31話
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学校内に侵入者が入ってから数日した。
今日もヒーロー基礎学があり教室で待っていると、オールマイトではなく相澤先生が入って来た。
「今日のヒーロー基礎学だが俺とオールマイト、それともう1人の3人体制で見る事になった。」
「はい!何するんですか?」
「災害水難なんでもござれ、救助訓練だ。」
"RESCUE"と書かれたプレートを見て、教室内がざわざわと騒がしくなる。
救助は戦闘同様にヒーローにとって大切なものだ。
危険から市民の身を守る大切な訓練なので、生徒達もキラキラとやる気に満ちた目を輝かせる。勿論私もだ。
「今回戦闘服の着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定する戦闘服もあるだろうからな。
訓練場は少し離れた場所にあるからバスで行く。
以上、準備開始!」
更衣室に皆で向かい、着替えを始める。
殆んどの人は戦闘服で、私も何かと便利だからと戦闘服にした。
いっくんはこの間の戦闘訓練で破れてしまったので体操着と戦闘服の小物のみだ。
「1年集合!!バスの席順でスムーズにいくよう、番号順で2列に並ぼう!!」
笛を鳴らしながら声掛けする飯田くんは学級委員長という役職に馴染んでいた。
しかしいざバスに乗り込んでみると、車内は市営バスのような構造で、張り切っていた飯田くんはガクッと肩を落とした。
「くそぅ、こういう構造だったか…!!」
「意味無かったなー。」
「飯田君どんまいだね…。」
『気にしないで!』
どこに座ろうかと悩んでいると、かっちゃんの隣が空いていたので座った。
ジバニャンを膝に乗せているとかっちゃんがこちらを見てくる。
「…。」
『かっちゃんどうかした?』
「…いや(こいつ普通に座りやがった。騒動ん時の何も思わねぇのか?)。」
かっちゃんは頬杖をついて、窓の外に顔を向けてしまった。
バスが出発して少したつと、梅雨ちゃんがいっくんに質問する。
「私思った事を何でも言っちゃうの、緑谷ちゃん。」
「あ!ハイ!?蛙吹さん!!」
梅雨ちゃんはいっくんに梅雨ちゃんと呼んで。と訂正させる。
「あなたの"個性”、オールマイトに似てる。」
同じ身体強化の個性なので似ていると言われれば似ているかもしれない。
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねえぞ。
似て非なるアレだぜ。」
切島くんが言うが、いっくんが怪我するのはまだ慣れていない授けられた個性だからで、慣れればオールマイト並みに強くなれるだろう。
「派手で強えーつったらやっぱ轟と爆豪だよな。」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ。」
「んだとコラ出すわ!!」
かっちゃんも話は聞いていたみたいで反論する。
「この付き合いで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ。」
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
クソを下水で煮込んだような性格って何だろう?
かっちゃんが貶されているので何か言わなくてはと思い口を開く。
『かっちゃんだって優しいとこもあるよ!』
「え、まじ?なにそれ教えてー。」
『困ってると何気なく助けてくれたり、昔かっちゃんがヒーローになって私を守ってくれるって言ったこともあるよ!』
「おいおいおい、そんなこと言ってたのかよ。
意外と誠実な処もあんの?」
『うん!小学校の時も、「黙れ口ぶっ壊すぞ。」』
背後からかっちゃんに口を塞がれて喋れなくなった。
上鳴くんが冷やかして、またかっちゃんがキレる。
切島くんが上鳴くんとかっちゃんに苦笑して私を見てきた
「派手じゃねーし個性でもねーけど妖見もチートだよな~。」
『んーん(私)?』
口を塞がれたまま、自分に向かって指を差す。
擽ったかったのか手を離してくれた。
「人間が妖怪に勝てそうにねーよなぁ。」
「妖怪の力を借りられるなんて素敵よね。私も憧れるわ。」
何度かヒーロー基礎学で妖怪と連携して訓練をしているので、皆も私がどうやって戦うか知っている。
『皆にも取り憑くこと出来るよ。
ばくそくは慣れるまでに時間掛かるし怪我するけど。』
何もリスクなしに力を使えるわけではないのは分かってほしい。