29話
夢小説設定
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戦闘訓練があった翌日。
昨日かっちゃんの傷心事件とも言うべき大事件が起こった。
思った事を言いたいだけ言ったかっちゃんはその後1人で帰ってしまったのだが、もう大丈夫なのだろうか?
とは言っても赤白髪の男子、轟焦凍に友達の手を借りてだが勝ってしまった私に言う事は出来ない。
かっちゃんの自尊心をもっと傷付けてしまうからだ。
私はいつもと変わりなく、ウィスパーと一緒に朝早くに家を出てかっちゃん家に向かう。
今日も断られたらどうしよう…と考えながら歩くと、すでにかっちゃんは家の前で待っていた。
「…おせぇ。」
『いつもと同じ時間だよ。
…おはよ。』
「ん。」
昨日の事がなかったかと思うくらい普通なかっちゃんだった。
悩んでいたのは杞憂だったみたいだ。
「おら、早く行くぞ。」
中学の時は町内を一周して、学校近くの公園で着替えて登校していた。
だが高校は遠いため、高校まで走って行くことになっている。
「二人とも待ってー!僕も一緒に行くよ!」
いっくんが走って来た。
『おはよ。
もう体調大丈夫なの?』
昨日帰りにくたくただったはずだ。
いっくんは寝たから大丈夫!と言って準備運動をする。
今走ってきたのに準備運動意味あるかな?
軽く準備運動をして3人とウィスパーで学校まで走った。
さすがにスポーツウェアで校門をくぐる訳にはいかないので、公衆トイレで着替えるのは今まで通りだ。
雄英高校の校門が見える所に行くと、沢山の人で溢れかえっていた。
『お祭りみたいだね~。』
「どうしたんだろう…。」
よく見るとカメラとマイクなどの機材を持った人ばかり。テレビや雑誌の記者みたいだ。
「あの中入るの嫌だなぁ。」
「なら帰れ。」
『そんなわけにもいかないよ。』
どんどん先に行ってしまうかっちゃんの背中を追いながら、マスコミの人混みの中に入っていく。
マスコミは先頭を切るかっちゃんにマイクを向けて、何人もが一斉に喋り出す。
「オールマイトが教師になったとお聞きしました!」
「もうオールマイトの授業は受けましたか!?」
「オールマイトはどんな授業をしましたか?」
「オールマイトを見て感想を!」
かっちゃんの睨みが効いていないのか、マスコミは臆することなく聞いてくる。
いっくんと私にもマイクが向けられ、いっくんは慌てている。
「"敵"退治の時から知っていましたが、マスコミの方の勢いは凄いですね!」
私の横にいたはずのウィスパーがマスコミの人達の間に挟まっていた。
ウィスパーを救出すると、女性のアナウンサーらしき人がウィスパーの頬にマイクを押し付けて私に質問してくる。
「ヒーロー科の方ですか!?」
『はい。』
ウィスパーをマイクから遠ざけるように抱き締める。
「オールマイトはどのような授業をしましたか?またその時の感想をお願いします!」
『えーと、オールマイトは格好よかったです!』
「授業の内容も教えてください。」
どう説明すればいいか悩んでいたら両腕を引っ張られて、気が付いたらマスコミの山から抜け出していた。
右には二の腕を掴んだかっちゃんで、左には手を握ったいっくんだった。
「早く教室行こう。」
『え、いいの?』
アナウンサーの方を見たが、二人に引っ張られて校舎へと向かった。
セキュリティ上で校門から中に入れないマスコミは落胆して、違う生徒が来ないか校門の前からは動かなかった。
「あまりマスコミに言わないでいいからね。」
『そうなの?』
内部情報はどこから洩れるのかわからないので喋らないに越したことはないらしい。