33話
夢小説設定
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USJの中の地図がわからないがひたすら走ると、台風並みの風と雨が降るエリアに来ていた。
どうやら暴風・大雨ゾーンみたいだ。
ここに飛ばされたのは常闇踏陰くんと口田甲司くんだった。
既に"敵"は倒されていて常闇くんの個性で拘束されていた。
だがここにも怪魔が1体いて常闇くんを狙って攻撃しようとしているのだが、見えているのかと思うくらい俊敏に避けていた。
「怪魔はアイツだけ狙ってるニャン?」
「たまたま近くにいたから取り憑いてやろうと思ったんじゃないですかね?」
もしかしたら怪魔は常闇くんの個性"闇"に惹かれて引き寄せられているのかもしれない。
『じめりんぼう、もう一度出来る?』
じめりんぼうを見るとさらに膨張していた。
人工の雨が身体に蓄積されているのだ。
「出来るよ~。」
土砂エリアを出る前に氷で拘束されていた"敵"だったが、このままにしておくと凍傷やら低体温症になるので沢山のじめりんぼうで拘束してきた。
なので付いてきたじめりんぼうの数は一時減ったのだが、雨のお陰でまた数が増える。
数体のじめりんぼうが口から水を飛ばし怪魔に当てる。そして注意が逸れた隙に大量のじめりんぼうで押し潰した。
『二人とも大丈夫!?』
「妖見か。"敵"自体はチンピラ同然の強さだったので問題ないが、その後俺の個性が制御出来なくてな…。
"何か"から逃げるように身体が動いていた。」
「怪魔も闇側の存在…。同じ闇だから感知出来たのでしょうか…。しかし妖怪は見えないようですし考えすぎですかねー。」
常闇くんの前で変な顔をするウィスパー。
こんな時に不謹慎に笑わないように顔を引き締めて怪魔について説明する。
「──……そうか。俺の力に引き寄せられてしまったのか。」
『うん。だから常闇くんは気をつけて。
私は他の所にも怪魔がいないか探す。』
「あれ、誰も常闇くんの台詞にツッコまないのですか?」
「1人で平気か?」
『1人じゃないよ。沢山いるから大丈夫!』
ジバニャンにウィスパーに沢山のじめりんぼうがいる。
私は二人と別れ、さらに奥に進む。
建物が倒壊したエリアには倒れた"敵"しかいなく、ここに飛ばされたクラスメイトも怪魔もいなかった。
岩ばかりで出来たエリアに行くと上鳴くんが"敵"に人質に取られている危機的状況に陥っていた。
ここに飛ばされた百ちゃんと響香ちゃんが手も足も出ない状態だった。
私は"敵"達に見えない位置に隠れ、ジバニャンを乗せたウィスパーがその中心地点に行く。
ジバニャンは落下の勢いに力を加えて上鳴くんを捕まえている"敵"を殴る。
油断していたのか"敵"は上鳴くんを手離し床に倒れる。
騒然とした隙にウィスパーが上鳴くんを担ぎ上げて空中に避難する。
百ちゃんは急速な変化に戸惑いを隠せなかったが機敏に動き、個性の創造で地引き網のような物を作り出して"敵"を一網打尽させた。
『百ちゃん俊敏な対応ありがとー!』
「やはり妖見さんだったのですね!」
見えない攻撃だったので初めは透ちゃんだと思ったが、空中に連れて行かれる上鳴くんを見て私だと分かったらしい。
「妖見さんはお怪我はありませんか?」
『私は平気だよ。同じ場所に飛ばされた轟くんが直ぐに倒してくれたし、その後セントラル広場に向かったから相澤先生の援護してくれるはず。
あと常闇くんと口田くんにも会ったけど大丈夫だったよ。』
フヨフヨとウィスパーが上鳴くんを降ろしてくる。
「男の子って重たいんですね…。」
床に伏せたウィスパーが息を切らしながら愚痴を言う。
『ウィスパーありがとうね。
あとジバニャンも…、あれ?』
ジバニャンを探すが見つからない。
どこからか助けてニャーン!という声が聞こえて探すと地引き網に捕まったジバニャンがいた。
『百ちゃん、この縄って切れないよね?』
「えぇ!鋼で出来た特殊な縄で出来ていますので並大抵の刃物では切れませんわ!」
ジバニャンも一緒に捕まっていることを説明すると、百ちゃんは顔を青ざめてあたふたする。
「どどどうしましょう!網を消してしまったら"敵"を逃がしてしまいますし、かといって猫ちゃんが苦しい思いをなさってるなんてっ!」
「んー…、確か召喚ってーの出来るんだよね?
ならやってみれば?」
響香ちゃんが提案してくるが、飛ばされる前にうんがい鏡を召喚しようとしたが出来なかった。
ジバニャンを召喚しても通信が途切れるので喚べないのではないだろうか。
「通信が遮断されてるっつってもそれはUSJの全てじゃないんだと思う。
ここ(USJ)と外(USJ以外)を遮断するように膜が張ってあるんじゃないかと思うんだ。
だからこの中で短距離なら通信出来んじゃないか?」
確かに私とジバニャンの間は数メートルしかなく、個性で遮断されていても意味がない。
『わかった。ジバニャンを召喚したらジバニャンの分の隙間が出来ちゃうから絞めてね。』
「任せてくださいませ!」
私はポケットに入っているジバニャンのメダルを取り出し、妖怪ウォッチの差し込み口に入れる。
『私の友達、出てきてジバニャン!妖怪メダル、セット・オン!』
先程と違って妖怪ウォッチから虹色の光が差される。
"敵"に囲まれたジバニャンの上に魔方陣が出現して掃除機のように風が中に吸い込まれていた。
ジバニャンを吸い込むつもりなのだろうが網が邪魔して顔にめり込んでいる。
「いたたたっ!痛いニャン!顔が切れそうだニャン!」
『ご、ごめんっ!
今止める!!』
慌ててメダルを抜いて召喚を止めさせる。
「霊和ちゃん、ジバニャンの真下に魔方陣が出るようにイメージしてくださいな。」
ウィスパーに言われて、イメージしながらもう一度メダルを妖怪ウォッチに入れる。
すると、見事ジバニャンの真下に魔方陣が出現してジバニャンがその中に入っていった。
そして妖怪ウォッチから発せられる虹色の光の中からジバニャンが現れた。
『百ちゃんいいよ!』
「はい!」
網の先を引っ張ってジバニャンの分の隙間を無くした。
「助かったニャン…。」
「あーたよく捕まりますね~。」
「お前がオレっちを置いてったせいニャン!!」
ジバニャンはウィスパーにも百烈肉球をした。
喧嘩はダメだよ。とジバニャンを抱き上げて制止していると、百ちゃんが私の手を握ってくる。
「申し訳ありませんでした!
言い訳になってしまいますが間違えて捕まえてしまいましたわ。」
「いいニャンよ。
こいつもやっつけたしもう気にしてニャいニャン。」
タコのように口をすぼめて倒れているウィスパーを指差す。
「猫ちゃんにお怪我がなくて安心しましたわ!」
「こっちは無視なんだな。」
響香ちゃんは私の肩に手を置いてウィスパーを見る。
『あ!ごめんね、忘れてた!』
「普通忘れる!?」
うっかりしてたの、ごめんねウィスパー。