34話
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"敵"襲撃があったその後、1人ずつ事情聴取が行われて次の日は臨時休校となった。
襲撃で怪我をしたのは相澤先生と13号先生、自分の個性で負傷したいっくん、妖怪ガッツKによってボコボコになった峰田くんだけだった。
先生達の怪我は酷く中の肉が見えるまでの重症だったらしい。
しかし先生達がそこまで重い傷だったことを知らなかったので峰田くんのみを治しただけだった。
梅雨ちゃんから話を聞いて治そうとも思ったが、事情聴取に時間を取られ直ぐに家に帰された。しかも根津に絶対家から出ないようにね。と念を圧されたので渋々従って1日中家にいた。
臨時休校の次の日にはクラスメイト全員が無事出席したが相澤先生だけが身体中を包帯で覆われていてミイラみたいだった。
「相澤先生復帰早えええ!!」
「先生無事だったのですね!!」
「無事言うんかなぁアレ…。」
『まんまミーラみたいになってるよ…。』
「後で治してあげよう。」
片肘を"敵"の個性によって崩され重傷を負ったにもかかわらず、たったの2日でここまで動ける程回復したのは流石プロとしか言いようがない。
「俺の安否はどうでもいい。
何よりまだ戦いは終わってねぇ。」
襲撃を受けてわずか数日。まさかと、身構えた生徒達に緊張が走る。
相澤先生は間を置いて包帯に包まれた顔の隙間から目を細くして告げる。
「雄英体育祭が迫ってる!」
「クソ学校っぽいの来たあああ!!」
静まった教室が一気に沸き立つが、一人の生徒が"敵"に侵入されたばかりなの大丈夫なのかと疑問を口に出した。
その問いに相澤先生は、逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示し、警備は例年の5倍に強化するそうだと丁重に答える。
「何より雄英(ウチ)の体育祭は"最大のチャンス"。
"敵"ごときで中止していい催しじゃねぇ。」
今の日本にとって雄英体育祭はビッグイベントの一つである。
かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂したが、今の時代規模も人口も縮小し形骸化した。
その現状の日本に於いて今かつてのオリンピックに代わるのが、"雄英体育祭"。
「全国のトップヒーローも観ますのよ。スカウト目的でね!」
「資格習得後はプロ事務所にサイドキック(相棒)入りが定石だもんな。」
「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。
時間は有限。プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。
年に一回…、計三回だけのチャンス。
ヒーロー志すなら絶対外せないイベントだ!」
─────
HRは終わっても私の興奮は収まらなかった。
『体育祭だよ!お祭りだよ!
楽しみだな~。』
「霊和ちゃんはお祭り事が好きですからね~。」
「人が多くてウザいだけニャン。」
お茶子ちゃんが近付いてきた。
「うあぁ~今から緊張するよーっ。」
手を上下に振って緊張を収めようとする。
『私は楽しみ!早く始まらないかなー。』
「霊和ちゃん強いなー。」
「霊和ちゃんは体育祭だったり文化祭も好きだもんね。
当日は誰よりも楽しんでたよ。」
いっくんが近付きながらお茶子ちゃんに説明した。
「雄英の体育祭って個人戦やったよね?」
「うん。予選は毎年違うけど、最終種目は何かしらの形で1対1があるよ。」
「そうなると皆と戦うんかぁ。」
そっか。体育祭でいっくんやお茶子ちゃんと戦うかもしれないんだ…。
「僕と戦う事になったら本気で来てね。」
『え、』
「霊和ちゃんの事だから戦いたくないなーとか、傷付けたくないなーって思ってるんだろうけど、僕は本気の霊和ちゃんと戦いたい。」
「私も!
霊和ちゃんに比べたら象と蟻くらい違うかもしれんけど。」
お茶子ちゃんは苦笑して頭を掻く。
『…うん。私、蟻でも頑張るよ。』
いっくんとは幼馴染みであり親友でありライバルなのだ。
ライバルは競いあう相手。
いっくんとはヒーローとして戦い合わなくてはならないと、ヒーローになりたいと決めた時からわかっていたことじゃないか。
「へ!?
違う違う!霊和ちゃんは象で私が蟻って意味やったんよ!」
『あれ?』
「んも~。勘違いして可愛い霊和ちゃんですねー!」
「可愛いニャーン!」
「ははっ!まぁ鈍感だから仕方ないのかな?」
「みんな霊和ちゃんの事甘やかしすぎ!!」
フゥ2のツッコミが虚しく響いた。