20.5話
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~根津side~
"敵"の不可思議な事件は度々起きていた。
その度に現場に行っていたのだがあることに気がついた。
不可思議な事件はおよそ直径200キロの範囲で行われていた。
まれに遠く離れた場所でも起きているがほとんどがこの範囲の中なのだ。
それで範囲の中心地を調べたところ、昔霊和ちゃんに助けて貰った地域が該当した。
そして数ヶ月前、この地域とは違う不可思議な事件が起こった場所で霊和ちゃんと出会った。
僕はこの不可思議な事件は霊和ちゃんが原因なのではないかと考察した。
そこで汚い話だが僕は権力とコネを使って霊和ちゃんの事を調べた。
「"妖見霊和、13歳。"
中1かな?
個性は…"霊視。人成らざるモノを見る"…。」
以前霊和ちゃんに教えてもらった通りの個性だった。
ということは本当に幽霊や妖怪がいるということだ。
「ん?」
個性の欄にまだ続きがあった。
「"素肌が触れ合うと相手も人成らざるモノを見る事が出来る"。」
なんと個性を持っていない他人も見れることが出来るみたいだ。
これで"妖怪"を見る事が出来れば霊和ちゃんが不可思議な事件の原因だと確定出来るかもしれない。
だが素肌を触れ合うということは意外にも難しい。
今は秋で長袖の季節だからぶつかったり何か付いていると言っても素肌には触れない。
そしてもう既に人見知りの仲なのだから今頃握手など出来ない。顔や足などを触るほど親しくもない。
「ん~…どうしようか?」
僕は頭を悩ませながら資料を読み返したのだった。
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それから休日に場所を絞って"敵"が出現したら直ぐに駆け付けるようにした。
霊和ちゃんの家の住所は知っていたが現場を押さえない事には僕の考察が証明しないからだ。
その時初めて"敵"の不可思議な行動を目の当たりにした。
だが霊和ちゃんにはなかなか会えず、かといって他に怪しい動きをする人物も見付からずやきもきしていた。
「やはり校長、アナタの見解が間違っていたのでは?」
休日に駆り出されている相澤くんの不機嫌な顔が此方に向く。
「僕の意見が違っていたとしても、他に怪しい人物も見付からないじゃないか。」
「…。
犯人は現場にいない可能性もあります。
モニター越しに操れる可能性も。」
「多分それはない。
以前人質だった女性が何かに引っ張られたと行っていた。
サイコメトリーや重力関係の個性なら身体全体で浮く。引っ張られた感覚はないはずだよ。
あるとしたら今この現場にいて姿を消しているんだと思う。」
相澤くんは僕の考察を疑っている。
"妖怪"といういるかいないかもわからないモノを信じていない。"妖怪"がいたとしても"敵"の行動を操れるはずがないと思っている。
だが妖怪には人間の個性に似たモノがあると僕は思う。
妖怪・ぬりかべは何も遮る物がないはずの道が通れない、座敷わらしが住んでいる家は裕福になるなどそれぞれ特徴がある。
それの中に人間の行動を操れる能力があるのではないかなと。
今回も収穫はなく、仕方なく解散する事にした。