30.5話
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~八百万side~
雄英高校の入学日、教室に入ると違和感がありました。
この学校のヒーロー科は推薦2人、一般18人の計20人が2クラスなはずなのですが、私が所属するA組は21人でしたの。
存在するはずのない21人目が誰なのか…そしてどのような課程で入ってきたのか…。
考えられるとしたら推薦者以上の個性の持ち主。
又は雄英高校での保護管理下に置かれる者。この場合は個性が希少か、"敵"に狙われている者、"敵"にならないように監視されている者が当てはまるでしょう。
入学当日に行われた個性把握テストでは私が1位で、同じ推薦入学の轟さんが2位。
21人目は推薦者以上の個性の持ち主という推測は間違っているのか、それとも単純な体力測定には使えない個性なのかわかりませんわね…。
3位の爆豪さんが怪しいですが爆破の個性は希少ではありません。
"敵"にならないように監視…というのに当てはまりますが、まだ21人目を爆豪さんだと結論付けてしまうのは早すぎるような気がしました。
担任の相澤先生にヒーロー科に悠長にしている時間はないと言われた通り、次の日から通常時間が始まりました。
簡単に中学からの復習をしてから、真新しい教科書を開きました。
授業中、私の後ろの席に座る妖見さんが小さな声で独り言をおっしゃっていました。
何故か妖見さんの隣に置いてある空席に向かって話しているようにも見えますわね…。
それだけではなく、プレゼントマイク先生の授業でテンションの上がった先生に向かって小さい声で離れて!と叫ぶなど、可笑しな言動を見かけますの…。
妖見さんは少々頭の弱い方なのでしょうか。
私は妖見さんとは話が合わないだろうと思い、態度には出さないながらも距離を置いてしまいました。
ーーーーーー
初授業となるヒーロー基礎学の時間、オールマイト先生により戦闘訓練がなされました。
1試合目は凄まじい試合で色々問題がありましたわ。
2試合目はさすがと申しますか、轟さんの圧勝で終わりました。
そして3試合目は私と峰田さんvs娃吹さんと常闇さん。
峰田さんがふざけている間に敗北。
ヒーローチームと戦いもせずに負けてしまって悔しかったですわ。
4試合目、5試合目と多少情けない部分もありながらも、緑谷さん以外怪我もなく順調に進みました。
6試合目、人数の都合上一人となった妖見さん。
オールマイト先生が妖見さんなら一人でもとおっしゃっていました…。
妖見さんvs轟さんと障子さんの試合。
妖見さんがヒーローチームとしてビルの前でスタンバイしていました。
画面越しに声は聞こえませんが、また独り言をおっしゃっているように見えました。
オールマイト先生の開始の合図で轟さんが核兵器を凍らせ、妖見さんはヒーローコスチュームの腰に付いたバックから本を取り出しました。
本から小さな何か…コインでしょうか?
コインを腕時計の溝に嵌めると、腕時計は虹色に光りました。
光が止み、暫くすると妖見さんはビルの中に入りました。
堂々と入るなんてバカだろ。と言う声が聞こえる中、私は見失わないように妖見さんだけを注意しながら見続けました。
何故かそうしなければならないと思ったからですわ。
妖見さんは核兵器の場所を探しながら上へ進んでいきました。
"敵"チームは何をしているのでしょうか?
気になりはしましたが、妖見さんから目を離してはいけないと頭の中で警報が鳴り、私は"敵"チームに目を向けることはありませんでした。
ご学友となられた私の隣にいる耳郎さんは、"敵"チームが動いていないことを教えてくれました。
どうやら探知の出来る個性をもった障子さんが妖見さんを探しているようです。
しかし妖見さんは平然とビルの廊下を歩いています。
どうして妖見さんを見つけることが出来ないのでしょうか?
辺りを警戒しながらも気配を消すような歩き方はしていません。
耳郎さんだけではなく、他の見学者も何も起こらないと困惑気味。
先程はヒーローチームに何をしているんだ。と言っていたのに、今では"敵"チームは何をしているんだ。とおっしゃっている始末です。