敵"退治をしていた私が言えた立場でないのはわかっているが、どうしてだか言わないといけない気がした。
「ああ。」
『ケガとかしないで一週間後に学校で会おうね。』
「霊和ちゃん、それフラグでうぃすよ。」
『え?
じゃあ、元気で会おう?』
「それもアウトでうぃす!」
「フラグニャンて自分で言うから、ウィスパーはフラグを回収するニャンよ。」
呆れた目でウィスパーを見る。
「君の周りはいつも賑やかなんだな。」
飯田くんの言葉に頷く。
最初は妖怪なんて信じてくれなかったが、今では妖怪達を暖かい目で見てくれる。まだ少しテンションは低いが私と話してくれてモチベーションが上がってくれたなら嬉しい。
電車の時間が迫っていたので別れの挨拶をしてホームへ向かった。
いろいろと乗り継ぎをして、桜ニュータウンにある"こひなた駅"へと着いた。
『やっとついたー!』
「久しぶりの電車でしたねー。」
こじんまりした駅を降りると道を挟んだ反対側へと渡る。駅前になる小さな古めかしい店には"チョーシ堂"と書かれている。
『ここだよね…?』
学校で貰った住所と地図を照らし合わせる。合致しているのでここなのはわかったが、以前仲間探しをしていた時にここは何度か通っていた。その時は空き家だった気がするのだが、たまたま休業中とかだったのだろうか?
フゥ2に急かされてチョーシ堂の戸を開けた。
中に足を一歩入れると、沢山の時計の針の音が歓迎してくれた。壁の方を見ると振り子のある時計や置き時計、腕時計など色々な時計が飾られていた。
ショーウィンドーの台に隣接されたレジの奥に作業台があり、そこにサメの頭をした人が座っていた。
『今日からお世話になる妖見霊和です。よろしくお願いいたします!』
サメの頭をした人は手を止め此方を見てくる。
「ああ、聞いているよ。
アンタを呼んだ奴らはまだ来ていないがね。
全く、呼び出しておいて本人が遅刻とはどういう神経しているんだろうねぇ。」
私を呼んだ人とは、代表に書いてあったスカイシャリマンサキちゃんという人のことだろう。
そうするとこの人はなんなのだろう?
『あの、アナタはスカイシャリマンサキちゃんではないんですか?』
「私ァこの店の持ち主だよ。奴らがアンタとどうしても逢いたいって言うからその繋ぎ役になってやったのさ。
許可取るのにも苦労したわい。」
許可?
どういう事か聞こうとしたが、サメの頭をした人が私の左腕を指差す。
「久しぶりに妖怪ウォッチの調整をしてみたいんだが、アンタの妖怪ウォッチを見せてはくれんかね?」
『これの…?』
妖怪ウォッチを他人に渡してはいけないと言われている。
だから断ろうとしたが、フゥ2にこのおじいさんなら大丈夫だよ。と言われた。
「このおじいさんは、俺が人間だった時に妖怪ウォッチを強化してくれてたんだ。
変な人だけど腕は確かだよ。」
「変な人は余計だわい。」
おじいさんと言われたサメの頭をした人はフゥ2を睨んで手を出してくる。
「何年も使っているだろうから直してやるだけじゃ。ほれ早くせんか。」
急かしてくるサメの頭をした人に、私はフゥ2とウィスパーを見てから妖怪ウォッチを渡した。
サメの頭をした人は作業台に向かい、私達は暇になったのでソファーに座って待つことにした。
『ねぇ、あの人っておじいさんっていうほど歳取ってるの?』
「ん?まぁ俺が人間の子供の頃から…いや、じいちゃんが子供の頃からチョーシ堂で働いてるから軽く200年は時計弄りしてるな~。」
『へぇ…。眉毛と髭は白いけど、顔はサメだからわかんなかった。』
「は…?」
『ん?』
小さな声量で喋っていたのだが、思わず大きな声がフゥ2の口から洩れた。
「あの人の事サメに見えんの!?」
『うん。』
フゥ2はサメの頭をした人と私を何度も見比べて、そっかそっかと頷く。
「人間に化けた妖怪の姿が見えない霊和ちゃんには本来の姿が見えるんだったね。
そっか…おじいさんの正体はサメだったんだ。サメなら多分ヨップル社の社員だ。」
またそっかそっかぁと頷くフゥ2。難しい問題が解けた時みたいに爽快な笑みを浮かべていた。
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