23話
夢小説設定
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沢山の瓦礫が演習場全体に散らばっているのを見ながら歩いていると、救助班と見られる大人達がすれ違った。
『怪我した人がいるのかな?』
「うぃす…。」
「まさかまた霊和ちゃん…。」
『行こう!』
走りながら図鑑をリュックから取り出してメダルを数枚手にする。
「もう帰りたいニャーン。」
『ジバニャンはそこにいていいよ!
後で喚ぶから!』
「ニャ……ニャニャン!オレっちも付いていくニャン!」
さすがにボロボロな場所にいたくないのかジバニャンも付いてきた。
フゥ2は仕方ないとジバニャンを背中に乗せていた。
軽い怪我をした受験者はその場で消毒したり包帯を巻いたりとしていた。
重い怪我をした受験者は担架に乗せられ、一ヶ所に集められているのに気がついた。
勝手な行動をしてるのがバレないようにビルの陰から顔を出す。
「そこ慎重にね!傷の重い患者を優先するんだよ!」
ドクターなのか初老の女性が指揮を取りながら治療をしていた。
私も少しでも役にたてばと、治癒の能力を持つ妖怪を召喚する。
『キズナメコ、キズナース、あそこの女性の手助けをしてあげて。』
「怪我や病気の事ならなんでもお任せよ。」
二人は近くにいた怪我人から順に、大きな舌で舐めていく。
苦痛で顔を歪めていた怪我人は見えない治癒の力で驚いていたりホッとしていた。
私はドクターの女性が治療している人が気になった。沢山の人に囲まれ治療を受ける人物の顔は見えないが、そうとう酷い怪我をしているみたいで身体中が痣のような腫れを起こしていた。
『もしかして0ポイントの"敵"にやられたのかな…。』
「結構酷い怪我だよね…。ちょっと見てくる。」
フゥ2がジバニャンを乗せたまま重症者に近付く。
驚いたような顔をしてすぐに戻ってきた。
「大変だ!あれ出久だよ!」
『えっ。』
注意されるだとか頭の中から吹っ飛んだ。
急いで駆け寄ると、痛みで魘されているいっくんがいた。
『いっくん…っ!』
「君、ここは怪我人以外立ち入り禁止だよ!この子は緊急オペが必要なんだ!」
周りの大人に遮られる。
『キズナースこっちに来て!
いっくんを助けて、お願い!』
ここまで酷い状態なのはいっくんしかいない。
なので他の怪我人をキズナメコに任せ、キズナメコより強い治癒が出来るキズナースを喚んだ。
オペ室に入っていくいっくんと大人達に、キズナースを紛れ込ませた。
『大丈夫かなぁ…。』
「私が見てきます!」
ウィスパーは扉をすり抜けて中に入ってしまった。
「ここはスペシャリスト達が集う場所だから大丈夫だと思うよ。
ウィスパーも見てる事だしさ、霊和ちゃんは他の怪我人を治して待ってよ。」
フゥ2に背中を押されて退散させられた。
その後学校の関係者に見つかり健常者は戻れと言われてその場を後にした。
家に帰るとウィスパーも戻ってきて、いっくんの怪我はキズナースと医者の個性で完治したらしい。
H30.04.29