21話
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中学三年。それは人生の中で最初に決断を迫られる年である。
出身高校は履歴に残るし、青春の三年を過ごすため有意義な学校生活を送りたいと誰もが思うだろう。
そのため一年を通して受験のために切磋琢磨する。
私も例に漏れず受験勉強をしているのだが、大きな壁にぶつかった。
『どーしよー!』
「おやおや~?猪突猛進である霊和ちゃんがこんなに悩むとは。」
教室の自分の机で悶々と唸る私の前には一枚の紙が。
紙には"進路希望調査書"と書かれているのだが、名前欄以外の場所が真っ白なのだ。
『ヒーロー科には入りたいけど何処に入りたいとかないし、何処でもいいって思っちゃう…。』
ヒーロー科のある学校なら全て第1志望に書きたい。だが一つの学校しか書けなく、第3志望まで順列を決めなくてはならないのだ。
「うーん…、普通の人なら自分に合う学校を選んでそこから受験勉強するんだろうけど、霊和ちゃん国語以外は優秀だからなぁ。」
「国語以外は優秀ですし、何処でも入れるでしょうね~。」
『うぅ…。
国語はこれから勉強するもん。』
勉強は大抵出来る。
だが国語の作文だけがどうしても解けないのだ。
『もう一番近いヒーロー科がある高校でいいかなぁ…?』
「もうそれでいいニャー。」
「そんなテキトーに決めちゃいけませんよ!」
『えー。』
各高校の紹介が書いてある本をパラパラと捲って頭を悩ませていると、背後から手が伸びてきて調査書の紙が奪われた。
「んなもんここしかねーだろ。」
声の主はかっちゃんで、半目で紙を見て何か書き込む。
机に戻された紙を見ると、第1希望の所に雄英とだけ書かれていた。
『雄英…?
ちょっと遠いよ。』
雄英とは国立の高校で、ここのヒーロー科の卒業生はトップヒーローに近い存在になれると言われている。
「いーからここにしろ!ここ以外認めねーかんな!!
んでぜってー受かれよ!落ちたら死ね!!」
それだけ言って自分の席に戻ってしまった。
「強引なんですから…。」
『雄英って倍率高かったよね。受かるかなあ…?』
「ヒーロー科は確か筆記試験と実技試験でしたね。
筆記試験は霊和ちゃんがこれから国語の勉強をすればいいですし、実技試験は私達がいれば落ちることはないでしょう!」
「オレも勉強教えるからさ、勝己の為にも受けるだけ受けてやってくれないかな?」
『?
どうしてかっちゃんの為?』
「勝己も雄英希望なんだよ。霊和ちゃんと一緒の高校に行きたいんだろうね。」
「ニャ!?高校までアイツと一緒ニャン!?」
かっちゃんなら勉強得意だし実技試験も個性が凄いため合格するだろう。だからかっちゃんは私に雄英に受かれと言ったのか…。
『わかった。
私雄英受ける!』
「うん!頑張ろうね!」